水の惑星 – 地球、で安全な水にアクセスできないアフリカ。
水を得るには資金が必要です。

第1回はこちらから!
アフリカの水と衛生問題を、国際協力の立場から考えてみた!~第1回:MDGsとアクセス状況~

アフリカへのインフラ投資

アフリカ地域の経済開発と貧困削減において、インフラ開発は非常に重要性が高いとされていて、政府開発資金(ODF)では賄えないほどインフラ開発に係る投資需要は大きくなっています。また、二国間の政府開発援助(ODA)に世界銀行やアフリカ開発銀行による資金協力を含めた政府間発資金の合計は、資金供与国の財政状況次第で減っていく傾向にある一方、民間投資は増加傾向にあり、必要な資金需要を満たす役割が期待されています。(OECD、2012)

(C)?????? の民間投資

OECD(2012)によると、アフリカ諸国の中には政治的に不安定であったり、投資環境が未整備であったりする国が多いため、政府開発資金(ODF)の22%は環境整備のための技術協力に充てられているということです。

(D) Africa infra i nvestment share
(OECD 2012)

アフリカへの民間投資の増加については、Africa Questでキュレーションしている記事や現地レポートからも窺い知れるところかと思います。実際、日本政府もアフリカ開発会議(TICAD)を通じて、日本企業のアフリカ進出を促すような政府開発援助の活用も公約としています。また、今では10ヵ国以上の国が債権を発行して民間資金の調達を行っています(Amadou Sy、2015)。

水・衛生への資金供与

アフリカ地域におけるインフラ投資で民間資金の役割が重要視されているなか、水・衛生に係る資金供与はどのようになっているのでしょうか。

サブサハラアフリカにおける給水施設への設備投資の多くの場合、政府開発援助(ODA)やNGOによる支援で行われているのが実情で、電力など他のインフラセクターに比べ、水セクターは民間投資の呼び込みには苦労していると言わざるを得ません(OECD、2012;Hall and Lobina, 2010)。もちろん、被援助国政府の自己予算による施設投資も進められていますが、設備投資に巨額の資金が必要となる給水施設の建設を政府予算だけで賄うのは非常に困難です。

下表が示す通り、サブサハラアフリカにおける水・衛生施設投資に占めるODAの割合は依然として高くなっています。

(DE) ?????? ファンドフロー

ケニアにおける革新的な都市給水施設への民間投資

2014年、ケニアのエンブ市上下水道公社は、住宅ローン金融機関であるHousing Financeから100万ドルの商業融資を受けました。

(E)???????? のローン新聞記事
(http://www.businessdailyafrica.com/HF-loans-Embu-water-firm-Sh87m-for-new-connections/-/539552/2322536/-/8atlyg/-/index.html)

これはODAなどによる低金利の貸付けではなく、民間金融市場からケニアの給水公社が融資を受けたというだけで革新的なのではありません。

開発機関の様々な支援

まず、日本政府の援助機関である国際協力機構(JICA)は、無償資金協力という形でエンブ市の給水施設改修を支援しました。これによってエンブ市の給水サービスの礎が築かれました(JICA「エンブ市及び周辺地域給水システム改善計画」)。

(F) エンブ無償施設
(http://www.jica.go.jp/oda/project/1060040/)

エンブ市は100万ドルの融資を受けるに当たり、ドイツ政府の援助機関であるKfWから2,200万ケニアシリングの借款支援をうけました。また、Housing Financeは、エンブ上下水道公社に融資をするうえで、USAIDDevelopment Credit Authorityからのリスクシェアリングという形で信用保障を受けたということです。

(G) USAID press release
http://usaid-suwasa.org/index.php/component/k2/item/300-kenya-private-financing-extends-water-access-in-embu

このような形をみると、いまだに水セクターにおける民間資金の調達は、援助機関の関与や環境整備が整わないと難しいのかもしれません。しかし、給水施設への投資を政府開発資金にのみ頼るのではなく、民間資金の流入を促す形が出来つつあるのも事実かもしれません。

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最終回:私たちにできること


【参考文献】
・Amadou Sy (2015) 2015: A Crucial Year For Financing Development in Africa, the Brookings Institution, Africa Growth Initiative
・Hall, D. and Lobina, E. (2010) The past, present and future of finance for investmen in water systems, Public Services International Research Unit (PSIRU), www.psiru.org
・OECD (2012) Mapping support for Africa’s Infrastructure Investment, OECD, NEPAD-OECD Africa Investment Initiative
・UNICEF and WHO (2105) Progress on sanitation and drinking water – 2015 update and MDG assessment


cover photo credit: Cattle Fella in Malawi via photopin (license)

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Itsuro Takahashi
1974年生まれ。開発協力ワーカー/ブロガー。 主に村落開発、水・衛生をフィールドに、インド、ザンビア、エチオピアに駐在。タンザニアでは主夫・子育てを2年間経験。趣味はサッカーと読書。関心事項はローカル、社会起業、ファンドレイジングなど。