アフリカ西部に位置するガンビア・イスラム共和国において大統領選挙が2016年12月1日に実施され、22年にわたって大統領を務めた現職のヤヤ・ジャメ氏が敗れ、野党連合候補のアダマ・バロウ氏が勝利する同国最大のサプライズ結果となりました。

アフリカ大陸の小国、独裁国家ガンビアとは!?

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西アフリカ西岸に位置するガンビアは、全土をセネガルに取り込まれた共和制国家です。国土面積は、日本の岐阜県程度しかなく、アフリカ本土にある国としては最も小さい国です。人口は2014年時点で約193万人で、イギリスの植民地であったため英語を公用語としていますが、国民の多くがマンディンカ語、ウォロフ語などを話します。

ガンビアは1982年~1989年の間、隣国セネガルとセネガンビア国家連合を形成していました。その後、1994年に軍部による無血クーデターが発生し、ヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)氏を国家元首とする軍政政権が形成されました。それ以降22年間、ガンビアではジャメ大統領による独裁が続いていました。これまで度々人権侵害を行っていると報道されるなど、人権団体から批判の対象ともなっていました。

22年ぶりの政権交代!ガンビアの大統領選挙で大波乱!

Gamcel sponsored poster promoting Jammeh

2016年12月1日に実施された大統領選において、野党連合候補のアダマ・バロウ(Adama Barrow)氏が得票率45.54%で快勝したとAFP通信が報じました。また選挙管理委員会によると、ジャメ氏の得票率が36.7%、第3候補のママ(Mama Kandeh)氏は17.8%でした。

今回の大統領選では、投票用紙ではなくガラス玉が使用されました。候補者別に政党カラーとロゴマークが描かれたドラム缶に1人1つずつガラス玉を落とすという一風変わった選挙方式が採用されています。これは世界的にはあまり知られていない方法ですが、西アフリカの一部では普及してきているそうです。

これまで長期政権を維持し、今回5期目を目指していたジャメ氏ですが、選挙後の演説で早々に敗北を受入れました。また今回採用されたユニークな投票方式についても、透明性が高いと述べており、今後異議を唱えることはないとも述べています。首都バンジュールでは歓喜に沸く人々も多く、ジャメ氏は政権移行に協力的な姿勢を示しています。

笑顔な海岸!ガンビアの観光業に影響はあるか!?

アフリカ西岸に位置するガンビアは”西アフリカの笑顔な海岸”と呼ばれるなど、観光業が盛んで主要な外貨獲得源です。ヨーロッパから多くの観光客が訪れており、2013年におけるGDPに占める第三次産業(サービス業)の割合いは64.1%と高い比率です。

これまでは独裁政権や人権侵害の報道が多かったガンビアですが、平和的に政権移譲が進むことを望むばかりです。また今回の選挙によってクリーンなイメージの定着及び治安の安定が図れれば、同国経済にもプラスに働くやも知れません。

【追記: 2016/12/10】やはり一筋縄ではいかない様です。

Gambia leader Yahya Jammeh rejects election result – BBC News


【参照元】

【画像元】

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凡
Africa Quest.com編集長、IC NET TRADING AFRICA LTD CEO。証券会社を経て、青年海外協力隊としてケニアへ渡航。貧困地域に暮らす女性たちへの収入向上支援を行いながら、ケニアに雇用を生むことをビジョンにソーシャルベンチャーを共同設立。2015年9月まで約2年にわたり経営を行う。現在は、ケニアを拠点に農業・食品関連ビジネスの立ち上げ、日本企業のビジネス進出支援、Webメディア運営や講演・セミナー講師などアフリカと日本を繋ぐコーディネーターとして幅広く活動中。