国連児童基金(UNICEF)と日本政府は、ケニアの国境地域およびナイロビ郡の非公式居住区における清潔な水と衛生サービスの改善、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進に向けた新たな戦略的パートナーシップを発表しました。
本事業は日本政府による6億2,600万円の資金協力のもと、2026年2月から3年間にわたり実施されます。
学校や保健施設の水・衛生設備の整備、市場主導型の衛生改善、農村部の革新的な給水モデルの導入などを通じ、ケニアの子どもやコミュニティの健康とレジリエンス強化を目指す取り組みです。
日本とUNICEFがケニアで水・衛生改善に共同投資
2026年2月17日、ケニア・ナイロビにおいて、国連児童基金(UNICEF)と日本政府は、ケニアの水と衛生サービスの改善を目的とした新たなパートナーシップを発表しました。本事業は、ケニア政府との緊密な協力のもとで実施され、2026年2月から3年間にわたり展開されます。
本パートナーシップの目的は、ケニアの国境地域およびナイロビ郡の非公式居住区において、清潔な水と衛生サービスへのアクセスを改善することです。安全な水と衛生環境は、公衆衛生の基盤であるだけでなく、社会の公平性や地域のレジリエンス、持続可能な開発を支える重要な要素と位置付けられています。
日本政府は、本事業のために6億2,600万円の資金協力を行います。支援対象地域にはナイロビ郡の非公式居住区に加え、ガリッサ郡、ブシア郡、ワジール郡の3つの優先郡が含まれます。これらの地域では、屋外排泄の根絶、コミュニティのレジリエンス強化、緊急事態への備えの向上を中心とした取り組みが進められます。
具体的な活動としては、学校や保健センターの水と衛生設備の改修、市場主導型の衛生改善、農村部での革新的な給水モデルの試行などが予定されています。これにより、地域社会における安全な水と衛生へのアクセスを拡大し、子どもや家族の健康環境の改善につなげることが期待されています。
TICADの優先課題に沿うUHCと感染症対策
今回のパートナーシップは、日本政府がアフリカ開発会議(TICAD)の枠組みで掲げてきた戦略的優先事項とも密接に関連しています。
特に、2025年8月に横浜で開催されたTICAD 9では、「革新的な解決策の共創をアフリカと共に」というテーマのもと、アフリカにおける保健システムの強化や感染症対策の推進が重要な柱として位置付けられました。
日本はこれまで、アフリカ大陸におけるプライマリ・ヘルスケア・システムの強化、感染症の予防、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けた支援を継続してきました。
今回の取り組みは、その具体的な実装の一つであり、日本の技術やノウハウを活用した水・衛生分野の革新的な解決策をケニアで展開するものです。
UNICEFは、水と衛生および保健分野において世界各地でエビデンスに基づいた支援を実施してきた長年の実績を有しています。
ケニアにおいても、中央政府や郡政府と緊密に連携しながら、水と衛生サービスの改善や子どもの健康保護に取り組んできました。
また、UNICEFは政府機関、市民社会組織、民間企業など多様なパートナーを結集する役割を担っています。こうした協働体制により、地域の実情に即した持続可能で拡張可能な解決策の実現が可能となっています。
地域主体の衛生改善と感染症対応を強化
本事業ではインフラ整備に加え、地域主体の取り組みを強化するための能力育成にも重点が置かれます。地方自治体や最前線で活動する保健員、女性や若者を含むコミュニティ団体に対して、水と衛生システムの設置、運用、維持管理に関する研修を実施します。
また、市場主導型の衛生改善を促進することで、地域社会が自律的に衛生環境を維持・改善できる仕組みの構築も目指します。これにより、長期的に持続可能な水と衛生サービスの提供体制の確立が期待されています。
さらに、洪水リスクや気候変動の影響を受けやすい感染症の発生に備え、コミュニティを基盤とした早期警戒システムの強化にも取り組みます。これにより、アクセスが困難な地域においても疾病監視体制を強化し、緊急時の対応能力を高めることが可能となります。
在ケニア日本国特命全権大使の松浦博司氏は、日本とUNICEFの長年にわたる協力関係を評価し、今回の取り組みを通じてケニアにおけるUHCの推進と安全な水・衛生サービスの拡大に貢献していく意向を示しました。
UNICEFケニア事務所代表のシャヒーン・ニロファー氏も、日本政府との連携により、子どもや家族、コミュニティ全体に持続的な影響をもたらす取り組みとなることへの期待を示しています。
このパートナーシップは、日本とケニアの友好関係を象徴する協力事例であると同時に、UNICEFが世界各地の子どもたちとコミュニティを支える国際機関として果たしている役割を示すものです。
共通の価値観と技術的専門性を結集することで、ケニアの子どもと女性の健康と生活環境の改善に向けた持続的な取り組みが進められます。















