2016年のアフリカの政治・治安を考える上で押さえておきたい重要な出来事5選!

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アフリカが独立を勝ち取ってから約50年の月日が流れました。
経済や人口は急激に伸びる一方で、まだ課題も多く抱えています。

その1つが政局不安、いわゆるカントリーリスクです。
政治が不安定になると、同時に治安も悪化する可能性が高まります。
アフリカの政治を知ることは、その国の今後の治安を予測することに繋がります。

今回は「allafrica」で紹介されていた「10 Things to Watch in Africa in 2016」より、2016年のアフリカの政治や治安を考える上で重要な5つの出来事を抜粋・引用してご紹介いたします。


1)南アフリカのズマ大統領と与党アフリカ民族会議との闘いの行方は!?

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photo credit: Southern African Customs Union(SACU) Summit, 12 April 2013 via photopin (license)

南アフリカではジェイコブ・ズマ(Jacob Gedleyihlekisa Zuma)大統領を在任期間半ばの2017年に失脚させるシナリオが実しやかに囁かれています。ズマ現大統領は2007年に南アフリカの第1党アフリカ民族会議(ANC:African National Congress)の議長に就任し、2009年4月に大統領に選出されました。2014年には再選を果たし、2019年まで2期目を務めています。

この噂の発端となっているのが財務大臣であったンフランフラ・ネネ(Nhlanhla Nene)氏の解任劇です。この出来事は一時為替が大幅に悪化するなど大きな影響を与えました。南アフリカの大統領は、日本の様に国会議員による議会内投票によって選出されます。2016年6月には統一地方選挙が予定されており、もしこの選挙で敗北する様なことになれば、2017年12月に開かれるANC党大会がズマ政権にとって大きな山場となることが予想されています。

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2)二重政府を抱えるタンザニア。ザンジバルとの関係性が進展するか!?

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Photo credit: www.gaelfortier.com via Visualhunt / CC BY-NC-ND

2015年に実施されたタンザニア大統領選挙の際に、ザンジバル島において一部の野党支持者による暴動が起きました。この出来事はタンザニアが抱える政治構造の不公平性さを改めて浮き彫りにすることとなりました。インド洋に浮かぶザンジバル島は、ザンジバル革命政府によって統治されている半独立国家です。タンザニアは2つの政府を抱えるアフリカ唯一の連合共和国ですが、その構造は公平な同盟と呼ぶには不完全な仕組みとなっています。

ザンジバルはタンザニアとは独立した独自の行政府や立法府、司法のシステムを保有していますが、タンザニア政府は意思決定を行うことができる権限を持っている歪な関係が続いています。タンザニアのジョン・マグフリ(John Magufuli)大統領は、ザンジバルとの行き詰まりを解決するため憲法改正を考えているとも言われいますが、これまでの様に所属政党からの抵抗に直面することは間違いなさそうです。

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3)大国ナイジェリアが抱える汚職とテロの2つの問題

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photo credit: Nigeria Flag via photopin (license)

2015年に汚職撲滅とイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」討伐を掲げたムハンマド・ブハリ(Muhammadu Buhari)がナイジェリアの大統領になりました。就任後、ブハリ大統領はサンボ・ダスキ(Sambo Dasuki)前国家安全保障顧問に対して、約10億ナイラ(約500万ドル)ドルを着服したと逮捕を命じ、2015年の象徴的な出来事となりました。一方、ボコ・ハラムに対しては「技術的にこの戦争に勝利した」と宣言しましたが、その直後に自爆テロや銃撃戦が起き脅威は依然残っています。

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4)評価が分かれる政治力を維持するアフリカのトップたち

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photo credit: Umushyikirano 2009 | 10-11 December 2009 via photopin (license)

2015年にコンゴ共和国のドニ・サスヌゲソ(Sassou Nguesso)大統領とルワンダ共和国のカガメ(Kagame)大統領は国民投票により、任期を延長しました。一方、コンゴ民主共和国(DRC)では、暴力的なデモが起き、国際的な批判にも晒されているカビラ(Kabila)大統領が2016年11月に終了する2期目を超えても、その地位を継続していくことを表明しています。対照的に西アフリカ開発銀行の総裁も務めるなど国際的に評価の高いベナン共和国のボニ・ヤイ(Boni Yay)大統領は、2016年2月の2期目が終わった段階で辞職すると決めており、次期大統領に注目が集まっています。


5)洪水に干ばつ。直面する異常気象にどう立ち向かうべきか!?

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photo credit: _HOR4117 via photopin (license)

2015年はシエラレオネの首都フリータウンやガーナの首都アクラに洪水の被害が起きた一方で、エチオピアやジンバブエの農村部ではエルニーニョ現象の影響で干ばつが起きました。この様な予異常気象は、今後数年間続くと考えられています。短期的には都市管理の改善や干ばつに強い作物を育てるなどの対策が実施されていきます。同時にこの気候変動を好機と捉え、太陽光や風力、地熱発電など再生可能エネルギーに力を入れる流れもあり、電力不足に悩むアフリカ大陸の重要な動きとなりそうです。

関連リンク:エルニーニョ現象が影響!エチオピアで過去最大級の干ばつが発生し、1000万人が食糧不足に陥る。


記事引用元;allafrica
※写真は全てイメージです。
First Photo Credit: theglobalpanorama via Visual Hunt / CC BY-SA


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