JICA、ザンビアで病院の機能拡充を支援!首都圏での保健サービスへのアクセス改善に貢献!

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国際協力機構(JICA)は、2017年5月16日、ザンビア共和国政府との間で無償資金協力「第二次ルサカ郡病院整備計画」を対象とした最大39億800万円の贈与契約を締結しました。首都ルサカ郡にある3つのヘルスセンターにおいて、病棟の新設と医療機材の整備を行うことで、保健・医療サービスの向上と住民の保健サービスへのアクセス改善を図ります。

ザンビアの保健セクターが抱える課題!

ザンビア共和国はアフリカ南部の内陸に位置する国で、日本の約2倍に当たる約75万3千平方キロメートルの国土面積を有しており、人口は約1,621万人です。世界平和度指数ランキング(2012)では158か国中51位となり、アフリカで最も平和な国の1つとして高い評価を受けました。またザンビアとジンバブエとの国境には、世界三大瀑布の1つであるヴィクトリアの滝があり、多くの観光客が訪れます。また世界的に銅の産地としても有名で、輸出額の60%を占めており同国の経済を支えています。

ザンビアでは乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、HIV感染率などの保健セクターにおける指標が全世界平均より高い傾向にあります。2013年時点で1000人当たりの乳児死亡率が55.8人、15~49歳のHIV感染率が12.5%となっています。またザンビア総人口の約15%に当たる約140万人の人口が集中している首都ルサカ郡では、基礎的な保健・医療サービスを提供できる医療機関が絶対的に不足しており、住民の多くが必要な保健・医療サービスを受けることができていません。

このため高度医療を担う第4次レベル病院であるザンビア大学医学部付属教育病院もルサカ市域における第1次レベル病院の役割を担っており、慢性的な混雑状況となっています。ザンビア保健省はこうした状況を改善するため、ルサカ郡内における5つの区域のヘルスセンターを1か所ずつ指定し、第1次レベル病院に格上げを行いました。しかし、手術等の医療サービスを提供するための施設・機材が不足しており、第1次レベル病院としての機能を十分に果たせていないのが現状です。

保健サービスとアクセス向上をJICAが支援!

JICAは2013年~2016年に無償資金協力「ルサカ郡病院整備計画」にしており、ルサカ郡内でヘルスセンターから格上げされたこの5つの区域の第1次レベル病院のうちマテロ、チレンジェの2カ所の病院の機能拡充を支援しました。「第二次ルサカ郡病院整備計画」では、チパタ、カニャマ、チャワマの残り3カ所の第1次レベル病院の手術棟や外科病棟などの施設整備と超音波診断装置などの機材整備を行います。

これにより事業完了の3年後には、これら3つの第1次病院において、受け入れ可能な外来患者数が約14万人増加する見込みです。また帝王切開を除く対応可能な基礎的外科手術件数は4倍、帝王切開件数は11倍になると想定されています。

JICAはこれらの協力を通じてザンビアの保健サービス提供の強化を図り、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」の達成に貢献します。


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