国際協力機構(JICA)は、優れた製品や技術力を持つ中小企業の海外展開に向けた情報収集や事業計画策定、実証事業などをサポートする「中小企業海外展開支援事業」を実施しています。2017年1月30日、JICAは2016年9月に行われた2016年度第2回公示の採択企業を決定しました。このうちアフリカ案件は、基礎調査3件、案件化調査6件、普及・実証調査1件が採択されました。

アフリカでの事業開発を目指す!基礎調査に3件採択!

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JICAは、中小企業が保有する優れた製品や技術力を開発途上国の経済社会開発に活かすため、情報収集や事業計画立案のサポートやJICAなどが行うODA事業との連携検討を目的に、基礎調査を実施しています。採択された提案には、JICAから調査委託費として上限850万円が提供されます。

今回の募集では、全部で14件の案件が採択されました。2016年8月に初めてアフリカのケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)後、最初の公示ということもあり、アフリカに対する応募が増加し、採択件数も3件に上りました。

  1. 株式会社ティーズネットワーク(東京都):アパレル企業等の生産拠点化及び繊維・皮革産業の品質向上の為の品質管理・検品事業に係る調査(エチオピア)
  2. 株式会社トラディショナルデザイン(東京都):ウォッシングステーションの管理プロセス向上と高単価商品開発による所得向上を目的とした基礎調査事業(ルワンダ)
  3. 株式会社内藤ハウス(山梨県)コートジボワール共和国におけるプレハブ・システム建築を活用した医療施設整備に向けた基礎調査(コートジボワール)

参考)採択案件一覧表(PDF)

途上国の開発課題の解決と中小企業の海外展開を目指す案件化調査!

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案件化調査とは、開発途上国の開発ニーズと日本の中小企業が保有する優れた製品・技術等のマッチングを行うことで、途上国の開発課題の解決と日本の中小企業の海外事業展開との両立を図ることを目的としたJICAの中小企業海外展開支援事業の1つです。開発途上国の課題解決への貢献、ODA案件化の可能性、ビジネス展開計画の熟度等の観点から、中小企業による提案を審査します。

今回は全36件の案件が採択されました。採択された提案には、JICAが調査業務として上限3,000万円の委託費が支給されます。なお機材の別送を必要とする場合は上限5,000万円となります。

対象国・地域は、東南アジア・大洋州地域が採択案件の約半数を占めましたが、アフリカの案件も6件採択されました。分野ごとにみると、農業分野に留まらずeラーニングや廃棄物処理やなど興味深い案件が選ばれています。

  1. 川崎花卉園芸株式会社 (神奈川):花卉産業のサプライチェーン高度化育成についての案件化調査(エチオピア)
  2. 明和工業株式会社(石川):バイオマス炭化装置を用いた有機廃棄物処理技術展開に関する案件化調査(ケニア)
  3. 甲斐水晶工芸株式会社(山梨):山梨県の伝統工芸である半貴石加工技術の移転による小規模事業者の収益向上案件化調査(ザンビア)
  4. テラル株式会社(広島):水の浄化・水処理 直流駆動ポンプを活用したソーラーポンプシステムによる小規模地方給水施設整備事業案件化調査(セネガル)
  5. エコステージエンジニアリング株式会社(福岡):油温減圧式乾燥機の導入によるオリーブ搾油粕の資源化のための案件化調査(モロッコ)
  6. 株式会社教育情報サービス(宮崎):教員不足に起因する教育の質の低下を解決するeラーニングシステム導入の案件化調査(ケニア)

参考)案件化調査:採択案件一覧表(PDF)

途上国で製品や技術の広く普及を目指す!普及・実証事業!

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普及・実証事業は、途上国の社会経済の課題解決につながる製品・技術を保有する中小企業の海外展開に向けた普及活動及び実証活動を、JICAが支援する取り組みです。製品・技術に関する途上国の開発への現地適合性を高めるための実証活動を通じて、その普及方法を検討するために実施されます。今回の募集では23件の提案が採択されました。採択された提案は、中小企業とJICAで業務委託契約を締結し、JICAより上限1億円の業務委託費が支給されます。

今回の普及・実証事業では、新たに募集が開始された複雑化した課題への対応や大規模で高度な製品の導入が必要とされる「上限1.5億円」の案件が4つ採択されました。また複数の企業が各々保有する製品や技術を有機的に連携させることで相乗効果が期待される「連携提案」も1組(2案件)採択されました。

普及・実証事業においては、提案案件の約6割が東南アジア、約2割が南アジアとなり、アフリカでの案件は1社のみが採択されました。

  1. 株式会社MARS Company(群馬県)高度冷蔵保存技術導入による農水産品の高度付加価値化に向けた【1.5億円枠】(モロッコ)

参考)普及実証事業:採択案件一覧表(PDF)

JICAは、日本の中小企業が有する優れた製品・技術を活用した開発途上国の開発課題の解決と、これを通じた中小企業の海外展開支援を今後も進めていく予定です。


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