FacebookやInstagramといったSNSは世界中どこでも人気だが、それはケニアにおいても例外ではない。ケニアの場合は自営業者が多いこともあり、SNS上で事業に関連するユニークなアイディアが次々と試されている。パメラ・オドゥオルさんはFacebook上にLet’s Cook Kenyan Meals groupというページを作り、ケニアの家庭料理を国内はもとより、世界へ発信しようとしている。

ケニアの伝統的な料理を紹介するグループを立ち上げ!

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パメラさんが運営するFacebook上の料理ページ。登録者数はなんと150万人を超える。

「料理が大好きなこともあって以前は世界各国の料理を作る料理教室で活動していました。ただ、彼らが作る料理はケニアでは全く一般的ではなかったためモヤモヤした気持ちを抱えていました。2013年頃に友人とジョークでケニアの伝統的な料理を作るグループを作ってはどうかという話をしていたら話がどんどん進んでしまい、このグループが誕生しました」

同グループの目的はケニア人に伝統的な料理を紹介し、健康な食生活を勧めることだ。パメラさんは自らケニア人主婦層と関わり、手軽でヘルシーな調理情報をシェアし続けている。

パメラさんの考えでは、ケニアではハンバーガーやピザ等、少しお金に余裕がある家庭ではあまり健康的でない食べ物が広まり、病気の素になるようなライフスタイルが増えているという。こうしちゃいれらないとパメラさんは2015年に当時勤めていた銀行を辞め、副業だった(ケニア料理の)ケータリング事業に本腰を入れるようになった。

現在は旦那さんと一緒にスピカ・ランド・ケータリング社を経営しており、イベントを中心にケニア料理のケータリング事業に注力している。また、ケニア料理の料理教室を一人2,000シリング(約2,200円)、ケータリング事業のコンサルタントを一回3万シリングで提供するようにもなり、現在社員を4名抱え、少しずつ規模を拡大している。

パメラさんが運営するページでは伝統的なケニア料理のレシピを毎日公開し続けている。どれも一般家庭で真似できるもので、実際に料理に挑戦する人が混乱してしまうことを避けるため、あえて分量を明記していない。

また、メンバーが新しく試したレシピを共有できる体制をとっているため、相互のやりとりやコミュニケーションも活発に生まれている。パメラさんは同グループをより多くのケニア人、とくにケニア国外の住むディアスポラに利用してもらい、ケニア料理が日常的に楽しめる環境が広がってほしいと語る。

曜日ごとに料理のお題を提供!

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実際の投稿写真。料理教室の先生という立ち位置でメンバーの参加を心待ちにしている。

同グループの特徴の一つは、グループを盛り上げるため曜日ごとに料理のお題を出すことにしていることだ。一週間を通して、意欲の月曜日、実験の火曜日、早起きの水曜日、スリリングな木曜日、豊かな金曜日、スーパーな土曜日、そして家族の日曜日といったお題が出される。それぞれのお題毎にメンバーが料理の写真を投稿し、毎回250以上の多種多様な料理で写真でページは彩られる。

「投稿されたすべての料理に驚いています!投稿を承認した写真はどれもクオリティの高いもので、参加メンバーは自分の写真が承認されないかと心待ちにしています。これはメンバーの皆が楽しめる良いシステムなんじゃないかと思いますね」

現在、登録者数は160万人を超え、ケニアの主婦ご用達の料理ページとして巨大グループとなっている。登録者数の増加に伴いって企業からのプロモーション案件も受注するようになり、食品会社だけでなく調理器具、家具会社の案件を行うこともあるという。

パメラ氏はFacebook上での功績が認められ、Facebook Community Leadership Program (FCLP)にノミネートされた。2014年にはグローバルイニシアティブとして世界大会に招待され、世界各国からカリフォルニアに集まった100人以上のコミュニティリーダーと共にFacebookを活用したコミュニティの未来に貢献した実績が讃えられ、賞金として5万ドルが授与された。

農業ともコラボ!仕掛ける新たな取り組み!

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自宅兼オフィスで仕事をするパメラさん。

パメラさんはFacebookのイベントで得られた知見を活用して、現在農家と協働でトレーニングを行い、付加価値を高めるプロジェクトを進めている。

例えば、トマト農家にはペースト状にして販売する体制を整えることで、廃棄になりそうなトマトを減らし、現金収入を増やす試みを続けている。

また、世界中のコミュニティリーダーと交流したことで、改めてケニア料理の知名度の低さを感じた。そのためケニアの全ての都市で伝統的なケニア料理が食べられるレストランを展開する事業にも着手している。

SNSを活用してビジネスを展開する試みは、ケニアではそれほど珍しくはない。しかし、ここまで巨大なグループを作り上げた例はほとんどない。

時代のニーズに合った取り組みが、普通のケニア人主婦を有名な経営者に成長させたといってもいいだろう。ケニアでも利用者が増えるSNS、普通のユーザーがアイディア次第でチャンスをつかみ得る時代が来ているのかもしれない。

・筆者:Rahab Gakuru
・翻訳:長谷川 将士

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長谷川 将士

長谷川 将士

株式会社グラスルーツウォーカーズ代表取締役CEO
二十歳からケニアでフィールドワークを続け、大学院時代に行った調査が共著論文として書籍に掲載されています。専門はアフリカ政治経済学(特に紛争及び市民暴力)。最近は中間層論と経済成長論に関心有り。日本のアフリカ報道と学術研究やフィールドワークから見えるアフリカ像が大きく異なることに疑問を抱き、エビデンスに基づいた現場発信型メディアを立ち上げるべく、ケニアで奮闘しています。弊社ジャーナルサイトは平日、正午に更新していますのでご一読ください。