農業を通じて健康問題を改善!元協力隊がサモアとケニアで取り組む肥満改善に向けた研究活動!

野菜栽培隊員で青年海外協力隊へ!

修士を卒業して1年間農大に勤務した後に、あの時の「幸せ」とは何か?を探しに青年海外協力隊へ応募することにしました。私のバックグラウンドは運動生理学ですが、開発途上国の人々の生活を考える上では、「農業」は切っても切れない存在です。

また、私自身「農業から健康を考える」ということを現場レベルで知りたいと考え、協力隊の進路にしたことを覚えています。青年海外協力隊は様々な職種がありますが、私は「農業から健康」ということをキーワードで、野菜栽培隊員を希望し、無事サモア独立国の看護師協会に配属される隊員となりました。

世界一肥満の国、サモア!

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日曜日の伝統食に食らいつく!

サモアは、世界で1、2を争う肥満大国です。みなさんも知っているBMIは、ボディマスインデックスと言われ、通常22に近ければ近いほど標準的な体格といわれています。サモアは平均値28で国民の約80%は肥満に分類される体格です。

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腹部の測定実習

サモア独立国では、サモア看護師協会が進めている非感染症疾患(NCD)予防プロジェクトのフェーズ2での野菜栽培・ヘルスプロモーションの担当スタッフとなりました。と言っても協会に常駐のスタッフは私と80歳になる協会長のおばあちゃんのみ。ですが、サモア国内に300名ほどいる看護師と病院のネットワークを使い、プロジェクト進めました。

プロジェクトでは、病院で野菜栽培指導・ヘルスプロモーションがメインでした。看護師への野菜栽培指導を行い、看護師から一般の人々へ健康のために野菜栽培を普及する活動をしました。その他にも、現地葉物野菜の普及と学校へのヘルスプロモーション(BMI、腎臓病、栄養、料理に関する講義と実習)を現地保健省、腎臓協会、国立医療サービスとともに行いました。また、未来のサモアの看護師育成のため、サモア国立大学での講義も担当しました。

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看護師への野菜栽培・栄養指導

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学校での野菜栽培教室

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学校での調理デモンストレーション

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高校での野菜栽培を通じた栄誉指導

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看護学生への健康栄養の授業

隊員の任期を終え、2016年1月に帰国した後は、大学の産学連携の部署で勤務することになりました。大学での勤務は、大学と企業の共同研究や文部科学省/科学技術振興機構が推進するセンターオブイノベーションプログラム(COI)に従事し、最先端技術をどのように世の中にビジネスとして浸透させるかというミッションを遂行するための、大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)として勤務していました。

男30歳、人生の決断をする!

ただ開発途上国で感じたもの、サモアでの協力隊や大学での勤務を経験し、やはり「開発途上国の健康問題を農業を通じて改善したい」という気持ちは忘れられず、博士後期課程の進学を考えるようになりました。

そんなことを考えている時、開発途上国において農業を通じた栄養改善のプロジェクトがスタートするという話を聞き、国際農業研究協議グループ(CGIAR)でケニアに支所を構える国際植物遺伝資源研究所(Bioversity International)の研究者である森元泰行氏(大学の大先輩ですが)と出会いました。

森元氏は現地農作物を通じた栄養改善プロジェクトのリーダーで、ちょうどプロジェクトに参加できる人材を探していました。私はこの機会を逃すものか!と、何も考えずに二つ返事で「行きます」と言いました。が、もちろん大人ですので1ヶ月の猶予をいただき、心を決めた1ヶ月後に正式に参加をお願いしました。

今回のプロジェクトに参加および博士を取得するためには大学院生になる必要があったため、男30歳、普通の人からみればアホな選択だったかもしれませんが、2018年4月から東京農業大学の博士後期課程の学生となり博士研究の傍ら、栄養改善プロジェクトの参加者としてケニアに赴任することになりました。

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