ブルキナファソの魔女に会いに行ってみた。〜アフリカの「魔女」と悲しい現実〜

―そもそも村を追い出された女性はどうしてワガドゥグに来るんですか?

「大都市だからですよ。ワガドゥグにはいろいろな所から来た人がたくさんいますね。ワガドゥグまで来れば自分を『魔女』だと知る人はいませんから。だから、皆ワガドゥグを目指すのです。」

追い出された「魔女」が近くの村へ逃げても、そこの村人も彼女が「魔女」だということを知っている。また例え遠くの村へ行ったとしても、そこはいわゆる「ムラ社会」なわけで、突然何の前触れもなく歩いてきた身寄りのないどうやらワケアリの女性を受け入れるのは難しいだろう。どうせ遠くへ行くなら首都へ行こうということだ。

―もといた村に戻れる女性はいるんですか?

「彼女たちが村に帰る可能性ですか?それは絶対ありえません。(家族が納得したとしても)村中を納得させなければいけませんから。」

一度「魔女」とされた女性は二度と故郷の村へ帰れないという。

―この問題の解決策は、やっぱり教育、正しい知識の普及ですか?

「ええ、実際、カトリックの宣教団体や女性の人権向上のNGO組織などが村落でこの風習をやめさせる教育活動をしています。それに、やはり法規制が必要でしょう。魔女を禁止する法律はありませんから。魔女認定の儀式をしたとしても誰も何の罪にも問われないんです。これはおかしいでしょう。現在我々は社会行動・連帯省に請願をしていますし、ここを訪れる国会議員にもその都度働きかけをしています。政治的な意思があれば変化は可能です。実際ここの周辺の住民も意識が変わりました。以前は皆怖がって、施設に近寄る人もいませんでしたが、今では皆『魔女』を信じる人などいません。今は朝七時に来れば施設の中に市場も開かれます。女性の紡ぐコットンを売買する業者も来ます。多くのことが変わりました。人々の意識は変わると、私たちは希望を持っています。」

本来互いに助け合うべき地域コミュニティが「魔女」とされた彼女たちの悲劇の原因だというのだから、余計に残酷な話である。牧歌的でのどかな村落のイメージだけでは語れない「ムラ社会」の裏の一面があった。

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*センターは「写真NG」でした。センター内部の雰囲気はリンクをご覧ください。

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