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ザンビア政府は現金給付プログラム(Social Cash Transfer: SCT)を新たに27県で展開する。これによって、2017年末までにSCTは全国展開され、50万世帯に現金給付が実施されることとなる。

SCTはザンビアにおける最大の社会保障プログラム。最も貧しい人々にターゲットを絞って現金を給付することで、貧困削減と世代を超えた貧困の連鎖を断ち切ることを目的としている。

2003年にドイツの支援で始まったカロモ地区でのパイロット事業を皮切りに、イギリスなどが継続的に支援を続けてきた。SCTは保険料を徴収する社会保険ではなく、税財源を貧困層に給付するプログラム(社会扶助:Social Assistanceの一種)。国家予算から中長期的に予算措置を行う必要がある。全国展開にあたって当面の財源はドナー諸国からの支援などで確保されていると考えられるが、国家予算へ引き継いでいくことが求められる。

また、現金の給付方法(Delivery)に課題が認められるため、今後は電子送金を検討するようだ。これまでは、現金を手渡しで給付していたが、給付にかかる給付側・受益者側の双方の手間と、事務的なミスが大きな課題だった。今後は、VISAカードを受益者へ発行し、給付日には銀行口座へ定額が送金されるようになり、受益者はいつでも好きな時に引き出すことができるようになる。

ザンビア政府はこの給付方法をまずは27県で試行する予定だ。

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Cover Image Photo credit: WorldFish via VisualHunt / CC BY-NC-ND

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Ippei Tsuruga
The Povertistの編集長。アジアやアフリカでの開発援助業務に従事する貧困分析・社会政策のスペシャリスト。国際労働機関(ILO)児童労働撤廃プログラムインターンの後、国際協力機構(JICA)入構。アフリカ部ケニア、ソマリア、ナイジェリア国担当、研究所リサーチオフィサー、研究調整者、副調査役を経て、アメリカ事務所駐在員。現在は、ILOで開発途上国の貧困層に対する社会保障制度設計に従事している。香川大学法学士、英国サセックス大学開発学研究所貧困と開発修士。