シエラレオネに未来を!国連WFPの米増産事業が切り開く、農家の新たな希望の物語!

シエラレオネはかつて西アフリカ最大の米輸出国でしたが、現在は十分な量を自給できていません。農地の有効活用に関するノウハウを広めるため、日本政府の支援を通じて国連WFPが米増産事業を実施し、多くの農家が豊作に恵まれました。この事業内容と成功したポイントを農家の事例を通じてご紹介します。

米の収穫量が2倍に!2年間で家まで建てた農家!

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アフリカ西部に位置するシエラレオネでは、全国民の7割以上が農業に従事しています。マシメラ郡で米作りをするウスマン・カヌさんは、新しく建てた家の玄関先に妻と幼い息子とともに座っていました。「この家は昨年の11月に建て始めたんだ、2度の収穫を経て貯めたお金をつかってね」と彼は言うと、立ちあがって家の周りを歩きながら、嬉しそうにこれから寝室や台所になるまだ建設途中の部屋の間取りを説明してくれました。

「農業は順調だよ」と彼は続けます。「以前は自分の家族が食べるのにやっと足りるくらいの米しかできなかったのが、ここのところはもっと収穫できるようになったよ。収穫が終わると自分たちに必要な分をとっておいて、市場で売るんだ」。日本の支援により国連WFPがシエラレオネで実施している、農民たちに耕作可能な沼地の効果的な利用法を教え事業にウスマンさんが参加してからの2年。ウスマンさんの畑の収穫量は2倍になったといいます。

少なく植え、多く収穫する!

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ウスマンさんは現在、5キロの種籾を使って米8袋(800キロ)分を収穫することができています。以前は25キロの種籾から米400キロしか採れませんでした。

事業が実施される前のマシメラ郡とブヤ・ロメンデ郡の米の平均収穫量は、1ヘクタールにつき1トンでした。2014年に農家が研修を受け、生産量は86パーセント増に。2015年、事業開始から2度目の収穫では、生産量はさらに4割増え1ヘクタールあたり2.6トンに増えました。地域農業コーディネーターであるアマド・バングラは「今年はきっともっと増えると僕らは踏んでいる」と話しています。

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この目覚しい成果は毎月行われる農業技術指導によるものです。農家は放置された肥沃な土をより効果的に開墾する術を学び、広大な荒地は0.2ヘクタールずつにわけられ、一世帯が一区画を受け持つこととなりました。以前はただ種を適当に蒔いていたのを、苗床を準備し、20センチから25センチずつ空け列に植えることによって、無駄を減らすことに成功しました。

この事業ではまず、農家が種籾6キロと肥料60キロをもらうところからスタートし、肥料の使い方や収穫すべき時期などを学びます。研修を受ける前は農民たちはただ穀物が乾燥するまで無駄に待ちすぎていたこともありました。もう収穫が望めない時期に田植えを開始していたこともあります。バングラが言うように「農家はどうやったら自分たちの農地を最も効果的に使えるかということを知らなかった」のが問題でした。

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