開発途上国での社会課題解決を、一過性の取り組みではなく持続可能なビジネスとして成立させるには何が必要なのでしょうか。
東京都主催のスタートアップ支援プログラム「GlobalXpander Tokyo」は2026年9月3日(木)17時より、丸の内のTokyo Innovation Base(TIB)にて第3回支援機構イベントを開催します。
テーマは「社会課題解決を“持続可能なビジネス”にするためには」。アフリカ6カ国でエネルギー事業を展開するWASSHA株式会社、ナイジェリアやタンザニアでモビリティサービスを手がけるヤマハ発動機株式会社、新興国で金融事業に挑むファルス株式会社の登壇者が、現場での経験に基づく実践的な知見を共有します。
参加費無料・先着50名程度、会場参加のみで、登壇者や参加者同士のネットワーキングの時間も用意されています。
社会課題解決と事業性をどう両立するか
アフリカをはじめとする開発途上国では、電力へのアクセス、物流網の未整備、金融サービスの空白といった課題が、そのまま巨大な市場機会として存在しています。
しかし「社会課題があること」と「そこで事業が回ること」のあいだには、大きな距離があります。
実証実験(PoC)までは進んだものの事業化に至らない、あるいは補助金や助成金が切れた時点で活動が止まってしまう。こうした壁に突き当たる日本企業や団体は少なくありません。
今回のイベントが掲げるテーマは、まさにその距離をどう埋めるかという問いです。
「社会課題解決を“持続可能なビジネス”にするためには」をテーマに、実際に開発途上国市場で社会課題解決型ビジネスに挑戦している企業や、その事業展開を支援する立場の方々を迎え、現場での経験に基づいた実践的な知見が共有されます。
イベントは二部構成です。前半のキーノートスピーチでは、ファルス株式会社より「開発途上国における社会課題解決ビジネスの可能性」と題した講演が行われます。
続くパネルディスカッション「社会課題解決を“持続可能なビジネス”にするには」では、実際に開発途上国で事業を行うWASSHA株式会社、ヤマハ発動機株式会社を迎え、次の3つの論点が扱われます。
- 社会課題解決と事業性をどう両立するのか
- 現地市場で事業を立ち上げ、持続的に成長させるためのポイント
- パートナー連携や成長戦略の考え方
モデレーターは、株式会社Double Feather Partners 代表取締役の武藤康平氏が務めます。
いずれも、これから開発途上国市場に踏み出そうとする企業が最初に直面する論点であり、すでに現地でオペレーションを回している当事者の言葉で語られる点に、このイベントの価値があります。抽象論ではなく、意思決定の現場でどう判断してきたのかを聞ける機会だといえます。
アフリカ6カ国で事業を営むWASSHA
パネリストとして登壇するWASSHA株式会社は、アフリカビジネスに関心を持つ読者にとって最も馴染みの深い一社かもしれません。代表取締役CEOの秋田智司氏が登壇します。
同社の公式サイトによると、WASSHAは2013年11月28日に設立され、”Power to the people”(ビジネスを通じて社会課題を解決し、人々をエンパワーする)をミッションに掲げています。
主力は、LEDランタンやバッテリーをレンタルするEnergy as a Service(EaaS)事業です。オフグリッド地域の人々が、初期費用を負担することなく必要な分だけ電力を利用できる仕組みで、電力アクセスという社会課題そのものを収益事業として設計している点が特徴です。
加えて、バイクの取得を可能にするモビリティファイナンス事業も展開しています。
展開地域は、日本(本社は東京都文京区)に加えて、タンザニア、ウガンダ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、ケニアのアフリカ6カ国。従業員数は300名(2025年12月時点)と公表されています。
東アフリカから南部・西部・中部アフリカへと面を広げてきた同社の歩みは、「現地市場で事業を立ち上げ、持続的に成長させる」というパネルの論点そのものを体現しています。
もう一社のパネリストは、ヤマハ発動機株式会社 経営戦略本部 新事業開発統括部 MSB 部長の松本弘氏です。
MSB(モビリティサービスビジネス)は、同社が保有するモビリティを管理運用する「モビリティアセットマネジメント」と、専用開発したITシステムを運用する「ラストマイルデリバリー事業」を柱としています。
公式サイトによれば、展開国はインド、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニアで、タンザニアでは「CourieMate Tanzania」の名称でラストマイルデリバリー事業を手がけています。
「モビリティのニーズは、所有から使用へと変化しています」という基本方針のもと、モビリティへのアクセス向上を通じた社会課題の解決を目指す事業です。
大手メーカーの新規事業としてアフリカ市場に取り組むヤマハ発動機と、スタートアップとして現地に根を張ってきたWASSHA。異なる立場の二社が同じテーブルで語る構成は、自社がどちらの型に近いかを考える材料になります。
新興国金融に挑むファルスがキーノート
キーノートスピーチを務めるのは、ファルス株式会社 代表取締役であり、株式会社フィル・カンパニー 取締役会長でもある髙橋伸彰氏です。演題は「開発途上国における社会課題解決ビジネスの可能性」。パネルディスカッションにもパネリストとして参加します。
髙橋氏は、駐車場の未利用空間を活用する事業を展開する株式会社フィル・カンパニーの共同創業者で、同社を2016年11月に東証マザーズ(当時)へ上場させた経歴を持ちます。
その後、2020年にファルス株式会社を創業し、新興国で金融とテクノロジーを活用した社会課題解決に取り組んでいます。髙橋氏は公開インタビューのなかで、カンボジアの農業系金融ビジネスを中心に、ラオスやミャンマー、そしてアフリカのケニアなどでも、各国の文化に合わせた融資事業を展開していると語っています。
日本で事業を立ち上げて上場まで導いた経験と、その後に新興国の金融という難度の高い領域へ踏み込んだ経験。
この二つを併せ持つ登壇者から「開発途上国における社会課題解決ビジネスの可能性」が語られることは、アフリカを含む新興国市場での事業化を検討している企業にとって、示唆に富む内容になりそうです。
なお本イベントは、東京都が実施する「開発途上国の社会課題解決に資するスタートアップ支援事業」の第3回支援機構イベントとして開催されます。
東京都主催のGlobalXpander Tokyoは、開発途上国でビジネス化を目指すスタートアップの成長を促進し、グローバル展開を後押しするプログラムです。
行政が旗を振る支援プログラムのなかで、実際に現地で事業を回している当事者を招いて知見を共有する構成になっており、公的支援と民間の実務が接続する場としての性格も持っています。運営事務局は合同会社デロイト トーマツが担当しています。
参加無料・先着50名、会場参加のみ
当日は、会場で登壇者や参加者同士が直接交流できるネットワーキングの時間も用意されています。プログラムは、オープニング、キーノートスピーチ、パネルディスカッション、登壇者・イベント参加者のネットワーキングという流れで進行します。
注意したいのは、本イベントが会場参加のみで、オンライン配信が予定されていない点です。定員は先着50名程度、申込期限は2026年9月3日(木)正午に設定されています。
開発途上国での事業展開、社会課題解決型ビジネス、企業連携・事業連携に関心のある方にとっては、実践的な学びとつながりを同時に得られる貴重な機会となります。関心のある方は早めの申し込みをおすすめします。
会場となるTokyo Innovation Base(TIB)は、東京都が丸の内に設置したスタートアップ支援拠点です。イベント当日は2階のROOMが会場となります。JR東京駅・有楽町駅、東京メトロ各線からアクセスしやすい立地で、仕事帰りにも立ち寄りやすい時間設定になっています。
イベント概要
- 名称:GlobalXpander Tokyo 第3回支援機構イベント
- テーマ:社会課題解決を“持続可能なビジネス”にするためには
- 日時:2026年9月3日(木)17:00〜19:00(受付開始 16:30)
- 会場:Tokyo Innovation Base(TIB)2階 ROOM/〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-8-3(Sushi Tech Square 2階)
- 形式:会場参加のみ(オンライン配信なし)
- 参加費:無料
- 定員:先着50名程度
- 対象者:開発途上国における社会課題解決やビジネス展開、事業連携等に関心をお持ちの方
- 申込期限:2026年9月3日(木)正午
- 申込:
- 詳細:
- 会場アクセス:
プログラム
- オープニング(事務局)
- キーノートスピーチ「開発途上国における社会課題解決ビジネスの可能性」/髙橋伸彰 氏(ファルス株式会社 代表取締役、株式会社フィル・カンパニー 取締役会長)
- パネルディスカッション「社会課題解決を“持続可能なビジネス”にするには」
- パネリスト:髙橋伸彰 氏(ファルス株式会社 代表取締役、株式会社フィル・カンパニー 取締役会長)
- パネリスト:秋田智司 氏(WASSHA株式会社 代表取締役CEO)
- パネリスト:松本弘 氏(ヤマハ発動機株式会社 経営戦略本部 新事業開発統括部 MSB 部長)
- モデレーター:武藤康平 氏(株式会社Double Feather Partners 代表取締役)
- 登壇者・イベント参加者のネットワーキング
お問い合わせ GlobalXpander Tokyo 運営事務局(合同会社デロイト トーマツ) /Tel: 03-6213-1251(平日 9:30〜17:30)















