ジンバブエ発!ペガラジャパンの「BirdShield AI」がUNDPのデジタルカタログに掲載!

ペガラジャパン合同会社(Pegara)が開発する鳥害・鳥獣害対策のAIソリューション「BirdShield AI」が、国連開発計画(UNDP)の運営するグローバルプラットフォーム「Digital X Solution Catalogue」に掲載されました。

ジンバブエでの実証を経て、農家の負担軽減や女性の経済参加促進といった社会的インパクトが確認されており、スケーラブルで非致死的なアプローチとして国際的に評価されています。さらに、アフリカで培った知見を日本の漁業現場に還元するリバースイノベーションとしても注目を集めています。

世界共通の課題、鳥獣害の深刻な影響

農作物や水産資源に深刻な被害をもたらす鳥獣害は、アフリカやアジアをはじめ、世界中の地域社会が向き合う共通の課題です。

小規模農家が主体の農村部では、鳥の大量飛来によって穀物が食い荒らされ、収穫量が激減するケースが後を絶ちません。こうした被害は単なる経済的損失にとどまらず、食料安全保障の根幹を揺るがし、農漁業従事者とその家族の生活を脅かす問題でもあります。

国連開発計画(UNDP)は「Digital X」プログラムを通じて、こうした社会課題の解決に資するデジタルソリューションを世界各地から発掘・支援し、各国政府やUNDP事務所との連携によってスケールさせる取り組みを進めています。

「Digital X Solution Catalogue」はその一環として設立されたプラットフォームであり、世界各地の実証済みのデジタルソリューションを収集・可視化し、UNDP事務所や各国政府とのマッチングとスケール支援を行うためのカタログです。

UNDPのChief Digital Officeが運営する「Partnerships for Scale Program」の中核を担う仕組みとして、マルチカントリー展開や制度組み込みを前提としたソリューションを世界に発信しています。

こうした国際的な枠組みの中で、日本発のAIスタートアップであるPegaraの取り組みが注目を集めています。

AIとドローンで実現する新しい鳥害対策

BirdShield AIは、AI・ドローン・現場からの通報データを組み合わせたモジュール型のソリューションです。その仕組みは、現場の農家や普及員がスマートフォンなどから鳥の飛来情報を簡易なインターフェースで報告するところから始まります。

報告されたデータはクラウドに集約され、生成AIモデルとドローン観測によって「危険度の高いエリア」のリアルタイムなリスクマップが生成されます。

そして、高リスクと判定されたエリアに対してのみ、AI搭載ドローンが捕食者音などを用いて非致死的に鳥を追い払います。

従来の鳥害対策では、毒性の強い薬剤散布や、農家が長時間にわたって行う人力での追い払い作業が主流でした。薬剤散布は環境負荷が高く、特定の種以外にも影響が及ぶリスクがあります。

また、人力での追い払いは労働集約的であり、農家、とりわけ女性や子どもたちの時間と体力を大きく消耗させてきました。

BirdShield AIはこうした課題に対し、環境負荷が低く、費用対効果が高く、特定種に限定されない「スケーラブルで再現性の高い」アプローチを提供します。

UNDPのカタログには「Scalable, non-lethal AI-powered early-warning system for global bird-related crop damage(鳥害に対するスケーラブルで非致死的なAI早期警戒システム)」として掲載されており、グローバルな展開可能性が高く評価されています。

ジンバブエ実証が生んだ社会的インパクト

BirdShield AIは、UNDPジンバブエおよび現地政府機関との連携のもと、小規模穀物農家にとって大きな脅威となっているQuelea(クエリア)鳥の対策としてフィールド実証が行われました。

クエリアはアフリカ南部を中心に生息する小型の鳥で、大群で穀物畑に押し寄せることから「アフリカの羽のあるイナゴ」とも呼ばれる存在です。

農村地域では、毎日長時間にわたる鳥追い作業が農家の日常を占領し、特に女性や子どもたちに多大な時間的・体力的負担を強いてきました。

実証の結果、コミュニティの聞き取り調査や現地観察を通じて、農家世帯がこれまで手作業の鳥追いに費やしていた時間を大幅に削減できることが確認されています。浮いた時間は、女性の収入創出活動や子どもの学習時間に充てられるようになりました。

こうした成果は、SDGsの「質の高い教育(目標4)」「ジェンダー平等(目標5)」「飢餓をゼロに(目標2)」への貢献として位置づけられています。

鳥害対策という技術的な課題解決が、教育・ジェンダー・食料安全保障という広範な社会的インパクトへと連鎖するモデルケースとして、国際社会からの注目を集めています。

日本の漁業へ還元するリバースイノベーション

BirdShield AIの応用は、アフリカの農業現場にとどまりません。ジンバブエでの鳥害対策を通じて蓄積されたデータとAIモデルを活かし、日本国内の漁業現場における鳥獣害対策への応用も進んでいます。

日本の水域ではカモ類などによる漁業被害が課題となっており、BirdShield AIで培った技術をこの領域へ転用することで、「グローバルサウスで生まれたソリューションを日本の課題解決に生かす」リバースイノベーションとしての展開を目指しています。

通常、先進国で開発された技術が途上国に移転されるイノベーションの流れとは逆に、アフリカの現場から生まれた知見や技術が日本に還元されるこのアプローチは、国際的な文脈においても先進的な事例として評価されています。

ペガラジャパン代表社員の市原俊亮氏は「世界中で、人と野生動物の衝突―鳥獣害による農業や漁業への被害―が起きています。我々はこの課題に対し、テクノロジーで『人と自然が共に生きる』新しい形をつくるAIソリューションを開発してきました」と述べ、テクノロジーが人と自然の関係をよりよくする未来の実現に向けた意欲を示しています。

UNDPのグローバルカタログへの掲載は、Pegaraのこうした挑戦が国際社会に認められた大きな一歩と言えるでしょう。


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