国際NGOウォーターエイドは、3月22日の”国連世界水の日(World Water Day)”に向けて、世界の水の状況を分析した報告書の第3弾『水の格差』を発表しました。本報告書では、持続可能な開発目標(SDGs)が合意に至って 2 年経過してなお、最貧困層が清潔な水を利用できるようにならず、取り残されている理由を分析しています。また清潔な水を利用できない国の第1位はエリトリアで、ワースト10のうち9カ国がアフリカ諸国となりました。

報告書が示す、世界の水の状況

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浅井戸からくんだ水を運ぶ女の子たち。(タンザニア、ゲイタ州ニャルグス近郊)©WaterAid/ Sam Vox

ウォーターエイドが発行した今年の報告書『水の格差』によると、自宅周辺で清潔な水を利用できないと定義された人の数が増加したことが明らかになりました。世界では、前回の統計より約2億人増加した約8 億4,400万人が清潔な水を利用することができません。

増加した理由の1つは、統計手法の変更です。今回から水源の種類と水源までの距離の両方についてデータを取得するようになりました。これにより、水源まで往復30分以上かかる場合は、水を利用できる状態とはみなされなくなりました。結果として、ウガンダやニジェールなどこれまで名前の挙がることが無かった国も、水を利用できる人口の割合が最も悪い国として名を連ねるなど、より水の格差の現状が明らかとなりました。

また今年の報告書にも示されているとおり、世界のどの国においても、清潔な水を利用できないのは最貧困層や弱い立場にいる人々、つまり農村部に住む人、高齢者、障害のある人や、カースト・人種・宗教等によ って差別を受けている人々です女性は、30分離れた水源へ水くみに行くために、年間2 か月半もの時間を費や していることになります。また、不衛生な水や衛生設備の不備、不十分な衛生習慣が原因で、毎年5歳以下の子供約289,000 人が命を落としています。

水を利用できる人の割合が 最も少ない国はエリトリア!

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浅井戸からくんだ水(タンザニア、ゲイタ州ニャルグス近郊)©WaterAid/ Sam Vox

今年の清潔な水を利用できない国 TOP10の第1位は紅海に面した国、エリトリアでした。専制国家であり難民の通り道にもなっているこの国では、人口の19% しか自宅近くで清潔な水を利用することができません。

第3位となったウガンダは、今年初めて10位以内に入ったことから、遠くまで 歩いて水くみに行く人が多いことが明らかになりました。自宅近くで清潔な水を利用できる人の割合は、わずか38%に過ぎません。またウガンダは現在、隣国の南スーダンで起きた紛争のためにアフリカ最大の難民受け入れ国となってい ます。

第9位は、サハラ砂漠に位置する内陸国であるニジェールです。人口の44%が貧困状態にあるニジェールは、2016年に国連が発表した後発開発途上国の第2位に位置付けられています。世界で最も人口増加率の高い国のひとつでもあり、1年に 3.9%の割合で人口が増えています。自宅の近くで清潔な水を利用でき る人の割合は人口の46%ですが、富裕層は71%、貧困層で41%と、30%もの開きがあります。

水を利用できる人の割合が 最も少ない国―TOP10

順位 国名 基本的レベル異様の水アクセスがある(%)
 1  エリトリア  19
 2  パプアニューギニア 37
 3  ウガンダ 38
 4  エチオピア 39
 5  コンゴ民主共和国 39
 6  ソマリア 40
 7  アンゴラ 41
 8  チャド 43
9  ニジェール 46
 10  モザンビーク  47

その他、本報告書では、『自宅の近くで清潔な水を利用できない人数が最も多い国―TOP10』、『水へのアクセスが最も改善された国 ―TOP10(割合別)』、『2000年以降に水へのアクセスが 最も改善された国―TOP10』を発表しており、それぞれの国の状況が説明されています。報告書はこちらから読むことができます。

貧困下で生活する人々の水と衛生状況改善に専門的に取り組む国際NGOであるウォーターエイドは、2030年までにすべての人が安全な水とトイレを利用できる世界を目指し、 世界中の政府に手の届く料金で飲み水を利用できるという人権の実現を呼び掛けています。

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