ルワンダで青年海外協力隊として活動中の竹田憲弘(@NoReHero)です。

「コミュニティ開発」という職種で、水や衛生環境の改善に携わっています。

なぜマラリアが減らないのか?

ルワンダではマラリアが非常に多いんですが、その現状が地元紙「The New Times」に詳しく取り上げられていたので、一部抜粋・翻訳して紹介します。

 

  • ルワンダのマラリア発症例(2015年)は200万弱。2012年の約4倍
  • 殺虫剤加工の蚊帳の使用、茂みの整備、水たまりの除去などが実施されてきた
  • 政府はメスのハマダラカ対策の屋内スプレーにも乗り出した
  • 気温が上昇し、ギチュンビやブレレなど本来気温が低い地域でもマラリアが増えている
  • ヘルスミニスター「蚊帳を持っていても使わなかったり、夜間にドアや窓を閉めなかったりすることが原因。淀んだ水や茂み、ゴミなども蚊の温床に」
  • マウンテンケニア大のヘルスコンサルタント「蚊帳を持っていても多くの人が使い方を間違っている(ネットに近すぎて簡単に蚊に刺されるなど)」
  • 殺虫剤加工の蚊帳がコミュニティの3/4の人に正しく利用されれば、マラリアを50%削減出来る。乳幼児の死亡率は20%、蚊の総数は最大90%下げられる。
  • 蚊が発生する午後4時以降は、しっかりとドアや窓を閉めておくこと。茂みを整備するなど衛生環境を整えることも重要。
  • マラリア死亡者の86%が5歳以下の子ども(2000年)
  • 世界の5歳以下の子どもの12%がマラリアで亡くなっている計算に。特にサブサハラ・アフリカ地域に多い。
  • 早急な治療が出来ないと、様々な病気につながる。特に医療機関へのアクセスが悪い地方では、衛生環境を保つことが重要
  • 蚊は雨季しか活動しないと油断している人もいる
  • 医師「多くの人は医療機関からの指示に従っていない。たとえば蚊帳を使う前に同封のタブレットで洗って乾かすことなど」
  • 学生「特に地方ではマラリアの原因と対策についての教育が必要。ほとんどの大人がそういった教育を受けていない。古くてやぶれた蚊帳を替えるのも難しい」

蚊帳を正しく使うだけでも、マラリア対策としてはかなり効果があるんですね。

マラリア死亡者の9割近くが5歳以下の子どもで、その子どもたちを守るべき大人も地方では衛生教育を受けていない例が多く見られます。

現地調査(ムホゴト村)

先日、ルワンダ人の友人に「水問題で困っている村があるから、一度見に行かないか?」と言われ、一緒に視察してきました。

僕の任地ルワマガナ郡ムシャセクターの中にある、カガラマというセル(セクターの下部組織)のムホゴト村です。場所は大体このあたり。

ぼくのオフィスがあるセクターの中心部から徒歩で約1時間。周囲を丘に囲まれており、村はその麓にあります。水道も電気も通っていません。

蚊の発生源になっている沼があるということで、村長さんに案内してもらいました。湧き出ている水に加えて、周囲の丘から流れてくる雨水なども混ざって濁っているとのこと。

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「村長」というとお爺さんのイメージでしたが、この村は若い女性でした。

こちらは近くにあるスズの採掘用貯水池の水が流れ出て出来た沼。

 

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この水を飲んで生活している住民もいます。

マラリアを根本から解決するためには、このような沼を除去して蚊の発生を防ぐ必要がありますが、そこまで大がかりな対策を施すのは簡単ではありません。

まずは衛生教育を

しかし我々にも出来ることがないわけではありません。

前述の新聞記事のとおり、地方には大人でさえ衛生に関する知識を持っていない人が沢山います。

特にマラリアの場合は、マラリア原虫を媒介するのが「ハマダラカのメス」で、その活動時間も「夕方から朝」と原因がかなり限定されているので、そういった知識を持っているだけでも効果的に予防することが可能です。

まずは住民に話を聞いて現状を把握したうえで、衛生教育を含めた啓発活動を行っていこうと思っています。

竹田憲弘(@NoReHero

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Norihiro Takeda

Norihiro Takeda

コミュニティ開発(Community Development Officer)青年海外協力隊(Japan Overseas Cooperation Volunteers)
2016年1月から2年間、青年海外協力隊としてルワンダで活動します。 前職は菓子メーカー営業。水問題を中心に、地域の人々の生活改善をお手伝い。 これからルワンダに来る方々の役に立つ、現地リポーターならではの生の情報をお届けします!