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国際協力機構(JICA)は、2017年5月26日、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにて、コンゴ政府と「国立生物医学研究所拡充計画」を対象とした最大23億2,500万円の無償資金協力の贈与契約を締結しました。感染症対策を担うコンゴ唯一の国立機関である国立生物医学研究所の検査・研究と研修実施のための施設・機材の整備により、コンゴ民主共和国だけでなく中西部アフリカにおける感染症対策の取り組みに貢献します。

アフリカ第2の広大な国、DRコンゴが抱える課題!

アフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国は、人口約7,727万人の共和制国家です。アフリカ大陸ではアルジェリアに次いで第2位の国土面積を擁しており、これは世界全体でも第11位に当たります。東はウガンダやルワンダに接しており、西は大西洋に面しています。

コンゴ民主共和国は、医療サービス提供能力に課題を抱えています。保健システムが脆弱で、5歳未満児死亡率は2015年時点で出生1000対98、妊産婦死亡率も出生10万対693と未だに高い水準です。

また、エボラ出血熱の大規模な流行を過去7回経験しており、また2017年5月には、世界保健機関(WHO)が同国でエボラ出血熱の感染者が確認されたと発表しているなど、対策が急務となっています。

DRコンゴの感染症対策機関「国立生物医学研究所」

コンゴ唯一の感染症対策を担う国立機関である国立生物医学研究所(INRB:National Institute for Research and Biomedical)は1984年に首都キンシャサに設立されました。国際的なネットワークを有する中核的研究者が所属しており、多剤耐性結核やウイルス性出血熱等の検査・診断・基礎的研究を実施しています。

また、長崎大学熱帯医学研究所やガーナの野口記念医学研究所との共同研究や、2016年8月に派遣されたJICAの国際緊急援助隊・感染症対策チームとの連携等の実績を有しています。国際的な研究機関として評価が高く、2015年5月にはエボラ研究の功績からINRB所長がフランスの医学賞を受賞しています。

一方で、細胞培養を伴う診断や研究に必要な施設・機材、感染症診断やサーベイランスを担う人材を対象とした研修施設などが不足しています。サーベイランスとは、感染症の発生状況を調査・集計し、関連組織と情報共有を行うことで、感染症の蔓延を防止することです。

その中で特に課題となっているのが、病原体等への曝露等を予防(バイオセーフティ)しつつ、疫学検査等を実施するためのバイオセーフティレベル3(BSL-3)の検査室が無く、安全に検査や研究を行う環境が整っていないことです。感染症対策をさらに強化するとともに、専門性を有した人材を育成していくためには、これら施設・機材整備が必要となっています。

中西部アフリカにおける感染症対策に貢献!

JICAは、コンゴ政府と「国立生物医学研究所拡充計画」に関する無償資金協力の贈与契約を締結しました。本プロジェクトでは、INRBの検査・研究及び研修実施のための施設や機材の整備を実施することで、熱帯感染症などの診断や基礎的研究能力の向上、医療従事者や研究者の育成促進を図ります。

これまで実施できなかった高いバイオセーフティが求められる検査や研究も実施できるようになることが期待されており、本プロジェクトを通じて、コンゴ民主共和国だけでなく中西部アフリカにおける感染症対策の取組強化を通じた社会サービスへのアクセス改善への貢献を目指します。

またJICAは、本案件に加え、コンゴ保健省への専門家派遣を通じた政策支援や感染症のサーベイランスシステム構築・強化支援、技術協力プロジェクトやキンシャサ保健人材センターの整備による看護師や薬剤師等の中級保健人材の養成支援等を行っており、今後も同国の保健システムおよび感染症対策の強化を包括的に支援していく予定です。


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