コンゴ民主共和国東部で拡大するエボラ出血熱の影響が、子どもたちの生活と安全を大きく脅かしています。世界全体の確定症例数が1,000件に達するなか、感染地域では約295万人の子どもと青少年が感染リスクだけでなく、医療や教育、水・衛生サービスの不足といった深刻な課題に直面しています。
ユニセフは、エボラ出血熱による直接的な被害に加え、紛争や避難生活が続く地域特有の脆弱性が状況をさらに悪化させているとして、国際社会に対し迅速な支援の強化を呼びかけています。
子どもたちに広がるエボラの深刻な影響
コンゴ民主共和国東部では、エボラ出血熱の感染拡大により約295万人の子どもと青少年(18歳以下)が危険にさらされています。
この人数は感染が確認されている31の保健区域人口の54%を占めており、地域社会全体に大きな影響を与えています。2026年6月19日時点では、確定症例の約15%、死亡者の25%超を子どもと青少年が占めています。
また、感染した子どもや青少年は成人と比べて死亡する可能性がほぼ2倍とされており、若年層への影響の大きさが浮き彫りになっています。ユニセフによると、エボラによって母親や両親を失う子どもも増えており、感染症への恐怖に加え、家族との死別という大きな精神的負担にも直面しています。
さらに、インターネットや地域社会で誤情報や噂が広がる中、子どもたちは状況を十分に理解できないまま不安な日々を過ごしています。
感染拡大地域で続く複合的な人道危機
現在の感染の中心地はイツリ州のモンワル、ルワンパラ、ブニアの各保健地区であり、北キブ州や南キブ州でも症例が報告されています。
検査体制は改善されつつあるものの、治安悪化やアクセス制限によって感染監視や接触者追跡には依然として課題が残っています。もともとイツリ州では、5歳未満の子どもの半数以上が慢性的な栄養不良に苦しみ、予防接種率も十分ではありません。

Ebola Treatment Centre in Miti‑Murhesa, South Kivu Province, DR Congo, on 25 May 2026.
5人に1人以上がジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチンの初回接種を受けていない状況です。こうした環境では、エボラ出血熱の初期症状がマラリアなど他の疾患と似ていることもあり、発見の遅れや重症化のリスクが高まります。
さらに、長年にわたる紛争や大規模な避難により、子どもたちは暴力や搾取、保護上の危険にさらされ続けており、感染拡大によってその状況がさらに深刻化しています。
ユニセフと国際社会が感染拡大の封じ込めを支援
ユニセフはコンゴ民主共和国およびウガンダにおいて、各国政府や世界保健機関(WHO)、アフリカ疾病予防センター(Africa CDC)などと連携し、感染拡大の封じ込めに取り組んでいます。
感染予防や接触者追跡、安全で尊厳ある埋葬の支援に加え、地域住民や若者への啓発活動も進めています。また、感染によって親を失った135人の子どもに対し、心理社会的支援や社会サービスへの紹介、代替的養護措置を提供しています。
イツリ州では、エボラ治療施設で治療を受ける親や養育者に代わり乳幼児を保護する託児スペースも開設され、さらに2カ所の設置が予定されています。

UNICEF Health Specialist Medard Onobaiso raises awareness among families living near the Ebola Treatment Centre in Miti‑Murhesa, South Kivu Province, DR Congo, on 25 May 2026.
He explained the signs of Ebola and promotes prevention measures to help protect families and strengthen community resilience.
一方、隣国ウガンダでもコンゴ民主共和国から移動した人々の中から20人の感染症例と2人の死亡が確認されており、子ども1人の陽性確認と19人の隔離措置が報告されています。
ユニセフは今後6カ月間の活動資金として7,070万米ドルを必要としているものの、2,000万米ドルが不足しており、感染地域への安全かつ継続的な人道アクセスと国際的な支援拡大を呼びかけています。
















