アフリカ経済全体が大低迷!好転の兆しが見える中、世界銀行は農業セクターの可能性を示唆!

貧困削減のための農業生産性拡大が求められる!

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原油など一次産品価格の下落は資源国に打撃を与えており、農業を含め域内経済の多様化の差し迫った必要性が浮き彫りになっています。アフリカでは、農業生産性の拡大が他の地域に後れを取ってきました。他の地域は、種子や肥料などの有効活用と、生産技術の向上により生産高拡大を実現したが、アフリカ地域での生産高拡大は主に耕作地拡大によるものです。

アフリカでは、農業に対する公共支出もまた、他の途上地域の水準に追い付いていません。その一方で、農業は地域全体のGDPの3分の1を占めており、労働者の3人に2人は農業セクターに従事しています。特に農業への依存度が高いのは最貧国です。農村経済の成長促進、貧困削減の加速、包摂的成長の推進には、投資と賢明な政策の選択が必要となります。農業の生産性拡大は、所得拡大を実現し、より多くの人の農業以外のセクターへの転換を可能にする事から、構造転換の推進と都市への流出の鍵を握っている。

報告書「アフリカの鼓動」を執筆したプナム・チュハン・ポール世界銀行アフリカ地域総局リード・エコノミストは、「自作農の生産性向上は、サブサハラ・アフリカにおける農村部の所得引き上げと貧困削減に不可欠だ。ただし、生産性向上の実現には、農村インフラ、農業研究、高度なテクノロジーの導入など農村部の公共財への投資と共に、正確なデータとエビデンスへの投資が必要となる。」と述べています。

アフリカ経済の今後をどう見るか!

今後もアフリカ地域の市場は急速に拡大し、2030年までには1兆ドル規模に達すると見られています。農業生産高と生産性の拡大に秘められた潜在性は極めて大きいと見られています。同報告は、サブサハラ以南アフリカ諸国では高いリターンの見込める投資が農業分野で十分に行われていないため、現行の公共支出の効率性を高めつつリバランスを行うことで大きな恩恵を享受できる可能性があると結論付けています。

同時にサブサハラ以南アフリカ諸国は今後、低迷する一次産品価格への対応、経済の脆弱性の解消、持続可能かつ包摂的な成長源の新規開拓のために、直ちに対策をとる必要があると同報告は提言しています。農業の生産性を拡大すれば、各国は農家の所得を高めるだけでなく、食費を引き下げ、農産業の発展を促進していくことになるでしょう。


記事提供元:アフリカの経済成長は依然低迷も、一部の国では好転の兆し(世界銀行)
1st Image Photo credit: IITA Image Library via Visual Hunt / CC BY-NC-SA
3rd Image Photo credit: International Livestock Research Institute via Visual hunt / CC BY-NC-SA

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