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こんにちは。南アフリカ、トランスカイ在住の随筆家 バンベニ桃です。今回から私のアフリカに嫁いだ暮らしの中で、日本では体験できない発見、驚いたことや、素晴らしいこと、面白いこと、工夫を凝らした暮らしなどを移住コラムとして紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

第1回:命の誕生の神秘を感じる暮らし

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コサ族は放牧民族なので、我が家には羊、ヤギ、鶏、豚などの家畜がいる。

暑い日の昼下がり、妊娠中であった我が家の黒ブタが、出産を始めた。
ブタの出産を見るのは初めて。

苦しそうに一匹、また一匹と生み落とす姿に感動する。

結局5匹のベイビーが誕生した。
パパがブチ柄なので、ベイビーのうち3匹はブチ。2匹が黒。

まだ生まれて間もない5匹のベイビーはヨチヨチと自力でおっぱいを探す。
なんとか4匹は見つけてチュッチュッとおいしそうに吸っているのに、最後の一匹はどうしても見つけられない。

ヨチヨチ、ヨチヨチ、明後日の方向に歩き出す。

鶏たちが興味を示して、小さな生まれたてのベイビーの周りを取り巻く。

私はヒヤヒヤしながらもブタママが突進してくるのが怖くて(母親は気が荒くなるので)見守ることしかできない。

1時間以上もその調子で小屋の中を歩き回るベイビー。

ママブタは断固と手を貸さない。

土まみれになりながら、キューキューと鳴いている。
ママブタはその声に応え、「こっちだよ。こっちだよ。」と促す。

家畜でありながらも、ブタママは自然の厳しい掟を子供に教える。

「自分の足で立って、しっかり生きなさい。」

そう言っているかのようだ。

アフリカで動物と共に暮らす喜びは、こうして命の始まりを一緒に体験できること。

彼らの暮らしは神秘に満ちている。

そして何か大切なことをいつも気づかせてくれる。

私は、おせっかいと知りながら、何もせずにいられなくて、その小さな命をそっと抱え、ママブタのおっぱいの隣に置く。

それでも最初はおっぱいが見つからずに、あたふたしていたベイビーはようやくおっぱいを見つけ出し、嬉しそうに、おいしそうに、吸いつく。

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私が手を出さなくても、きっとこの子は探し当てただろうし、
ブタママは最後まで手を貸さなかっただろう。

おめでとう。
ブタママ。初めての出産。
本当にがんばった。

全てのベイビーがおっぱいをチュッチュッチュッと吸い出すと、我が家は一気に幸せムードに包まれた。

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バンベニ 桃
2006年から3年弱、ヒッチハイクの旅でユーラシア大陸横断、アフリカ大陸を東西南北に旅する。現在は旅でたどり着いた南アフリカのトランスカイと呼ばれる地でコサ族に嫁ぎ、二児の母。移住6年目。地球と循環していけるシンプルライフを執筆中。地球の欠片で作るアクセサリー 作家としても活動中。私の暮らすトランスカイ情報も発信中! 《地球アート雑貨シソドワ(雑貨活動と執筆活動情報)》《トランスカイ情報