2019年のサブサハラ・アフリカの経済成長は2.9%に改善!世界銀行が発表!

世界銀行は、2019年6月版の「世界経済見通し:高まる緊張、抑制された投資」を発表しました。世界経済の成長は2019年の2.6%とこれまでの想定以上に低迷することが予測されるが、2020年には2.7%へと若干ながらも上向きに転じると見られています。

またサブサハラ・アフリカ地域については、国内需要増加や石油生産の回復により2018年の2.5%から2.9%に改善しました。2020年には3.3%へ加速すると予測されています。

世界経済成長率は減速!

世界銀行は、2019年6月版の「世界経済見通し(GEP):高まる緊張、抑制された投資」の中で、投資の不振が新興国と途上国の経済成長を抑制しており、リスクは下振れ方向に傾いていると指摘しています。

主なリスクとしては、貿易障壁の増加、金融市場への圧力の再燃、そして一部主要国の予測以上の急激な減速などが挙げられています。投資の適切な配分または投資そのものを阻む構造面の問題も見通しに重くのしかかっています。

2019年の先進国全体としての成長は、輸出と投資が一段と低迷することから、特にユーロ圏を中心に鈍化すると予測されています。アメリカの成長率は2019年は2.5%、2020年は1.7%まで減速する見通しです。ユーロ圏の2020~21年の成長率は、金融政策による下支えが継続されるにもかかわらず、低調な貿易と内需が経済活動の重しとなり1.4%あたりで推移する予想です。

新興国・途上国の成長率は、2019年に直近4年間で最も低い4%まで減速した後、翌2020年には4.6%まで回復すると見られています。多くの国は、金融市場への圧力と政治の不確実性の影響下にあります。

しかし、こうした足かせも弱まり、2019年に10年前の金融危機以来最も低調となる見込みである世界貿易の成長も、いくぶん持ち直すと予測されています。

低所得国が抱える課題!

ただ世界銀行のジェイラ・パザルバシオル公正な成長・金融・組織(EFI)副総裁は、「最貧国は、脆弱性に加え地理的に孤立しており貧困も根深いことから、最も深刻な問題を抱えている。こうした国々は、成長ペースが一段と加速しない限り、2030年までに極度の貧困を3%まで減らすことは困難な状況が続くだろう。」と指摘します。

新興国・途上国では、金融危機前にようやく減少を始めた公的債務比率も大半で反転するなど、政府債務が大幅に拡大しました。これらの国々には、成長促進のための借入と過剰な借入に伴うリスクの回避との間で、慎重にバランスを取ることが求められます。

低所得国の成長率は、2020年には2019年の5.4%から上昇し6%に達すると見られています。しかし、貧困を大きく削減するには依然として不十分です。

多くの低所得国は2000年から2018年までの間に中所得国に発展を遂げましたが、残された低所得国は同様の発展を遂げるに当たりさらに深刻な課題に直面しています。

こうした国々は所得水準の向上を実現した国々と比べさらに貧しく脆弱であり、地理面に加え農業に大きく依存しているなど不利な状況にあります。

新興国・途上国の投資の伸びは、緩慢な世界経済の成長、限られた財政余力、さらには構造的な制約が足かせとなり、引き続き抑制され過去の平均を下回ると予測されます。投資の継続的な増加は、主要な開発目標の達成に不可欠です。ビジネス環境の改革を通し民間投資の促進を支えることができると考えられています。

サブサハラ・アフリカ地域の経済予測!

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サブサハラ・アフリカ地域の成長率は2020年には3.3%へ加速する見込みです。これは、域内の大国の一部に対する投資家心理の改善と、主要石油輸出国における石油生産の回復、そして資源集約度の低い国においては農産物の生産が引き続き力強くまた公共投資が持続され堅調な成長を支えることを前提としています。

域内の一人当たりのGDPは上昇する見込みですが、それでも貧困削減で大きく前進するためには不十分だと指摘します。

2020年、南アフリカの成長率は1.5%、アンゴラでは2.9%へとそれぞれ上昇する見込みです。またナイジェリアの2020年の成長率は小幅ながらも2.2%へ上昇すると見られています。

詳細及びその他地域については「世界経済見通し(GEP)ウェブサイト」よりご確認ください。


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