決済システム開発やICT医療を普及!飛び出せJapan!を通してアフリカで取り組む、ICTビジネス!

経済産業省による新興国の社会課題解決につながる中堅・中小企業の海外展開を支援するための補助事業「飛びだせJapan!~世界の成長マーケットへの展開支援補助金」 は、2018年まで3回実施され、これまでのべ11業種28社を採択し、19ヵ国へビジネス展開を支援しました。

現在、本年度の追加公募を実施しており、新興国での事業展開に取り組む中堅・中小企業を広く募集しています。今回は、昨年度の飛び出せJapan!に採択され、アフリカで取り組んできたICTビジネスの事例をご紹介します!

ケニアで決済システムを開発!

アフリインク

アフリカインキュベーターはアフリカにおいて、SMEs(中小規模事業主)でも利用可能な決済管理システムを提供し、SMEsの抱える売掛金決済の遅延・運転資金不足の改善と、低所得者の割賦払いへのアクセス向上を実現することで、SMEsが健全な事業運営を行い、事業を成長させていくための基盤となる仕組みの構築に取り組んでいます。

アフリカでは、販売した商品・サービスの決済の遅延(顧客からの売掛金等の支払いの遅延など)が深刻な課題となっています。顧客を直接訪問して代金の回収を行うため、多大な人的コストがかかる上に、マネージャー・経営者の視点からは、どの顧客がどの程度の未払い金を抱えているかの把握が非常に困難なためです。

このような現状に対し、近年のいくつかの事業モデルでは、割賦払い・分割払いがSMEsの事業の拡大を支えているというデータもあります。このことから、低所得者の支払い能力が必ずしも低いわけではなく、踏み倒しのリスク自体が過大に見積もられている可能性が高いとも言えます。また、既にモバイル・オンラインでの決済手段はM-PESAを代表してケニア・ウガンダ国内で幅広く普及していますが、決済には使われていないという状況があります。

飛びだせJapan!を通して、クラウドベースのリマインド機能つき決済システムを、既存の購買者管理サービスとともに提供するアプリケーションを開発しました。幅広い商品やサービスで割賦払い・定期払いを利用できるようにし、低所得者層の金融へのアクセスを向上させることで、生産手段や生活水準の向上を目指しています。

南アフリカで遠隔医療プラットフォームを普及!

メロディ・インターナショナル1

メロディ・インターナショナルは、医療と健康をICTで支える会社です。IoT型胎児心拍計と妊産婦ケア管理システムで構成する遠隔医療プラットフォームを開発し、産婦人科の専門医がいない地方の医療施設と高度な医療を行える中核病院で、妊産婦の情報を共有することを可能としました。そのシステムを使用し、ハイリスクの妊産婦の早期発見に取り組んでいます。

南アフリカでは、母子保健を重要テーマとして妊産婦死亡率の改善を長期開発計画として挙げており、ハイリスク妊産婦の早期診断や妊産婦のリスクに応じた医療施設の紹介体制強化が喫緊の課題となっています。長期開発計画「Vision 2030」では、母子保健を優先課題として位置づけ、妊産婦死亡率(出生10万に対する妊産婦の死亡数)を当初のベースライン500から2030年までに100へと大幅減少を目指しています。

南アフリカの公立病院は、上位の大学病院や中核病院、地方の病院、さらに規模の小さい地域の病院とピラミッド状に3つの階層に分かれています。妊婦はまず地域の病院で受診をし、疾患等が見つかった場合は地方病院へ、そこで対処が困難な場合はさらに上位病院へと搬送される仕組みとなっています。そのため、上位病院に搬送される頃には手遅れとなっている場合もあり、地方の病院より上位病院での妊産婦死亡率が高くなっていることが飛びだせJapan!を活用した調査で明らかになりました。

このような現状に対して、地域の病院と上位病院を遠隔医療プラットフォームで繋ぐことで、緊急を要する妊婦のスクリーニングができ、病診連携の効率化、妊婦への迅速な措置実施に繋がっていきます。今後は南アフリカでの遠隔医療プラットフォームの臨床試験をさらに進め、現地病院への導入を目指しています。

飛びだせJapan!~世界の成長マーケットへの展開支援補助金

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新興国・開発途上国の社会課題解決につながる中堅・中小企業の海外展開を支援しているアイ・シー・ネットは、経済産業省による「飛びだせJapan! 世界の成長マーケットへの展開支援補助金(技術協力活用型・新興国市場開拓事業費補助金(社会課題解決型国際共同開発事業)」をこれまで3度に渡って実施してきました。

本事業は、世界で40億人といわれる困難な状況で暮らす人々の生活を、少しでもよいものにできる中堅・中小企業によるビジネスプランを公募し、採択された企業による新興国・開発途上国での製品・サービス等の開発に対して補助金と事業開発支援サービスを提供し、事業の実現を支援しています。

本事業では、新興国の社会課題解決につながるビジネスプランを中堅・中小企業より公募し、採択された企業が、新興国の大学・研究機関・NGO・企業等と共同で製品・サービスの開発や実証・評価等に取り組む際に必要となる経費が補助されます。また、新興国を中心とした世界各地にネットワークを有するアイ・シー・ネットが事業開発支援サービスを提供し、事業の実現をサポートしています。

現在、「第4回飛びだせJapan! 世界の成長マーケットへの展開支援補助金」の追加公募を実施しており、新興国での事業展開に取り組む中堅・中小企業を広く募集しています。本事業をきっかけとして新興国で事業展開をする日本企業が増えることで、新興国の社会課題解決、しいては日本経済のさらなる活性化に繋がることを目指しています。

追加公募の期間

  • 公募開始:2018年6月12日(火)
  • 公募締切:2018年7月8日(日)日本時間23:59

事業対象国

アフリカ・南アジア・南米地域などOECD作成「援助受取国・地域リスト」(DACリスト)掲載国のうちASEANを除く国・地域

補助金額

1社あたり最大5,000万円

募集要領、応募方法など公募に関する詳細情報

飛びだせJapan!公式HP(http://www.icnet.co.jp/tobidase_japan/)をご覧ください

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