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ハーバードビジネスオンラインにおいて驚愕のニュースが発表されました。全国で51店舗ある「すしざんまい」を運営する株式会社喜代村の木村清社長が、ソマリアに乗り込み海賊を壊滅させたそうです。長い間ソマリア沖では海賊の被害に悩まされており、2011年のピーク時には年間237件の被害が発生していました。

木村社長がソマリアの海賊を漁師へと更生させたスゴイ仕組み!

そもそもソマリア沖では多くのマグロが生息していることで有名でしたが、マグロ漁の技術も、船も、設備もないソマリアの人々は目の前のマグロという宝をうまく活用できてはいませんでした。全く産業にはなっていなかったため、仕事を求めた若者は海賊になるという選択をせざる追えませんでした。

そんな状況に目を付けたのが、木村社長でした。海賊になった若者が、実は生きるために仕方なく海賊になっている実情を知り、海賊を漁師へと更生させようとソマリアに乗り込みました。自前で船を用意し、彼らにマグロ漁の技術を教えました。そして自らが音頭をとり、ソマリア政府をIOTC(インド洋まぐろ類委員会)に加盟させることで、獲ったマグロを自社で買い取る仕組みを作りました。

正直言って今のところまだ採算はとれていませんね。しかし、将来的にはきちんと利益が出る目論見はたっていますよ。それに商売というのは、目の前の利益、儲けのことを第一に考えていたんではうまくいかないものなんです。まず考えなくてはならないのは、どうやったら喜んでもらえるか、何を求められているかということ。それに応える算段をするのが「商売」なのではないですか。(ハーバードビジネスオンラインより)

すぐに利益を求めるのであれば、アフリカでビジネスをするのは良い選択ではないでしょう。ただ現地の課題・ニーズを捉え、長い視点を持って投資をしていくと花咲く可能性は高いように思います。木村社長の言葉には、ビジネスの真髄が隠れています。

本当にソマリア沖の海賊は壊滅されたのか?

外務省が公表している「世界全体の海賊等事案発生状況」によると、ソマリア沖での海賊被害は2011年の237件から翌年の2012年は75件と激減しています。2013年15件、2014年11件、そして2015年の1~6月にはなんとゼロになりました。

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出典:外務省

2015年1~6月の間、ソマリア沖海賊等事案は発生しませんでした。しかし、ソマリア海賊には依然として襲撃を実行する可能性と能力があると見られます。IMB海賊情報センター(PRC、Piracy Report Centre)は、商船のハイジャックが1回でも成功すれば、ソマリア海賊の海賊行為を再開させる熱意が呼び覚まされると考えており、商船の船主及び船長に油断しないよう注意を喚起しています。(外務省より)

海賊が撲滅したニュースは海外メディアでも取り上げられており、話題となっていました。

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出典:cdn-ak.f.st-hatena.com

自衛隊も貢献!海賊の再就職先としての期待も!

一部ではすしざんまいの木村社長が海賊を壊滅させたとの記事が出回っていますが、それはもちろん一理あります。一方で、2011年に日本の自衛隊はジプチに航空自衛隊の基地を作っており、アメリカを海賊対策に力を入れていました。自衛隊は欧州の軍隊と共にソマリア海峡を巡回して海賊の撃退活動を続けており、こちらの功績も忘れてはいけません。

ただなぜ海賊が生まれるのかにもしっかり目を向け、海賊という職業を失ったソマリアの人々についても考えていく必要があります。そういった意味では、木村社長の取り組みはソマリアの漁業産業の発展に大きく寄与していると考えられ、とても価値が高い事業であると思います。

残念ながら2015年後半にかけて数件海賊による被害事例が報告されているとも言われます。”海賊問題”の根本には必ず”貧困問題”があります。貧困から生まれる課題をビジネスによって解決しようとする「すしざんまい」木村社長の今後の取り組みに期待が高まります。

Photo credit: frankkeillor via Visual hunt / CC BY-NC

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凡
Africa Quest.com 編集長。1987年うどん県生まれ。証券会社退社後、青年海外協力隊としてケニアに赴任。在任中に雇用創出をビジョンにソーシャルベンチャーを共同創業し、約2年にわたり運営を行う。現在は、Africa Quest.comの運営や中小企業のアフリカ進出サポート、アフリカビジネスラボのモデレーターなど、アフリカをテーマに幅広く活動している。