ガラスのリサイクル技術でアフリカ乾燥地の農業を救う!?鳥取県発の企業がTICADに参加へ!

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株式会社鳥取再資源化研究所は、ガラス発泡技術をコアとして様々な応用技術を開発・展開し、地球環境を改善し次世代に受け継いでいくことを目指している企業です。廃ガラスを原材料とした多孔質発泡ガラス素材「ポーラスα®」を製造し、土壌改良材として利用することでアフリカ乾燥地域での節水型農業技術の普及に取り組んでいます。

アフリカでの農業生産における節水重要性

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アフリカ大陸はサハラ砂漠をはじめとする広大な乾燥・半乾燥地域を抱えており、その面積は大陸全体の64%を占めています。これは、オーストラリアに次いで世界で2番目に高い割合です。

近年の気候変動の影響により、降雨量が長期的に半減することが見込まれている地域もあり、乾燥・半乾燥地域の更なる拡大が懸念されています。

水は生活に欠かせない重要な資源であり、利用できる水の量が少ないことは、人々に様々な影響を及ぼします。なかでも特に影響を受けるのが、世界の水消費量の70%を占める農業用水です。

作物を育てるために最低限必要な水の量はそれぞれ決まっており、水が少ないと生産できる作物の種類が制限されたり、生産性が大きく低下したりします。

土地は十分にあるのに水が少ないために農業ができない地域や、少量の水で何とか農業生産をしていても干ばつにより大きなダメージを受けてしまう地域もあります。

そのため、農業において水資源の効率的に活用することは、食糧安全保障の観点から見てもアフリカにとって極めて重要なのです。

多孔質発泡ガラス素材「ポーラスα®」とは

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限られた水資源しかない乾燥地域において、灌漑や保水の技術を用いて水の有効活用を目指す農業のことを「乾燥地節水型農業」といいます。

株式会社鳥取再資源化研究所は、鳥取大学乾燥地研究センターと共に廃ガラスを発泡技術によりリサイクルして製造される「ポーラスα®」を開発し、乾燥地節水型農業技術の開発に取り組んでいます。

「ポーラスα®」とは、内部に小さな空隙(すきま)を多数保有している多孔質発泡ガラスです。これを土壌に混ぜこむとその空隙(すきま)に水や空気が保持されるため、本来ならば地下に流出してしまう水が土壌にとどまり、植物の根が吸収できるようになります。

特に、作物や土壌全体に水をかけるのではなく、チューブを利用して作物の根元近辺にだけ水を与えることで節水する点滴灌漑と「ポーラスα®」を併用することで、収穫量が引きあがる効果も出ています。

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点滴灌漑を実施する際には土壌に肥料を混ぜ込むのではなく、灌漑水に肥料を混合することが一般的です。「ポーラスα®」の空隙に肥料の混合された水が留まることで、植物がより多くの肥料分を利用できるようになり、農家への試験導入ではトマトとインゲンの栽培で、灌水量 50%削減、収量 20%以上の向上が実現されました。

さらに、「ポーラスα®」の原材料であるガラスはアフリカを含む世界中で廃棄物として産出されるものであり、現地生産を行うことも可能です。

「第 6 回アフリカ開発会議(TICAD VI)」にも参加します!

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TICADはTokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略で、日本政府が主催し、アフリカ開発をテーマに実施される国際会議です。

2016年8月27日、28日にケニアにて実施される「第 6 回アフリカ開発会議(TICAD VI)」は初のアフリカ開催であり、今後の日本とアフリカ各国とのパートナーシップを左右する重要な会議となります。

株式会社鳥取再資源化研究所はアフリカで事業展開するほかの日本企業とともにJICA が主催するサイドイベントに参加し、ガラスリサイクル技術を活用した節水型農業技術を紹介するとともに、アフリカでのビジネス展開での課題・解決策等について議論します。

サイドイベントの詳細は以下

  • サイドイベント会場:Sarova Panafric ホテル
  • ブース設置期間:8 月 25 日(水)、26 日(木)終日

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