コンゴ民主で日常的に食べる代表的な家庭料理をご紹介!~フフ、ポンドゥ、ンバンガ~

コンゴ民主共和国の首都キンシャサで暮らすマベ キトコです。さて、今回はコンゴ民主共和国の人々が日常食べている家庭料理についてお伝えします。今回ご紹介するのは、コンゴのご飯と味噌汁である”フフとポンドゥ”、そしてコンゴの牛タン”ンバンガ”です!

コンゴのご飯と味噌汁、”フフとポンドゥ”!

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コンゴの食卓に欠かせない食材、それはなんといっても“マニョク”です。マニョクは農業地帯だけでなく、街中でも幹線道路沿いにちょっとした畑があったり、家の庭に植わっていたりと身近なところでも栽培されています。

マニョクとはキャッサバのこと。日本でキャッサバというとタピオカの材料キャッサバ澱粉として知られているかもしれませんが、コンゴでは主食としてもおかずとしても、ほぼ毎日食卓にのぼります。

コンゴの人々が毎日食べる主食“フフ”はこのマニョクの芋を切って乾燥させ粉にした物から作られます。

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フフの粉は市場や道端のあちこちでコップ1杯単位で売られています。粉にする前の乾燥芋状態で20Kgくらい入った大袋を買って自宅で粉にする人もいます。その方が値段的にお得なのですが、ささやかに日銭を稼いで生活している人達にはコップ1杯のフフをそのつど買いに行く方が一般的といえます。

主食フフの作り方!

フフの作り方ですが、鍋に水を沸騰させ、そこに粉を入れて“ポトポト”と呼ばれるポタージュスープのような状態を作ります。20分くらいはかかるでしょうか。この間焦げないように時々掻き混ぜます。

ポトポトが出来たらさらに粉を加え、煮立った鍋を地面に置いて両足ではさみ、長い木べらを使って練っていきます。

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家族全員が食べる分を一度に作るので、大きな鍋いっぱいのフフはかなりの重量になります。練るのは男性でも力が要りそうな作業ですが、15歳くらいの女の子も当たり前のようにこの作業をやります。

これが出来れば一人前というところでしょうか。十分に練って適度な弾力になったところで一人分の大きさに形良く切り分けて出来上がりです。

お餅のようにモチモチな食感で、それを手でちぎっておかずと一緒に食べます。最近はフォークとナイフを使う人もいますが、手で食べる方がおかずのソースやスープをよく絡めることが出来て美味しい、というのがわたしの感想です。もちろん念入りに手を洗うことが必須ですが。

主食としては、ゆるめのフフを大きな笹のような葉で包んで固めたチマキ風の“クァンガ”や、白いご飯“ロッソ”もありますが、コンゴの家庭料理のどんなおかずにも合うのはやっぱりフフ。日本人にとっての白いご飯のようにコンゴの人々はフフを食べるのです。

副菜!マニョクの作り方!

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主食としてのマニョクであるフフに続いてご紹介するのは、おかずとしてのマニョク。けれど芋料理ではありません。葉の料理なんです。マニョクの葉は“ポンドゥ”と呼ばれ、お茶の葉くらいの硬さと厚みでヤツデを小さくしたような形をしています。

一般の葉物野菜と違い、ポンドゥは煮込んだだけでは食べられないため独特の調理法で作られます。

まず、枝から葉を千切りとってよく洗い熱湯をかけます。それを“リボカ”と呼ばれる木製の臼に入れ、“ムトゥテ”と呼ばれる杵で突いて擦りつぶしていきます。これを“トゥタ”と言います。

途中、にんにく、玉ネギ、細ネギ、唐辛子、ナスなども加えながら、量にもよりますが30分以上かけてトゥタしていきます。そうするとフードプロセッサーで粉砕したように細かくなるのです。わたしも時々トゥタを手伝うのですが、杵を上下させる動きは二の腕を鍛える良い運動になりそうで、フフ同様こちらも体力の要る作業です。

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十分トゥタしたら大鍋に入れて水を加えて煮込みます。調味料は塩とパーム油と、「マギーブイヨン」などのキューブ型調味料、それも“ポンドゥ専用”を入れます。ポンドゥ専用マギーには多国籍企業がアフリカ巨大市場をガッチリとつかんでいる一面が見えます。

調味料の他にアジや干し魚を入れたりもします。具になるのと同時に出汁が出て美味しくなるのです。そして後は良く煮込んで出来上がり。

ポンドゥのお味ですが、苦味・渋味・エグ味というか、少し癖がありますが、それが旨味にもつながっているような独特の美味しさです。フフがご飯なら、ポンドゥは味噌汁。味噌の味を外国の人々みんなが好きかというと馴染めない人もいるでしょうが、日本人で味噌汁を嫌いな人はいないでしょう。

同じように、コンゴ人でポンドゥを嫌いな人はいません。ポンドゥはソウルフードなのです。そして、外国人のわたしもポンドゥが好きです。中でも、インゲン豆(マデス)の煮込みと混ぜた“ポンドゥ・カチ・ヤ・マデス”をご飯にかけて食べるのが特に大好きです。

マニョクについてネットで調べていたら、JICAのプロジェクト関連の「キャッサバの基礎の基礎がわかる キャッサバABC」(井芹信之)という文書を見つけました。

こちらを読むと、奴隷貿易船の中で奴隷に食べさせる食料として南アメリカからアフリカ大陸に伝わった経緯や、やせた土地でも栽培しやすいこと、栄養価が高いこと等々、コンゴ民主共和国だけでなくアフリカや世界の貧困地域にとって重要な役割を持つ作物だということがよくわかり、フフ&ポンドゥにさらに敬意を感じているわたしです。

次ページ>> コンゴの牛タン”ンバンガ”!


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2 コメント

  1. 私の夫もコンゴ出身なのでとても興味深く読ませていただきました。キューブ型調味料を夫が愛用している背景がわかりましたし、食文化についてとてもよくまとめられていて読みやすかったです!

  2. 私の夫はフランス生まれのフランス人なのですが、彼の父親がコンゴ(でもコンゴ共和国のほうです)出身で、コンゴ料理を勉強したく検索していたところこちらのブログにたどりつきました。私も大変興味深く読ませて頂きました。他の記事もこれから読ませて頂きます。貴重な情報を日本語で発信して頂きとてもありがたいです。

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