株式会社SynecOは2025年12月5日、独立行政法人国際協力機構(JICA)と、開発途上国における生態系の回復・拡張および持続可能な食料生産の確立を目的とした業務連携・協力の覚書を締結しました。
本覚書には株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所および一般社団法人シネコカルチャーも共同署名しており、SynecOが推進する拡張生態系の考え方に基づいた農法「Synecoculture(シネコカルチャー)」の国際的な展開を後押しする重要な節目となります。
両者は既にセネガルやカメルーンで実証活動を進めており、TICAD9のサイドイベント共催など、現地課題に即した協働を積み重ねてきました。
今回の覚書締結により、開発途上国が抱える農業と環境保全の両立という課題に対し、中長期的な視点で実効性ある取り組みが進むことが期待されています。
Synecoculture普及へJICAとの連携を強化
株式会社SynecOは、人間活動と豊かな自然環境の両立をめざし、拡張生態系の概念を基盤とする新しい農法「Synecoculture(シネコカルチャー)」の社会実装を推進しています。
Synecocultureとは、生態系が本来備える自己組織化能力を多面的・総合的に活用しながら有用植物を生産する農法であり、食料生産のみならず環境や健康への影響も包括的に捉えた立体的な生態系活用法です。
今回SynecOがJICAと締結した業務連携・協力の覚書は、このSynecocultureを開発途上国において本格的に普及させるための枠組みづくりを目的としています。
同覚書には株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、一般社団法人シネコカルチャーも共同署名し、研究・実装・普及の三位一体で国際的な取り組みを強化します。
JICAは2023年に改訂された開発協力大綱で「民間企業など多様な主体との共創」を重視しており、本覚書はその理念を体現するものと位置づけられています。
SynecOの技術知見とJICAの現場ネットワークを組み合わせることで、開発途上国の農業課題に対し、より確かな成果をもたらす実行力が期待されています。
セネガルとカメルーンで生態系回復の実証を推進
SynecOとJICAは2024年度から、農業生産性の向上と生態系保全の両立をめざしてSynecoculture導入の検討を開始し、2025年度にはセネガルおよびカメルーンで具体的な実証活動を進めています。
セネガルでは、乾燥が強い土地柄に加え、過剰な水利用をともなう単一耕作が長年続いた結果、生態系および土壌の劣化が深刻化していました。
そこでSynecocultureを導入し、生態系機能と水循環を改善させながら持続可能性の高い農業生産を行う取り組みが始まっています。現地では雨季の開始に合わせ、多様な種子を混播する作業が進められています。
一方、カメルーンではカカオ農園における持続可能な生産体制の構築が課題となっていました。Synecocultureの考え方を農園内の下層植生に導入し、有用植物を栽培することで農家の生計向上につなげるとともに、カカオ生産の長期的な持続性を確保する狙いがあります。
これらの実証活動は、地域の環境を再生しながら農業生産性を高めるというSynecocultureの価値を示す重要な試みであり、現地の状況に応じた柔軟な方法論が求められています。
TICAD9を経て中長期の共創体制を構築へ
SynecOとJICAは2025年8月、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のサイドイベント「自然再興と土地劣化中立社会への変革 ~生態系拡張アプローチからの提案~」を共催し、Synecocultureを含む農業を通じたネイチャーポジティブ社会の実現可能性について発表と議論を行いました。
この場ではアフリカ諸国の乾燥地や熱帯林が抱える課題に対して、生態系再興を軸としたレジリエントな農業の方向性が示され、将来の国際協力のあり方を考える重要な機会となりました。
今回の覚書締結は、こうした一連の協働実績を踏まえ、開発途上国の農業と環境保全に中長期的に貢献するための制度的枠組みを整えるものです。
SynecOの舩橋真俊代表取締役社長は、Synecocultureの広範な展開には長期的視点に立った実行力と、自然と社会を持続的につなぐ制度構築、さらに関係組織を跨ぐガバナンスの質が不可欠であると強調しました。
JICAが持つ高度で透明性の高いガバナンスと現地ネットワークは、これらの実現において大きな推進力となると期待されています。
今後、SynecOはJICAとの連携を軸に多様なパートナーとの共創をさらに進め、国境を越えて持続可能な社会の実現に寄与していく考えです。
- 記事提供元:株式会社SynecOが、独立行政法人国際協力機構(JICA)との業務連携・協力の覚書を締結|PR TIMES
















