国際協力NGOダイヤモンド・フォー・ピースは、西アフリカのリベリア共和国で、貧困に苦しむ手掘りダイヤモンド採掘者が、自らの能力を向上し組合を運営できるようになるためのコーチングプログラムを実施します。現在、世界初のフェアなダイヤモンドの誕生を目指してクラウドファンディングに挑戦しています!

なぜダイヤモンドに関わる活動を始めたのか!?

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写真:リベリアで手掘りダイヤモンド採掘者との会合の様子

国際協力NGOダイヤモンド・フォー・ピースは、ダイヤモンドが人道環境配慮の上、採掘・カット・製造される社会をめざして、日本と西アフリカのリベリアで活動しています。

ダイヤモンド・フォー・ピースの代表を務める村上千恵さんが、最初にダイヤモンドに興味を持ったのは、自分に贈られた婚約指輪をきっかけでした。

ハッピーでワクワクするストーリーを期待してダイヤモンドについて調べてみると、期待とは裏腹に、映画「ブラッドダイヤモンド」にも描かれているような、ダイヤモンドを資金源とするアフリカの内戦で何万人もの人々が亡くなったり手足を切り落とされた人がいる現実を知ることとなりました。それだけでなく、児童労働、強制労働、債務労働、環境破壊など多くの問題があることを知り、愕然としました。

この事実を知った村上さんは、「婚約指輪、結婚指輪、記念日など人生の幸せな節目に贈る・贈られるものが、実は世界の裏側の誰かの人生を犠牲にして生産されることが許されてよいのだろうか?それを知らないふりをしてこれからの人生を生きていくのだろうか?」と様々な葛藤が心の中に渦巻き、やがて、自分にできることは何かを考えるようになっていました。

それから数年が経ち、村上さんは発展途上国の生産者を支える貿易の仕組みであるフェアトレードの概念をダイヤモンドにも適用できると考え、またアフリカ地域で国際協力の仕事もしていたため、自身の経験をダイヤモンド採掘が盛んな西アフリカで生かせると考え、ダイヤモンド・フォー・ピースの活動を開始しました。

リベリアが抱える課題とは!?

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写真:リベリアでは幹線道路以外は舗装されていない道ばかり

ダイヤモンド原石の産出国は世界各地にあり、産出量だけを見ると、ロシアやオーストラリアなどの大きな資源国が世界の産出の大部分を占めていますが、アフリカの開発途上国、なかでも西アフリカの国々でダイヤモンドは重要な産業となっています。そんな西アフリカの国のひとつ、リベリア共和国で、ダイヤモンド・フォー・ピースは主に活動を行っています。

リベリアは、国連開発計画(UNDP)が発表する人間開発指数で189カ国中181位に位置しています。2003年までの内戦の影響により教育を受けられなかった大人が多く、識字率は国民の47%と未だ低い状態が続いています。

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写真:ダイヤモンド採掘者の家

またインフラも整っておらず、国にある幹線道路は3つ程度、ほとんどの道は舗装されていないため雨季は通行が困難になります。リベリアは世界で最も降雨量が多い国の一つで川も多いのですが、橋が少ないため、移動に大変な時間がかかります。

電気が通っているのは首都とその周辺の一部のみで、停電も頻発します。また、政府機関で働く人の多くが腐敗していると言われており、政治や組織が正常に機能しているとは言いがたいのが現状です。

手掘りダイヤモンド採掘の実態を調査!

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写真:リベリアの手掘りダイヤモンド採掘の様子

ダイヤモンド・フォー・ピースでは、2016年から2017年にかけ、手掘りダイヤモンド採掘の実態を把握するための詳細な調査を行いました。まず、リベリア人スタッフが数ヶ月かけて西部地域の村を一つずつ訪ね、ダイヤモンド採掘をしている村の基本情報リストを作成しました。

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その中の6村を調査チームが訪問し、採掘者、彼らの家族、村人達に聞き取りを行い、採掘や村の生活の状況を調査しました。その結果主に以下のことが判明しました。

  • 採掘権保有者の年収の中央値は1044米ドル(約10万円)、採掘労働者の年収の中央値は300米ドル(約3万円)
  • 採掘権保有者、採掘労働者共に、ダイヤモンドを見つけ販売した時のみ利益が分配される。過去1年間に1つもダイヤモンドを発見できなかったと答えた者もいた。
  • 過半数の採掘者は、「サポーター」と言われる投資家に採掘費用の一部を支援してもらっている。ダイヤモンドが見つかった際、自分を支援するサポーターが提示する低い言い値で彼らにダイヤモンドを販売しなくてはならない。そのため、適正な利益を得ることができず、サポーターへの依存から抜け出すことができない貧困の悪循環に陥っている。
  • 各人が個別に働いており組織化されていない。そのためサポーター等の利害関係者と団体交渉をすることができない。
  • ダイヤモンドの価値を評価することができない。そのため自分が発見したダイヤモンドをいくらで販売するべきかがわからない。
  • 1日の食事の回数は2回が最も多く、次いで1回。3回と回答した者はいなかった。
  • 訪問した6村のうち2村には小学校がない。

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写真:惨状を訴える採掘者たち

採掘者と実際に話した中で最も頻繁に聞いたのが、「サポーターとの関係を断ちたい」「ダイヤモンドの価値を自分で判断できるようになりたい」。つまり、そうすればダイヤモンドの販売価格を上げることができ、人間らしい暮らしができるという声でした。

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凡
Africa Quest.com編集長、IC NET TRADING AFRICA LTD CEO。証券会社を経て、青年海外協力隊としてケニアへ渡航。貧困地域に暮らす女性たちへの収入向上支援を行いながら、ケニアに雇用を生むことをビジョンにソーシャルベンチャーを共同設立。2015年9月まで約2年にわたり経営を行う。現在は、ケニアを拠点に農業・食品関連ビジネスの立ち上げ、日本企業のビジネス進出支援、Webメディア運営や講演・セミナー講師などアフリカと日本を繋ぐコーディネーターとして幅広く活動中。