国際協力機構(JICA)は、日本の中小企業の製品・技術の途上国での活用可能性の調査・実証を通し、中小企業の海外展開と途上国が抱える様々な課題の解決を目指す「中小企業海外展開支援事業」の2017年度第1回公示の採択企業を決定しました。今回は合計68件が採択され、うちアフリカ案件は、基礎調査3件、案件化調査4件、普及・実証調査1件の計8件でした。

中小企業の海外展開支援を通じて、途上国の課題解決を目指す!

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国際協力機構(JICA)は、優れた製品や技術力を持つ中小企業の海外展開に向けた情報収集や事業計画策定、実証事業などをサポートする「中小企業海外展開支援事業」を実施しています。2012年度の開始以降、累計採択案件数は603件に上ります。

中小企業海外展開支援事業は目的や金額別に基礎調査、案件化調査、普及・実証事業の3制度があります。2017年3月に募集された2017年度第1回公示では基礎調査13件、案件化調査36件、普及・実証事業19件の合計68件が採択されました。

採択された案件を具体的に見てみると、今回は全国32都道府県の中小企業の提案が採択されています。対象国は、東南アジアが44件と全体の65%を占めており、次いでアフリカが8件(12%)、中南米が6件(9%)となっています。対象分野は、農業分野が24%と最も多く、水分野(13%)、環境・エネルギー(12%)、防災・災害対策(12%)が続いています。

アフリカでの事業開発を目指す!基礎調査!

JICAは、中小企業が保有する優れた製品や技術力を開発途上国の経済社会開発に活かすため、情報収集や事業計画立案のサポートやJICAなどが行うODA事業との連携検討を目的に、基礎調査を実施しています。今回の公示より航空賃などの別見積制度が導入され、応募数・採択数共にアフリカ地域や南米地域などの遠隔地域の割合が増加しました。

  1. 【農業】株式会社折玉(福井):バオバブ、モリンガ、ハイビスカス等農産物加工品輸出販売事業策定基礎調査(セネガル)
  2. 【農業】株式会社エイトワン(愛媛):ハイビスカス茶の生産、販売輸出規制、市場のための基礎調査(マラウイ)
  3. 【教育】キャスタリア株式会社(長野):公教育および私教育における初学者向けプログラミング教育の調査(ケニア)

参考)採択案件一覧表(PDF)

途上国の開発課題の解決と中小企業の海外展開を目指す!案件化調査!

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案件化調査は、開発途上国の開発ニーズと日本の中小企業が保有する優れた製品・技術等のマッチングを行うことで、途上国の開発課題の解決と日本の中小企業の海外事業展開との両立を図ることを目的とした調査事業です。採択された提案には、JICAが調査業務として上限3,000万円の委託費が支給されます。

なおこれまでは販売実績のある製品・技術等の提案が前提となっていましたが、今回より、実績のないアイデア段階、研究・試作・実証段階の製品・技術なども提案可能としました。アフリカ案件は前回より2件減って、4件が採択されました。

  1. 【保健医療】株式会社キャンサースキャン(東京):健康診断受診者拡大事業及びODA案件化に関する調査(ケニア)
  2. 【職業訓練・産業育成】株式会社ラミーコーポレーション(大阪):ラミネート機材の普及を通じた職業訓練体制強化のための案件化調査(ケニア)
  3. 【その他】音羽電機工業株式会社(大阪):雷害対策の技術移転のための案件化調査(ルワンダ)
  4. 【その他】辻プラスチック株式会社(滋賀):自発光道路鋲を活用した夜間の交通安全対策にかかる案件化調査(タンザニア)

参考)採択案件一覧表(PDF)

途上国で製品や技術の広く普及を目指す!普及・実証事業!

普及・実証事業は、途上国の社会経済の課題解決につながる製品・技術を保有する中小企業の海外展開に向けた普及活動及び実証活動を、JICAが支援する取り組みです。これまで上限金額は1億円のみでしたが、開発途上国における課題の高度化、複雑化に対応するため、前回公示より新たに1.5億円枠が導入され、今回も4件が採択されました。

また全19件中15件が、上記の基礎調査もしくは案件化調査を実施した企業となっています。JICAの制度上手く活用してステップアップしている中小企業が増加している傾向がある一方で、アフリカ地域について1件のみの採択となっておりビジネス実証の難しさが伺えます。

  1. 【農業】大紀産業株式会社(岡山): 農産物乾燥加工技術導入を通じたタマネギの付加価値創出に向けた普及・実証事業(スーダン)

参考)普及実証事業:採択案件一覧表(PDF)

JICAは、今後も中小企業の海外展開支援を今後も進めていく方針で、例年通りだと次回の公示は秋ごろになる見込みです。

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