ベナンの女性と子どもが“それなりに”生きやすい場所をつくる!〜国際団体ソコニイルカが目指すもの〜

こんにちは。国際団体「ソコニイルカ」です。私たちは、社会的に弱い立場にいる人に居場所を見つけ、“それなりに”生きやすい社会を目指す団体です。メンバーのほとんどが、大学院で南アジアやアフリカ地域の研究をしながら、活動に参加しています。

西アフリカに、ベナン共和国という小さな国があります。私たちは今このベナンを対象に、現在プロジェクトを進めています。ベナンは平均余命、教育及び所得などから見た「人間開発指数」 で188カ国中167位と世界の中でも貧しい国の一つです(2015年、UNDP)。けれど、多彩な宗教と文化があり、子どもも大人も活きいきとしたとしたコミュニケーションを交わす国です。この国に支援のための施設を建築しており、また現在クラウドファンディングを実施しています。

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職業訓練所を兼ねた無料宿泊所を建設中!

この施設は、3つの店舗と9つの部屋からなる長屋型の建物です。施設の一部の部屋を、暴力を受けた女性たちが一時的に避難することができる無料宿泊所にします。そして店舗の部分を、親がいない、或いは障がいを持っている、または極度の貧困家庭にいる子どもたちのための、職業訓練所を兼ねた店舗とします。そして、残りの部屋を賃貸で貸し出し、その収益で無料宿泊所と職業訓練所の運営資金を賄います。

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また、現地の暴力を受けた女性や過酷な状況にいる子どもたちに少しでも役に立つために、ベナンの志がある人と共に現地NGO「ミドフィ」(現地語で「私たちはここにいる」の意味)を設立しました。そのNGOを通して、私たちは2つのことを実現したいと思います。

  1. 暴力から逃げてきた女性に、今後を考えていくための一時的な生活の場所を提供する。
  2. 社会的に不利な状況に置かれた子どもに、無料で職業訓練を提供する。

持続的な支援とするために、これらの運営資金は海外の援助に頼らず自分で調達できるようにします。子どもと女性のために利用しない部分を賃貸部屋として一般の人に貸し出し、NGOの収入にします。その収益で、避難者の食事、避難者の収入創出活動への支援、スタッフが支援活動をするにあたっての活動費用などを賄いたいと考えています。

現在の状況

  • 2016年3月、この施設の建築を計画し、ベナン共和国のアラダ市に約600㎡の土地を購入し、登記しました(約60万円)。
  • 2016年12月には、現地NGO設立の登記手続きを完了しました。
  • 2017年4月現在、自己資金にて建築に着手し、現在建物の外観部分まで出来ている状態です。

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設計は、現在ベナンで仕事をされている、一級建築士の方に協力いただきました。

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なぜベナンという国を選んだのか

ベナンで活動をはじめた理由は、私たちのメンバーの一人が、青年海外協力隊でベナン共和国に派遣され福祉センターで働いていたことがきっかけです。彼女は二年間福祉センターで働き、どのような人びとが何に困っているのかについて、現地の人と近い目線で考えられるようになりました。一方で、援助が集まりやすい場所で働いていたこともあり、援助が権力を持っている人に利用されていたり、本当に必要な人に行き届かなかったりと、あまり有効でない形で使われることもたくさん見てきました。

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援助や国際協力が上手くいかない時の大きな問題の一つとして、援助する側が、される側のことをよく知らないということがあります。それは、押し付けになったり、放置されたりすることにつながります。アフリカの多くの国にそれぞれの苦しみがあります。それはそれぞれの形の協力を必要とするものであると考えます。私たちは、国際的に協力していくにあたって、匿名の誰かに対してではなく、その現実を共有できる、顔の見える人々に対して実施したいと考えます。

大きな問題設定から入るのではなく、顔が見え話し合うことができる関係から、協力関係を築いていきたいという思いから、メンバーがその生活と社会をよく知るベナンにしたのです。

ベナンが抱えている課題

ベナンは平均余命、教育及び所得などから見た「人間開発指数」 で188カ国中167位と世界の中でも貧しい国の一つです(2015年、UNDP)。その中でも、特に社会的に立場の弱い女性や子どもに、痛みや苦しさが集まりがちです。

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女性には、水汲みや炊事、子育てに加え、農作業や小商いなどの仕事があり、多くの女性は男性より長く働いていますが、家庭や社会の中での発言権は限られています。家庭の中で暴力がふるわれても、逃げ場所もなく耐えるしかないのがほとんどの状況です。

また、子どもたち、特に親を亡くした子どもや障がいを持っている子どもは、多くの庇護が受けられず、学校や職業訓練に行く機会も、通常の子どもに比べて非常に限られています。

女性と子どもを支援するためには・・・

私たちがクラウドファンディングでしようとしていることは、その人たちに直接お金を届けることではありません。もしお金であれば、その時限りで終わってしまうでしょう。

私たちがしようとしているのは、暴力を受けた女性の無料宿泊所、子どものための無料職業訓練所に合わせて、収益を得ることのできる賃貸用の部屋を併せ持った建物を建てることで、海外の支援に頼らずにコミュニティの中で持続的に運営できるシステムを作ることです。

この建物は、現在私たちの自己調達資金で、外観まで整っている状態です。残りを支援してもらうことで、建物を完成させたいというのが、このクラウドファンディングの目的です。

新しい支援の形を模索

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このプロジェクトは、決して大きいものではありません。メンバーを通して顔が見える範囲の小さなものです。しかし、今まで暴力を受けた女性のための施設がなかったベナンにおける宿泊所の運営や、賃貸で収入を得て、NGOの活動資金に使う仕組みを作ろうとするなど、挑戦的なことをしようとしています。

新しいからこそ、成功すると他の国際協力の形に一つのモデルを提示することとなりえます。今後の新しい国際協力の形を作っていくために、ぜひ多くの人のご支援が得られればと思っています。クラウドファンディング終了まで残り10日ですが、ご協力・シェアよろしくおねがいします。

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※本記事は国際団体「ソコニイルカ」様より寄稿いただきました。

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