ユニセフ（国際連合児童基金）は、健康・栄養分野で活躍するグローバル・サイエンスカンパニーの”Royal DSM”とスイスに本社を置く人道的な栄養を専門にしたシンクタンク”Sight and Life”の３団体で、ナイジェリアの危機下にある子どもと母親により良い栄養を届けるためのパートナーシップを結んだと発表しました。パートナー３団体は、微量栄養素の補給に関する啓発活動も世界的規模で展開していきます。
ナイジェリア、子どもの栄養不良が課題！
アフリカ西部に位置するナイジェリア連邦共和国は、日本の約2.5倍に当たる国土を持ち、アフリカ最大となる約1億8,600万人の人口を抱えています。アフリカでも有数の石油算出国であることから、アフリカ大陸で最も経済が発展しており、エジプトと共にNEXT11にも数えられるなど注目を集めています。ただ原油価格下落の影響を大きく受けており、昨今は経済成長が鈍化しています。
またユニセフによると、健康な成長と発達に必要な最低レベルを満たした食事を与えられているナイジェリアの子どもは20％未満であり、5歳未満児の40％近くは栄養不良による発育阻害の状態にあり、大きな課題となっています。
飢餓のない世界実現のために！
栄養不良の子どもを診てもらうため、クリニックに並ぶ母親たち(マイドゥグリ) © UNICEF/UN0119097/Sokhin
この新しいパートナーシップは、持続可能な開発目標（SDGs）のターゲットである”飢餓の撲滅とすべての人々の栄養改善の実現”に向けて、子どもの生涯において最も重要な受胎から生後2歳までの最初の1,000日間の母親と子どもの栄養を支援することに重点を置いています。これは、この時期に摂取される良い栄養は、子どもの身体的、認知的発達を支える重要な役割を果たし、その効果は生涯続くためです。
ユニセフ（国際連合児童基金）は、健康・栄養分野で活躍するグローバル・サイエンスカンパニーの”Royal DSM”とスイスに本社を置く人道的な栄養を専門にしたシンクタンク”Sight and Life”の３団体で、ナイジェリアの危機下にある子どもと母親により良い栄養を届けるためのパートナーシップを結んだと2017年10月30日に発表しました。DSM社は必須ビタミン、栄養素、栄養強化方法を提供し、ユニセフとSight and Lifeが共同で、調査、プログラム、世界展開を補完するための専門性を提供します。
ユニセフとDSM社は、2013年から2015年にかけてナイジェリアとマダガスカルにおいて、微量栄養素パウダー・プログラム（MNP）を共同で実施しました。ナイジェリアでのＭＮＰのパイロットプログラムでは、ナイジェリアの約40万人の子どもたちの栄養状況が改善しました。本パートナーシップは、このモデルを基盤として実施されます。
パートナー団体は協力して、栄養不良が重大な課題となっている国々で同様の活動を起こせることを目標に置きながら、ナイジェリアの食料と栄養の質を改善するための測定可能なモデルを開発しイノベーションを促進させます。また、微量栄養素の補給のための最善の方法について啓発活動を世界規模で展開していきます。
栄養改善のためのグローバルモデルの開発！
ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、「栄養は、子どもたちの健康と未来、そして彼らが暮らす社会の長期的に強化するために、私たちができる最も効果的かつ費用対効果の高い投資です。DSM社とSight and Lifeとのパートナーシップを通して、ナイジェリアの子どもたちに健康で強く成長する権利を実現する手助けをする」とコメントしています。
またDSMのCEO兼運営理事長のFeike Sijbesmaは、新たなパートナーシップの発足に関して、「DSMは、ナイジェリアとアフリカ全土の特に弱い立場にある女性や子どもたちの栄養改善のために、再度ユニセフとSight and Lifeとパートナーシップを組めることを誇りに思います。飢餓のない世界、そしてすべての人が自分の能力を発揮できる世界の実現のために、重要な一歩です」と述べています。
Sight and Lifeの代表Klaus Kraemerも、「私たちは、私たちが持つ実施に向けての問題解決と社会と行動に変化を促すコミュニケーションの専門性を活かして、ナイジェリアの一大栄養プログラムに効果的に貢献していきます」と述べました。
記事提供元：ナイジェリアの栄養改善のためのパートナーシップ ユニセフ、ＤＳＭ、Sight and Life 世界に適用可能な栄養改善のためのモデル開発｜ユニセフ プレスリリース
