ルワンダの光と影を垣間見た1日。酒?ドラッグ?「カニャンガ」とは。

ルワンダのルワマガナ郡ムシャセクターにて、出勤6日目。一日中オフィスにいるのももったいないので、セクター(村)を歩いてまわることにしました。

そこで新たな出会いや発見と遭遇。明るくのんびりしたこの村にも、やはり闇の部分がありました。

■ムシャセクターはこんなところです

この集落には、舗装された道路はいっさいありません。見渡す限り赤土と緑の土地が広がっています。
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ここでは「千の丘の国」と呼ばれるルワンダの美しさを、首都キガリの何倍も感じることが出来ます。

ぼくがJICAから求められている仕事は、このセクターの水問題を改善・解決することです。さっそく給水施設を発見。
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ジェリー缶と呼ばれる黄色いタンクに水を汲んで、家まで運びます。話を聞くと家には水道がないそうです。

「家はどのくらい遠いの?」と聞いても、「分からない」と言われてしまいましたが、いずれにせよこの重たい水を運ぶのはなかなかの重労働です。小さな子どもが運んでいることもよくあります。

セクターオフィスからだいぶ歩いて奥まったところにも給水施設がありました。
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使われていなさそうな気配。
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ルワンダの人たちは物を運ぶとき、大抵頭に載せて運びます。
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すごいバランス感覚。

鎌を持って草刈りをしていた女の子。
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平日の朝だけど、学校行ってないのかな。よく見たら服もボロボロです。でも良い笑顔。

カメラを向けると、恥ずかしがって逃げる男の子。
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…おしり見えてるよ。まさに頭隠して尻隠さず。

その点、大人の男には余裕があります。
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休憩中のお兄さんたち。画になります。

ヤギの散歩中のお兄ちゃん。
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この辺りまで来ると、家が密集した1つの集落のようになっていました。オフィスから一時間くらい歩いたかな。

軒先にはビリヤード台が置いてあり、やんちゃそうなお兄ちゃんたちが遊んでました。
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「写真撮って良い?」と聞くと、「何か食べ物くれたらいいよ」という返答が。

ここの人たちは口を開くと、子どもは「お菓子くれ」、若者は「食べ物くれ」、大人は「お金くれ」です。

ムズング(外国人)のボランティアだから、言えば何かくれるだろうとみんな思うみたいです。ごめんね、そういうんじゃないんだ。

■この村の闇を垣間見ました

しばらく歩くと、さっきの若者集団の1人が「おれはこの辺のことよく知ってるから、案内するよ!」と追いかけてきました。

この地域では珍しく、わりと英語がしゃべれたので、英語とルワンダ語で話しながら歩くことに。

学校を卒業してから2年ほど経っているものの、仕事はしていないとのこと。そのわりには小洒落た服を着ています。どうやって生計を立てているのか…。

ぼくがセクターオフィスで働いているボランティアで、コミュニティ開発が仕事だという話をすると、平和に見えるこの村にも色々と問題があると語ってくれました。

衝撃的だったのは、ドラッグの話。

カニャンガ(kanyanga)というドラッグが、この村の若者の間で蔓延しているそうです。脳に対してかなり強い影響があり、人生をダメにしかねないのでそれを止めたいんだと、彼は言っていました。

さきほど載せた写真の、「食べ物くれよ」と言っていた若者たち。あの中にもカニャンガを飲んでいる人がいるそうです…。

「それなら、どんなに悪い影響があるのか説得して止めさせようよ」と言っても、「そんなに簡単に考えは変わらないよ」と言われてしまいました。

確かに薬物依存は「止めなさい」と言って「はい、そうですね」となるほど簡単な問題ではありません。

また製造もこのセクター内で行われているそうなので、それで生計を立てている人は収入がなくなってしまうというのもキレイ事では片づけられない事実です。

正直、この話を聞かせてくれた青年のことも、あまり信用出来ませんでした。言っていることはすごくまともでしたが、眼や表情に惹きつけられるものがなく、「こいつ、本心を語ってるのか?」という疑念は拭えませんでした。

素直でフレンドリーなルワンダ人に対してこんな感情を抱いたのは初めてで、信じたいけどもちょっと複雑な心境です。

また村を案内したり、人を紹介したりしてくれるというので、ぼくの連絡先は教えずに、彼の連絡先だけ聞いておきました。

ドラッグの撲滅なんて、いちボランティアには手に負えないし、自分自身危ない目に遭う可能性も高そうなので関わらない方が良いとは思いますが、どこかモヤモヤの残る視察となりました。

■カニャンガとは

ネットで調べてみたところ、外務省HPにも記載がありました。ただし「ドラッグ」ではなく、「酒」という表記。

ルワンダ国内では,カニャンガと呼ばれるバナナから作られる酒の製造,販売,飲酒が禁止されており,この取り締まりは厳しく行われ,多くの者が検挙されています。

バナナから出来ているんですね。確かにあの辺りはバナナ畑ばっかりでした。

隣国ウガンダでは現在も製造されており、危険ドラッグとはみなされていないとのこと。

 Gicumbi: eradication of ‘Kanyanga’ still difficult News Of Rwanda – Rwanda NewsGicumbi: eradication of ‘Kanyanga’ still difficult News Of Rwanda – Rwanda News 

 

 

 

ルワンダでは1年から3年の懲役に、5〜50万RWF(8千〜8万円)の罰金が課せられるそうです。

でも大事なのは捕まるかどうかということよりも、この村の若者たちの人生が台無しになってしまわないかどうかということ。

どのくらいの影響があるのか、危険が及ばない程度にもう少し調べてみようと思います。

■…からの同僚と初飲み!

約3時間ほど歩きまわって、午後はオフィスで同僚と話したりルワンダ語の勉強をしたり。

5時前になって、「Aさん(同僚)がいまバーにいるから、一緒に行こう!」と言われ、急遽飲みに行くことに。

飲みに誘ってもらえるなんて…だいぶ受け入れてもらえてきたかな。ルワンダ語と日本語を教え合ったりして、楽しく過ごせました。

こんな流れで書いておいてアレですが、バナナのお酒は飲んでませんからね。安心してください。

やっぱり歩きまわって話をすると、いろんな情報が入ってきますね。

自分の目と耳と足と頭を使って、この村のことをもっと知っていこうと思います。

竹田憲弘(@NoReHero

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