日本食堂の開業に向け、クラウドファンディングを実施

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「和心」の入り口

それから原田さんはインドで1年間働いたのち、日本人のパートナーと結婚。生活環境が変わりつつも、やはり「セネガルで事業を起こしたい」という気持ちが消えることはなく、2度目のセネガル渡航を果たします。なんと、セネガルに出発する前日に、一緒に渡航するはずだった奥様の妊娠が発覚。急きょ一人での渡航になったのでした。

渡航後はポテトチップスの製造・販売事業を始めてみたり、セネガルの街を観察したり、半年間ニートのような生活を送った原田さん。さらに、セネガル以外の西アフリカの国々も巡ってみたものの、最終的にもっとも居心地の良かったセネガルで「日本食堂」をオープンすることを決意します。

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原田さん「妻の出産に立ち会うために日本に戻ったタイミングで、のちに共同創業者となる小林に出会うんですが、彼といろいろ事業について妄想しているうちに、どちらからともなく『日本食レストランいいじゃん』という話になって。それから僕は焼き鳥屋、小林は海鮮料理屋でバイトして修行を積みました。その後、小林の友人の斉藤も加わり、3人で日本食堂を立ち上げることに決めたんです」

そして原田さんら3人は、開業資金をクラウドファンディングで集めることに成功。83人もの方から541,500円の支援金が集まりました。

原田さん「当時の僕らは、セネガルのビザのことやレストランを開業するための資格のことも何もわかってなくて、最悪『ビザが取れなくて帰ってきちゃった。あはは』で済むかなと思っていたんですが、クラウドファンディングが成功しちゃったから、もう引くに引けなくなって……(笑)。だから資金面だけじゃなく、このクラウドファンディングには大きな意味がありましたね」

開業まで2年3カ月……夢にまで見たオープンの日

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意気揚々とセネガルにわたった原田さんら3名ですが、その後の道は平坦なものではありませんでした。

原田さん「本来は3カ月でレストランを開業する予定だったんですが、結果的にかかった歳月は2年3カ月。実はセネガルでは手続き上、最低でも1年間の準備期間が必要だったんです。しかもセネガル人はイスラム教信者が多いので、豚肉とアルコールはNG。メニューとしてお酒を提供したいと訴えたために、物件探しにも苦労しました。物件が見つかるまでの半年間は、お弁当を販売しながら生活費を稼いでいましたね」

半年ほどかけてようやく物件が見つかり、本格的にお弁当販売をしながら、ゲストハウスの運営も開始した原田さん。借りた家が大きな一軒家だったために、思いの外家賃が高く、余った部屋を有効活用するためでした。

原田さん「そんなに観光客はいないだろうし、宿泊客は月に1、2人ぐらいかなと思っていたんですが、営業を開始したら毎月7、8人、多いときは15人以上が泊まりに来てくれました。だから、高い家賃を支払っても生活が維持できるようになったんですよね」

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順調に事業を拡大していた原田さんたちですが、ずっと難航していたのが「レストランの開業資格の取得」でした。やはりアルコールの提供という点が引っかかり、何十回役所に通ってもライセンスを取得することができなかったのです。

原田さん「もしかすると役所の人たちは賄賂を求めていたのかもしれないんですが、僕らはそれに気づかなくて。結局1年間通い詰めた末にライセンスが降りたんですが、『こいつら面倒だな』って感じで、出してくれたんだと思います(笑)」

そうして2016年11月、ようやく念願の日本食堂「和心」のプレオープンが実現。当初は週末限定で予約制というスタイルでしたが、毎週来てくれるフランス人ファミリーや積極的に手伝ってくれたインターン生たちに支えられ、2017年4月にグランドオープンを果たしました。

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シックで落ち着きのある「和心」の内装

原田さん「グランドオープンしてからは、僕らがイメージしていた通り、セネガル人、日本人、欧米人などあらゆる国の人たちが来てくれました。『やっと、ここまでこれた』と心からホッとしたと同時に『いよいよ、これからだぞ』という身が引き締まるような思いが交差していましたね」

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恋する旅ライターかおり/小林 香織
2014年ライターデビュー。約15年間の会社員生活を経て、フリーランスに転身。東京を拠点に、ときどき国内外を旅しながら、地球上にあふれている心ときめくストーリーを綴る。働き方を含めたライフスタイル、人生ストーリー、旅、恋愛、体験記など、幅広く執筆。生き方の選択肢を提供し、自由にライフスタイルを選びとれる人を増やすことがミッション。ウガンダ発のファッションブランド「RICCI EVERYDAY」との出会いを機に、アフリカンプリントに一目惚れ。