アフリカ経済全体が大低迷!好転の兆しが見える中、世界銀行は農業セクターの可能性を示唆!

サブサハラ以南アフリカの経済成長率は、2016年は更に落ち込み、20数年ぶりの低水準となる1.6%となる見通しであることが、世界銀行が半年に一度アフリカ経済の動向と分析を行う報告「アフリカの鼓動」によって明らかになりました。一方で、年率平均6%以上の成長を記録し続ける国もあり、アフリカ諸国は今後、低迷する一次産品価格への対応、経済の脆弱性の解消、持続可能かつ包摂的な成長源の新規開拓のために、直ちに対策をとる必要があると結論付けています。

アフリカ経済全体は20年ぶりの低水準!国によって明暗が分かれる!

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半期に一度アフリカ経済の動向と分析を行う世界銀行の報告「アフリカの鼓動」によると、サブサハラ以南アフリカの経済成長率は2015年に3%まで減速しましたが、2016年は更に落ち込み、20数年ぶりの低水準となる1.6%となる見通しとなりました域内全体の大幅な成長減速の背景には、域内の経済大国や一次産品輸出国の厳しい経済状況があります。こうした国々の多くは依然として、一次産品価格の低迷、財政の逼迫、国内の政情不安といった逆風に直面しています。

ただ、経済活動は石油輸出国全般にわたり著しく低調ではあるものの、域内諸国の約4分の1が経済成長率回復に向け確かな兆候を見せつつあります。多くの国で経済成長率が大幅に鈍化している一方で、エチオピア、ルワンダ、タンザニアなど年率平均6%以上の成長を記録し続けています。国によってそれぞれに成長率が異なるため成長の様相は均一ではなく、特にコートジボワールやセネガルなどが活況です。

アルバート・ズーファック世界銀行アフリカ地域総局チーフ・エコノミストは、「厳しい状況下でも成長を続ける国々の特徴は、強靭なマクロ経済政策の枠組み、健全なビジネス規制環境、多角的な輸出構造、効率的な組織・制度を備えている事だと我々は見ている。」と指摘しています。

2017年には好転!厳しい外部環境を乗り越えられるか!?

一次産品価格は最近になって好転してきましたが、グローバル経済の回復の遅れから、最高水準だった2011~14年を大きく下回る状態が続くと考えられています。資金ニーズの高まりを受け、一次産品輸出国は調整に乗り出し始めていますが、対策にはばらつきがあり十分とは言えません。この様な状況の中、サブサハラ以南アフリカの実質GDP成長率はやや上向き、2017年に2.9%、2018年にはさらに上昇して3.6%になると予想されています。

「アフリカの鼓動」は、2017年も引き続き、域内の経済状況には国によるばらつきが見られると分析しています。域内の経済大国や一次産品輸出国のGDP成長率は、一次産品価格の落ち着きが続く中、小幅な伸びを示すと見られています。それ以外の国々の経済活動も、インフラ投資にも支えられ大幅な拡大を続ける見込みです。

また厳しい外的環境が続く中、いくつかの国では、財政・経常赤字を抑制し政策バッファーを取り戻すためには、より踏み込んだ調整が必要となるとも指摘しています。加えて同報告は、各国がマクロ経済政策の調整と平行して、中期的な成長の可能性を高めるため構造改革を加速させる必要があるとも指摘しています。

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