アフリカのサプライチェーン強靭化へ!スペースデータ、宇宙AIでインフラ脆弱性を可視化するシステムを提供

株式会社スペースデータは、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」のレジリエンス分野において、新機能「Supply Chain Simulator」の提供を開始しました。政府や自治体、事業者向けに開発された本機能は、重要インフラやサプライチェーンの現状を把握するとともに、AIを活用して脆弱性や遮断時の影響を予測・評価できるシステムです。

アフリカにおけるインフラ投資や経済安全保障への関心が高まる中、広域的なリスク分析やサプライチェーン強靭化を支える新たな基盤として期待されています。

アフリカ全域のインフラをAIで解析

スペースデータが提供を開始した「Supply Chain Simulator」は、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」のレジリエンス領域「Geo-Resilience」の新機能として開発されました。政府、自治体、事業者を対象に、重要インフラやサプライチェーンの現況把握と脆弱性の予測・評価を行うことを目的としています。

第一弾ではアフリカ大陸全域を対象とし、大陸横断道路や鉄道、水路、送電網などをデジタルツイン技術によって3D地球儀上に再現しています。利用者は任意の道路や鉄道区間を選択し、災害などによって遮断された場合の最短迂回経路や影響人口、経済損失の目安をその場で確認できます。

また、干ばつや洪水、サイクロンなどの災害リスク帯と重ね合わせることで、交通・水路・電力・災害リスクを横断的に分析し、大陸規模でインフラの脆弱性を把握できる仕組みとなっています。今後はAIによるリスク予測機能の高度化と対象地域の拡大も予定されており、アフリカを起点とした広域的なリスク分析基盤として活用が期待されています。

背景にある経済安全保障の課題

アフリカでは人口増加や都市化を背景に交通・電力インフラへの投資が進む一方、干ばつ、洪水、サイクロンなどの気候災害や地政学的リスクがインフラの安定運用に影響を及ぼしています。大陸を横断する幹線道路や国境を越える送電網は限られた回廊に依存しているため、一部区間が遮断されるだけでも物流や電力供給に広範囲な影響が及ぶ可能性があります。

さらに、重要鉱物やエネルギー、食料などの供給網は世界各国と結び付いており、アフリカのインフラリスクは世界経済や経済安全保障にも関わる課題となっています。しかし、これまで大陸規模でインフラ全体を俯瞰し、遮断時の波及影響を定量的に分析できる手段は限られていました。

スペースデータは、地球環境を再現するデジタルツイン技術で培った知見を活用し、「もしも」の状況をシミュレーションしながらAIによる予測・評価を行える環境を構築しました。これにより、専門家だけでなく幅広い関係者がリスク構造を直感的に理解し、レジリエンス強化に向けた共通認識を形成できることを目指しています。

大陸規模の意思決定を支える基盤へ

公開されたシステムはWebブラウザのみで利用できる軽量な構成となっており、衛星画像や地形データの上に送電網、変電所、空港、鉄道駅、道路、河川などアフリカ全域のインフラデータを重ねて表示します。220kV以上の送電線3,001本、変電所900カ所、空港824カ所、鉄道駅4,101駅などの情報を活用し、現実のインフラ配置に基づく分析を実現しています。

また、都市を結節点、道路や鉄道をネットワークとして解析することで、ダイクストラ法を用いた最短迂回経路の算出や、迂回距離、影響人口、経済損失の目安、孤立地域の判定まで行うことが可能です。送電線は電圧ごとに色分けされ、発電所の種類や設備容量、災害リスク帯との重ね合わせも確認できます。

今後は国際機関などが公開するインフラデータとの統合やデータ更新の自動化を進め、防災やインフラ計画を担う官公庁や国際機関、開発金融機関に加え、電力、物流、建設、保険分野などアフリカで事業展開や投資を進める企業が、広域リスクの分析やサプライチェーン強靭化の検討に活用できる基盤へ発展させる方針です。


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