東アフリカで衛生ソリューションの普及を加速!LIXIL、自社技術をケニアの民間企業に譲渡!

LIXILは、約10年かけて開発した持続可能な衛生ソリューション「グリーントイレシステム(GTS)」の技術を、在ケニアの民間企業であるエース・エンバイロメンタル・コンサルタンシー社(ACE社)に譲渡すると発表しました。GTSは、水を使わずに安全に排泄物を処理し、肥料として再資源化することができる持続可能なトイレシステムです。LIXILは、GTSのさらなる普及のために、現地でノウハウやインフラを持つ譲渡先を探し続けてきました。譲渡完了後はACE社によってGTSの事業展開が進められる予定です。

ケニアの環境コンサル企業、ACE社!

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画像:ACE社 HP

エース・エンバイロメンタル・コンサルタンシー(ACE社)は、東アフリカにおける環境分野に関するコンサルティングファームで、2013年ケニアに設立されました。環境科学分野における幅広い専門性を提供するネットワークを持ち、研究、プロジェクトマネジメント、事業家などによる専門性の高いチームが編成され、同社を指揮監督しています。

既に東アフリカの園芸部門の湿地の排水処理の設計、及び建設プロジェクトの実績があり、今日までにケニアやエチオピアを中心に40以上の農園分野の民間企業、開発機構、投資家、政府、国際機関や地域のNGOsなどに及ぶ多様な団体と協働してきました。環境及びサステナビリティにおける幅広い分野においてコンサルティングの役割を果たし、世界レベルのサービスを提供しています。

LIXIL、自社技術をACE社に譲渡!

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LIXILは、約 10年かけて開発した持続可能な衛生ソリューション「グリーントイレシステム(GTS)」の技術をACE社に譲渡します。GTSは、水を使わずに安全に排泄物を処理し、肥料として再資源化することができる持続可能なトイレシステムで、2018年に国連ハビタットを通じてケニアのカロベイエイ難民居住地に導入されました。人口密集と長期滞在が課題となっている難民居住地において、再資源化された肥料を作物栽培に利用することで、同地の難民の経済的自立支援につながることが期待されています。

今回の技術譲渡は、LIXILが掲げる「2020年までに世界で1億人の衛生環境を改善する」という目標の達成に向けて実施するものです。GTSは、開発途上国向け簡易式トイレシステム「SATO」をはじめとするソーシャルビジネスを展開しているLIXILの専任部「Social Sanitation Initiatives 部」が所有していました。

課題解決に向けて持続可能なソリューションを提供し続けるためには、事業収益を上げていくことが重要である一方、GTS事業においては、資材の現地調達及び安定的な生産体制の確立におけるコスト面が課題となっており、LIXILは、GTSのさらなる普及のために、現地でノウハウやインフラを持つ譲渡先を探し続けてきました。

ACE社は、「農業、環境保全、エネルギー分野における革新的なグリーンソリューションを提供する」という企業理念の下、東アフリカ地域で農業排水の浄化やグリーンエネルギーの創出などの実績を有しています。また、両社は過去2年間GTSの実証実験においてケニアで協働してきました。こうした経緯から、LIXILはACE社が最適な技術譲渡先であると判断し、この度の契約に至りました。

今後は2019年3月をめどに、LIXILが有するGTSの設計図、技術及び販売権利などの全ての権利の譲渡を完了する見込みです。その後、ACE社によってGTSの事業展開が進められる予定です。

より迅速に世界の衛生環境の改善に貢献する!

LIXILのSocial Sanitation Initiatives部の部長を務める後藤淳一氏は、譲渡の決定に関して「ACE社は、グリーンソリューションの分野おいてケニアで様々な実績を持っており、LIXILが培ってきた経験や専門知識、リソースをさらに先進的かつ持続可能なソリューションとして改良し、導入を加速させることができると考えました。この度の技術譲渡を通じて、より迅速に世界の衛生環境の改善に貢献できるものと確信しています」と期待のコメントを発表しています。

またエース・エンバイロメンタル・コンサルタンシー社のディレクター共同創設者Elijah Chege氏は、「東アフリカにおいて持続可能な衛生ソリューションをLIXILと共に促進してきたこと、そしてGTS技術の譲渡先として当社が選ばれたことを誇りに思います。長きにわたる実証実験、試験及び改良を経た同システムは、このケニアの地において、真の意味で多くの人びとの役に立ち、活用されていくものと確信しています。GTSの普及のため、当社は今度も尽力してまいります」と今後の抱負を語っています。


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