初めまして。ウガンダはルウェロ県ウォブレンジにあるHappy Times Childcare InitiativesというNGOにインターンに来ている西美乃里と申します!インターンでは、NGOが運営する孤児院併設型の小学校で教師をやらせてもらっています。
インターン先の学校を訪れてから毎日のように「日本人って「勤勉」って言われていなかったっけ?」「私の子ども時代って、こんなに時間に追われていたっけ?」「教科書が無いだけで、こんなに「日常」が過酷になるの?」と考えています。
そこで「ウガンダの子どもたちに教科書1000冊を届けたい!」というクラウドファンディングを立ち上げました。今回は私がウガンダに来たきっかけやインターン通じて感じことなど、あれやこれやと話させていただきます。
意外と寒い!?ウガンダという国!
さて、今は3月ということで、日本では春の訪れを感じ心と花粉が踊っている季節かと思いますが、こちらは「冬」に突入しています。(日常会話の常套手段・天気の話から入ります笑)
赤道直下の国のくせに「冬」?と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。それもごもっともで、「冬」といっても日中は20℃前後まで気温が上昇します。ただ、ウガンダの「冬」の特徴は寒さではなくスコールです。つまり、「冬」というのは雨季のことです。この1週間でも、3日に1回はスコールが1日中続く日があります。雨が降った日はかなり冷え込むので、さすがに半袖では過ごせません。現地の人はダウンを着ているくらいです。
そんなウガンダの「冬」の朝には温かいウガンダティーが欠かせません。日本にいた頃はミルクティーしか飲めなかった私が、ここに来てからはストレートティーを飲めるようになりました。分かりにくい例えですが、それくらい紅茶が欠かせないということです(笑)ちなみに、ウガンダの人は男女問わず甘いものが大好きなようで、ウガンダティーにはスプーン山盛り3杯もの砂糖を入れるのが「普通」です。
ウガンダに行くことを決めた理由
「海外の孤児の人生は、どんな感じなんだろう」
私がウガンダにやってきたのは、こう思ったからです。
私は高校1年生のときに母親が長期入院し、家庭が落ち着ける場所ではなくなったことがあります。その経験がきっかけで、家庭以外に居場所を持つことの大切さを実感しました。そして私にとってはそれが当時の高校であり、部活でした。
この経験から、孤児を含む、家庭という居場所を持たない子供たちに家庭に代わる居場所を届けたいと考えていました。そしてちょうどウガンダで、孤児院に関わるNGOでのインターンをAIESECさんが企画してくださっていたので、「アフリカの孤児たちの様子が知りたい」と思い、ウガンダに飛び込んだというわけです。
インターンを通して見えた学校が抱える課題!
インターンでは、NGOが運営する孤児院併設型の小学校で教師をやらせてもらっています。そしてこの経験が、教科書が無いことの過酷さを教えてくれました。
この学校の子どもたちと教師たちの起床時間は4時。就寝時間は21時です。この間、毎日約10時間、勉強をし続けます。子どもたちも先生たちも最高睡眠時間が7時間という過酷さのなかで、文字通り、命を削って学校生活を送っています。
このような過酷な状況が生じているのは、授業の質が低い分を、量で補おうとしているからです。1回の授業内容が狭く浅い分、授業のコマ数を増やさざるを得ないのです。
具体的には、授業時間60分のうちその3分の2が板書のために使われています。理解は後回し。子どもたちはただひたすらに黒板を書き写します。その結果、理解のための時間は20分しか残りません。すると当然、1回の授業で扱える内容は狭く浅いものになってしまうというわけです。
そもそも、なぜこのように板書が過度に多いのかというと、それは生徒が教科書を持っていないからです。教師は教科書の内容をそのまま黒板に写し、生徒がその内容をまたノートに写します。そしてそんな板書のために、授業時間の大半が消費されるというわけです。
教科書を届けたい!プロジェクトを立ち上げ!
この状況を見て、教科書さえあれば、過度な板書が減り、1回の授業で進む範囲が増え、授業のコマ数が減る。そして最終的には、子どもたちが食べて遊んで寝る時間――子供らしく過ごす時間が増えるのではないかと思いました。
そんなに簡単に事が進むわけがないとは思っています。
でも、子どもたちや教師が命を削り学校生活を送る姿を目の当たりにした以上、そして1冊の教科書が持つ可能性に気付いた以上は、
子どもたちに全教科の教科書を贈ることを諦めたくない、と思いました。
この様な経緯から「ウガンダの子どもたちに教科書1000冊を届けたい!」というクラウドファンディングを実施しています。集めた資金で教科書715冊を現地で購入し、子どもたちに届けます。
ここまで読んでいただいてもお分かりの通り、どこにでもいる日本人が、誰でも抱いていそうな想いを抱えて、ウガンダにやって来ています。
教師という仕事に興味があったわけでもない。
ウガンダという国そのものに興味があったわけでもない。
「様々な子どもたちの環境について知りたいから」という自分のエゴで飛び込んでしまった。
だけど、だからこそ、「こんな自分を受け入れてくれた周りの人たちに恩返しがしたい」というエゴもまた捨てきれませんでした。ただ、教科書が命を削って頑張る人たちのせめてもの支えになってくれたら。それ以上でも以下でもありません。
「One child, one teacher, one book and one pen can change the world」 ― Malala Yousafzai
この言葉の意味を噛みしめ、これからも子どもたちを応援し続けようと思います。
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ぜひ応援いただければ嬉しいです。
※本記事は「1000 Textbooks Project」の西美乃里様よりご寄稿いただきました。