ユニセフ(国連児童基金)は、12月1日の世界エイズデーに合わせて最新の報告書『子どもとエイズ:2030年の世界で』を発表しました。現在、世界では300万人の子どもと若者がHIVとともに生き、その半数以上が東部・南部アフリカ地域の子どもです。また2030年までに、10歳までの子どもの新たなHIV感染は半減する一方で、10歳から19歳の若者の新たな感染の減少率は29%に留まるであろうと指摘しています。

HIV感染者は減少するも、目標には程遠く

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20歳のとき、HIVに感染していることを知ったジャマイカのモニークさん(27歳)。

ユニセフが12月1日に発表した最新の報告書『子どもとエイズ:2030年の世界で(原題:Children, HIV and AIDS: The world in 2030)』は、人口予測と近年の傾向から、新たにHIVに感染する0歳から19歳までの人数は、最近の推計から3分の1減少して、2030年には27万人になると予測しています。また、子どもと若者のエイズ関連死も、現在の11万9,000人から2030年には5万6,000人に減少すると見込んでいます。

しかしこうした減少のトレンドは、若者の間では非常に緩やかです。報告書は、2030年までに、10歳までの子どもの新たなHIV感染は半減する一方で、10歳から19歳の若者の新たな感染の減少率は29%に留まるであろうと指摘しています。ユニセフの推計では、毎日700人近く、つまり2分に1人の割合で、10歳から19歳の若者が新たにHIVに感染しています。

また、14歳までの子どものエイズ関連死は57%減少するとの予測に対して、15歳から19歳の世代のエイズ関連死は35%しか減少しないと見込んでいます。

その他、報告書の中で、2018年から2030年までの間に、およそ36万人の若者がエイズに関連する病気で亡くなると予測されており、これはHIV感染予防や検査、治療プログラムへの更なる投資がなければ、毎日76人の若者が命を落とすことを意味します。

地域別に見るHIVの現状とこれから!

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治療によりHIVの母子感染を予防することができた、カメルーンのアントワネットさんと娘のナターシャちゃん。

現在、世界では300万人の子どもと若者がHIVとともに生き、その半数以上が東部・南部アフリカ地域の子どもです。2030年においても推定190万人の子どもと若者が、HIVとともに生きると予測されており、その多くは東部・南部アフリカ地域(110万人)に、次いで西部・中部アフリカ(57万1,000人)、ラテンアメリカとカリブ諸国(8万4,000人)に暮らす子どもたちです。

2018年から2030年までの0歳から19歳のHIV感染者数の減少は、地域によって異なり、もっとも減少するのは南アジア(50%近く)と東部・南部アフリカ(40%)となる見込みです。反対に、西部・中部アフリカでは24%の減少に留まると見込まれています。

HIV/エイズ対策における課題へのアプローチ!

報告書が強調するのは、子どもと若者のためのHIV/エイズ対策における2つの主要な課題です。ひとつは、幼い子どもの間のHIV感染予防における進展の遅さ、もうひとつは、感染を拡大させる構造的、習慣的要因への対処の失敗です。多くの子どもや若者が、自分がHIVに感染しているかどうか知らず、HIV感染が見つかり治療が始まっても、その治療をきちんと続ける子どもはごくわずかです。

こうしたギャップに対応するため、報告書ではユニセフの支援によるいくつものアプローチも提案されています。例えば、HIVに感染しているがまだ診断されていない子どもを見つけ治療するための家庭を中心に据えた検査、乳児の早期診断を改善するためのケアにおける診断技術の活用、若者のニーズに寄り添ったサービス、若者に対象を絞ったコミュニティ支援などです。

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは、 「次の世代への感染予防を加速させなければ、HIVとの闘いに勝つことはできません。私たちは、この10年間で得た男の子女の子双方のための成果を維持するために、この問題の緊急性を忘れてはいけません。そして、そのために最もリスクに晒されている若者たちに手を差し伸べる革新的で予防的な方法を目指さなければなりません」と述べています。


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