イノベーションとカイゼン、アフリカはどちらを必要としているのか?

カイゼンは開発途上国にどのような影響を与えられるのか?

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カイゼンは5つの”S”から成り立っている。整理、整頓、清掃、清潔、躾。日本人にとっては、いたってシンプルなコンセプトだ。

5つのSに基づいて、工場労働者は日々業務改善を求められる。病院でもオフィスでも同じだろう。日々の反省が業務の効率化につながるのである。

たとえば、一日の作業の終わりに身の回りの整理整頓を行うとする。そうすれば翌朝出勤したときに、何がどこにあり、何から手をつければよいか、迷わずに済む。床の掃除だって同じことだ。身の回りをきれいにしておけば、誰もが気持ちよく働くことができる。これらのカイゼンの結果、生産性の向上と効率化が見込める。日本人にとっては当たり前のことだ。

しかし、日本を一歩出るとカイゼンへの理解は非常に乏しい。カイゼンが利益に直結するものではないからだ。ゲームを一瞬で引っくり返す力はカイゼンにはない。そのため、イノベーションの魅力に取り付かれた人々にとって、カイゼンは数字に表れないつまらないものなのだろう。

だが、トヨタを見てほしい。日本の高度経済成長を支え、世界一の自動車メーカーとなった。そのトヨタが実践してきたアプローチがカイゼンであることを忘れてはならない。

カイゼンのよいところは、誰もが実践でき、一人一人が変化を実感できること。それが業務改善の好循環を生み、強い経済構造の土台を作るのではないだろうか。

カイゼンはイノベーション無き発明である

カイゼンは日々の小さな発明である。新たな技術を要さない発明だ。一人一人が主体となり、社会と国家の産業育成に貢献できるアプローチだ。

私は開発業界で仕事を始めるまで、カイゼンがそれほどすごいものだと思ったことは無かった。どちらかと言えば、「つまらないもの」と感じていた。

しかし、アフリカの援助にかかわるようになった今、カイゼンが日本人の根底にあるスピリットであり、日本の経済構造の根幹を支えていると感じる。

資源も技術もないアフリカの国々が日本から学べるものは何か。今となっては自信を持って答えることができる。

カイゼンの精神である。

Povertist

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