NEC、コートジボワールで農業デジタル化を推進!eバウチャーとCropScopeで公平な資材供給を実現!

日本電気株式会社(NEC)とその現地法人NEC Africa (Pty) Ltd.は、コートジボワール農業・農村開発・食糧生産省と協力し、デジタル技術を活用した農業効率化・高度化プロジェクトを開始しました。

本プロジェクトでは、主要作物である米、キャッサバ、メイズ(トウモロコシ)の生産に関するデータを活用し、「eバウチャー」および「CropScope」を導入することで、農業資材の公平な供給と営農支援の効率化を目指します。

農業資材高騰を背景にデジタル導入へ

NECとNEC Africaは、コートジボワール国務省および農業・農村開発・食糧生産省と共同で、農業の効率化と高度化を目的とするデジタル技術導入プロジェクトを開始しました。

同国では国内総生産(GDP)の約30%を農業が占め、国民の約50%が農業に従事しています。

しかし、紛争や自然災害、パンデミックなどの影響により、農業資材である種子や肥料の価格が大幅に高騰し、多くの農家が十分な調達を行えない状況が続いています。

こうした課題に対応するため、JICA(国際協力機構)とアフリカ開発銀行は協調融資の形でコートジボワール政府に対し「緊急食糧安全保障」を目的とした有償資金協力を実施しました。

本プロジェクトは、その支援資金を活用して農業資材の円滑な配布や農業生産体制の改善を進めるものであり、デジタル技術による効率的な営農支援の仕組み構築を狙いとしています。


メイズの圃場

eバウチャーで公正な資材供給を実現

本プロジェクトの中核となる取り組みが、IDカードとスマートフォンを用いた「eバウチャー」の導入です。

従来、農業資材の配布においては不正受給や配布の偏りが課題とされてきましたが、eバウチャーは配布の可視化を通じてこれらの問題を解決します。

IDカード発行時に農家の生体情報を登録することで、不正利用を防止し、必要な資材を適切な対象に公平に届けることが可能になります。

また、配布履歴はデジタル上で管理され、行政機関がリアルタイムに状況を把握できるため、資金や資材の透明性も向上します。

これにより、農家への支援が迅速かつ効率的に行われる体制が構築され、農業資材の安定的な供給が期待されます。

NECはこの仕組みを通じて、デジタル技術による公正な農業支援を実現し、地域社会の信頼性向上に貢献します。


コートジボワール農家に「CropScope」の使い方を教えている様子

 

CropScopeで営農支援と生産安定化を推進

もう一つの柱となるのが、NECが提供する農業ICTプラットフォーム「CropScope」です。コートジボワールでは、農家が管理する圃場の場所や広さ、作物の種類といった基礎データが十分に整備されていない状況にありました。

そこで本プロジェクトでは、「CropScope」を活用して30,000ヘクタール分の圃場データベースを構築します。

このプラットフォームにより、農作物の生育モニタリングや営農指導員による圃場巡回の効率化が可能となり、農家の作業負担軽減と生産性向上が期待されます。

さらに、将来的にはAIを活用した施肥や収穫時期の最適化提案機能を導入し、安定した農業生産を支援する計画です。

NECは今後も、デジタル技術と官民連携を通じて、開発途上国における持続可能な農業と食料安全保障の実現に貢献していく方針です。


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