ソニーの子会社『ソニー・ミュージック・エンタテインメント(SME)』は、長期戦略の1つとしてアフリカ地域を主要市場と捉え、複数のオフィスを展開することを発表しました。西アフリカ地域の音楽ビジネスの拠点としてナイジェリアの首都ラゴスに事務所を開設し、東アフリカ地域においてはケニアの首都ナイロビに事務所を構える計画です。
アフリカで高まるモバイル向け音楽コンテンツ市場
アフリカでは近年、モバイル向け付加価値サービス(VAS)市場に注目が集まっており、様々な通信会社がコンテンツに力を入れています。東アフリカのケニア最大のモバイル通信会社のサファリコム(Safaricom)では、1000万人にも上るユーザーが同社の着メロ・着うたコンテンツ(Coloring Ring Back Tone:CRBT)を利用しています。これはケニアの人口の4人に1人が利用している計算になります。一方、西アフリカ地域ではナイジェリアのモバイル通信会社MTNで音楽コンテンツが利用可能となっています。
アフリカの音楽業界で更なるプレゼンス向上を目指す!
ソニーミュージックは、これまで南アフリカのヨハネスブルグとケープタウンの2拠点でアフリカ全体を管轄してきました。パートナー企業であるVevo、You Tube、AppleのiTunesなどへ音楽コンテンツの配信で収益をあげており、アフリカの音楽業界ではリーダー的存在としての位置を築いてます。
拡大するアフリカの音楽市場で更なるプレゼンス向上を狙い、新たに2拠点を開設することでビジネス強化を図っていきます。西アフリカの拠点として開設したのが、ナイジェリアの首都ラゴスのオフィスです。オフィスオープンの際には、ナイジェリアの人気歌手”Davido”と世界デビューを目指した契約を結んだことを発表し、大きな話題となりました。東アフリカ地域ではケニアの首都ナイロビに拠点を構える予定です。地元のアーティストとの提携に力をいれ、既にケニアの人気レゲエアーティスト”Redsan”とはパートナー署名を取り交わしています。
ソニーミュージックが考えるアフリカの音楽市場とは
ソニーミュージックインターナショナルのヨーロッパ・アフリカ地域の代表であるアダム氏は「拡大し続けているアフリカの音楽市場は、長期的な戦略地域と考えています。アフリカのローカルには信じられないほど才能が眠っています。それはソニーミュージックのコンテンツを拡大する重要なチャンスであり、それを新興国のデジタルプラットフォームに活用していく貴重な機会です 」と述べています。
またマネージングダイレクターのシーン・ワトソン氏は「私たちはアフリカの地域に眠るアーティスト達が世界的な成功を手にすることを本気で目指しています。サブサハラ以南アフリカは8億人が暮らす巨大で、ポテンシャル溢れるマーケットです。国境越えて大きく広がっていくでしょう!」とコメントしています。
引用元:SMEプレスリリース
Photo credit: Lucy-Lamb. via Visual Hunt / CC BY-NC-ND