アフリカ初事例!ユニセフ、マラウイでドローンのテスト飛行ルートの運用を開始!

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マラウイ政府とユニセフは、無人航空機(通称:ドローン)の人道支援利用の可能性をテストするために飛行ルートの運用を2017年6月30日に開始しました。 この飛行ルートは、 アフリカ初のドローンのテスト飛行ルートであり、人道支援・開発支援の利用に特化したルートとしては世界でも初となるものの1つです。 今後、1~2年かけてドローン空撮によるニーズ調査が実施される予定です。

マラウイで進む、ドローンの活用実験!

2016年3月、ユニセフは、マラウイにおいて乳児のHIV感染の早期検査を実施するために、ドローンで乾燥させた血液サンプルを輸送するというフィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)が行いました。 この調査の結果、 ドローンはHIV検査に用いられる既存の輸送システムに加えられる実行可能な手段であることが示されました。

またユニセフは、マラウイ政府による洪水被害対応を支援するにあたって、ドローンの人道的利用を実施しました。被災したコミュニティや家族たちの状況を、より迅速で、より効率的に、費用対効果の高い方法で調査することを目的に、2017年2月から4月にかけて、サリマ、 リロンゲ、 カロンガにおいてドローンの空撮を活用した被災者のニーズ調査を行いました。

ユニセフはこの様に世界の政府や民間セクターのパートナーと協力して、 ドローンをどの様に低所得国で活用できるかの研究を進めています。ユニセフはこれら以外でも、緊急の捜索や救出活動を支援する目的についても、 ドローン利用の可能性を調査しています。

アフリカ初!ドローンの飛行ルートが運用開始!

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今回アフリカで初めて運用が開始されたドローンの飛行ルートは、 マラウイ中部に位置するカスング飛行場を中心にした半径40kmにおよぶ空域です。最長距離は効果的にドローンの輸送を試験できる距離である80キロメートルに設定され、高度制限は地上400メートルとなっています。2018年6月頃までの1~2年間運用される予定です。

ドローンのテスト飛行ルートでは、 主に”画像・映像”、”通信”、”輸送”の3つの分野における検証が行われます。開発支援や人道危機対応のための航空画像・映像の撮影・分析や洪水や地震発生時の状況モニタリングを行ったり、緊急事態発生時に 通信が困難な地域において、 ドローンによるWi-Fiや携帯電話の電波増幅の可能性を検証したりします。また、緊急用の医療物資、 ワクチン、 HIV感染検査用の血液などの小型で軽量の物資輸送もテストされます。

この飛行ルートは、民間セクター、 大学、 その他のパートナーが、 コミュニティに寄与するサービス提供のためにドローンをどのように活用できるかを研究できる場所として設計されており、テスト飛行ルートの使用に関心のある企業や個人は、こちら からオンラインで登録できます。

ドローン活用について、マラウイ各所からコメントを発表!

マラウイのジャッピー・ムハンゴ運輸・公共事業大臣は、 「マラウイは、 長年にわたってイノベーション分野のリーダー的役割を果たしてきました。 革新的な取り組みに対するマラウイの寛容さが、 アフリカ初のドローンテスト飛行ルート開設につながったのです。 我々は、 すでに洪水被害への対応の一部にドローンを活用しており、 今後もたとえば医療物資の輸送など、 遠隔地の集落で暮らす人々の生活に変化をもたらせる可能性もあると考えています」とコメントを発表しました。

またユニセフ本部イノベーション部門プリンシパル・アドバイザーのクリストファー・ファビアン氏は、「人道的利用のためのUAVテスト飛行ルートは、 世界の最も厳しい状況にある子どもたちに支援を届ける上で、 その効率性と機能を飛躍的に改善することができます」と述べています。

ユニセフ・マラウイ事務所のヨハネス・ウェデニグ代表は、「マラウイでは、 条件が良いときでさえ、 村落部への陸路でのアクセスは限られています。 鉄砲水が発生すると土の道路は川になることもあり、 被災したコミュニティへのアクセスは、 完全に絶たれてしまいます。ドローンを使えば、 簡単に被災地の上空を飛行し、 現場で何が起きているかを明確に確認することができます。 このほうが、 衛星写真よりも安く、 解像度が高いのです」と期待の声を述べています。

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記事提供元:ドローンの人道的利用: マラウイの飛行ルート運用開始【プレスリリース】

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