ガーナのコミュニティーに農協を!アフリカでの挑戦と葛藤!【第4回】

こんにちは。国際基督教大学2年の市川裕太郎です。西アフリカのガーナに来てちょうど1カ月が経ちました。正直、時折日本がとても恋しくなることがありますが、今のところ大きな病気やケガもなく、楽しく毎日を過ごしています。今回はガーナでの生活の紹介、現在行っている活動の進捗状況、日常生活の中で考えていることなどについて書きたいと思います。

農家を訪問した分かった、ガーナのカカオの現状!

僕は普段、ガーナの首都アクラから車に揺られて5時間ほどいったところにあるウンクムという村にいます。山間にあるこの村の景色はヤシの木やバナナの木がいろんな所に生えていて熱帯の森という感じです。

生活環境としては、電気は通っていますが、水道とガスは通っていません(水道はかつて通っていたが、壊れたまま2年ほど放置され、現在は雨水やため池の水を使用)。平日は村でプロジェクトに取り組み、週末はアクラに戻るという生活を送っています。

通りを歩いていると「オブロニ」と話しかけられることがしょっちゅうあります。オブロニとは白人という意味なのですが、使われ方としてはあだ名で友達を呼ぶといった感じに近く、実際ホームステイ先の子供には名前で呼ばれたりオブロニと呼ばれたり、半々くらいです。

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農業分野で活動しているので農場に行くことがよくあります。カカオやキャッサバ、ヤム芋など、日本では見ることの出来ない植物のオンパレードで実際に食べたりして見るのですが、中でも驚いたのは生のカカオ豆の味。カカオ豆は写真の様に木になり、割ると小さな豆がぎっしりと詰まっています。

チョコレートはこの種子を乾かして加工することにより作られるのですが、割ったばかりの豆は白くヌメヌメしたものに覆われています。現地の人に促されこのヌメヌメを食べてみたのですが、なんとバナナのような味がしました。ただ、ヨーグルトやシトロンに似ているという感想もあり、言われてみればそんな気もするというような不思議な味です。

ガーナではカカオ豆の価格は政府によって最低価格が設定され、政府系の企業によって買い取りが行われています。この政策について村の人に聞いたところ、ポジティブな意見が返ってきました。というのもウンクムの地理的条件からか、その他の作物についてはどんなに安くても村に取引をしにくる商人の言い値で売るしかないとのこと。自給作物で生活することもできますが、子供の教育費等現金収入が必要な中では、売らざるを得ず、他の作物についても政府によって買い取って欲しいという意見も聞きました。

コミュニティに農協が必要な3つの理由!

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農協について村の人々に話す様子

僕は現在、村に農業協同組合(以下、農協)を作るという活動をしています。最初の一週間ほどは村の人や農家の方に話を聞いて村の現状を知るために活動しました。村の状況としては、住民のほとんどは農家であり、収入の大半はカカオの生産によって構成されているとのこと。農家はそれぞれが農場を持ち、基本的にその家族が各自で管理するという方法によって農業が行われています(大きな農場を持つ家族は人を雇うということもある)。

また、カカオの収穫時期は9月から12月の約4カ月間で、それ以外の時期はキャッサバやプランテーン(バナナの仲間で主食のうちの1つ)といった作物や炭を生成し売ることによって生計を立てています。ただ、収入の大半はカカオによって構成され、それ以外は収入を補う為に或は自給用に作られるようです。

このように農家の方に話を聞くうちに気付いたことの1つとして、村に農協のような組織が存在しないという事がありました。上に述べたように住民の大半は農家でありながら、個人や家族はそれぞれ独立して農業を行っています。また、農家の抱える問題として低収入が原因で農薬や肥料を継続して購入することが出来ず、効率的な生産を行うことが出来ないということもあります。

僕はこのような状況の中で農協を作ることは3つの主な役割があると考えています。1つはアイデアや意見を交換する場としての役割です。現在は個人や家族がお互いに独立して農業を行っています。農協は最も効率的な作物の作り方を共有したり、様々な人が意見を交換する場として機能し、より生産性の高い農業の方法を考えることに役立つと考えます。

2つ目に資本を共有する為の場という役割があります。資本を共有することによって共同で農薬を購入したり、機械を導入することが可能です。3つ目に、他の団体や企業と協力したり、交渉したりするための力をつけるという機能があります。例えば農業の専門家を呼び技術の向上を目指したり、フェアトレードを行う団体と協力することが可能になるのではないかと考えています。

進捗状況としては、農協を2週間ほど前に立ち上げ、現在はそれを残す為の仕組み作りに取り組んでいます。具体的にはインターン先NGOと農協との協力体制を強化することや、将来の活動計画を作成することなどです。

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