神戸製鋼所、アルジェリアで還元鉄プラントを大型受注!世界最大級の250万トンを生産!

神戸製鋼所グループのミドレックス社と、ルクセンブルグのエンジニアリング会社Paul Wurth S.A.のコンソーシアムは、アルジェリアの国営製鉄会社Algerian Qatari Steel向けに、MIDREX®直接還元鉄プラントを受注しました。還元鉄プラントとしては世界最大クラスとなる年産能力250万トンを誇る大型受注であり、2018 年11月の稼動開始を目指し、建設を開始しました。

アフリカ第1位の国土を持つ砂漠の国、アルジェリアとは!?

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アフリカ北部に位置するアルジェリアは、アフリカ第1位の国土面積(世界全体では第10位)を保有する共和国国家です。サハラ砂漠が大部分を占めるアルジェリアには、現在約4,000万人が暮らしています。

アルジェリアでは、2014年の粗鋼生産量が約40万トンに対し、輸入鋼材が約600万トンと同国の鋼材需給における輸入鋼材の比率は、大きな割合を占めています。アルジェリアの国営製鉄会社Algerian Qatari Steelのミドレックスプラントが稼働することで、同国内の粗鋼生産量は大幅に増加する事となります。

還元鉄って何?ミドレックスプラントの特長とは!?

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還元鉄とは、鉄鉱石を還元した鉄鋼原料です。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、電気炉や高炉、転炉でも鉄源として使用されます。

今回、建設する「MIDREX®直接還元鉄プラント」は、高炉法とは違い、天然ガス(もしくは石炭由来の還元ガス)を使用して還元鉄を製造する直接還元製鉄法のひとつです。2014年の世界還元鉄生産量は7,500万トン、その内、MIDREX®プロセスは約60%を占めるリーディングプロセスとなっています。

鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用し、シャフト炉によって溶融・還元し、直接還元鉄を製造します。高炉法に比べ、製鉄工程でのCO2排出量を抑制できること、また比較的安価な鉄鉱石を使用できることなどが特長、世界で70基以上が稼動しています。

神戸製鋼所が大型受注!グロバール展開を進める、還元鉄ビジネス!

神戸製鋼所が受注した製鉄所は、アルジェリアの首都アルジェから約375km東にあるベラーラ地区に建設されます。神戸製鋼所の米国100%子会社であるミドレックス社(Midrex Technologies, Inc.)と、ライセンス供与先であるルクセンブルグのエンジニアリング会社PW社のコンソーシアムが建設するミドレックスプラントでは、還元鉄を生産し、その後、電気炉・連続鋳造機・圧延機にて約200万トンの棒鋼・線材が生産される予定です。

また今回の設備の特長は、ミドレックスプラントと電気炉間を接続し、還元鉄排出時の温度を保ったまま次工程の電気炉へ輸送する省エネ性と生産性に優れたプロセスを採用していることです。今回、ミドレックスプロセスのこれまでの安定した生産実績と優れた技術およびPW社とのアルジェリアでのプロジェクト経験が高く評価され、受注に繫がりました。

神戸製鋼所のコンソーシアムは2015年にもTosyali Algeria製鉄所向けに受注しており、アルジェリアの産業の発展に大きく貢献すると期待されています。今後も神戸製鋼所グループは、還元鉄ビジネスのグローバル展開を進め、商機を確実に取り込むことで更なる成長を目指します。


引用元:神戸製鋼所プレスリリース
1st Photo credit: albatros11 (Samir Bzk) via VisualHunt.com / CC BY-ND

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