2025年に回復したアフリカ・スタートアップ資金動向の全体像!

2025年のアフリカ・スタートアップ市場は、2022年以降続いていた調整局面を抜け、明確な回復局面に入りました。

年間の資金調達総額は32億ドルに達し、前年比で40%増と大きく伸長しています。一方で、資金が集まる国やステージには偏りが残り、エコシステムの「量」ではなく「質」がより強く問われる局面に移行しました。

本記事では、Africa: The Big Dealが公表した2025年データをもとに、アフリカ・スタートアップ市場の現在地を整理します。

資金総額は回復、集中構造は継続

2025年のアフリカ全体のスタートアップ資金調達総額は32億ドルに達し、前年比で40%増となりました。これは2022年から2024年にかけて続いていた調整局面を明確に脱したことを示しており、金額ベースでは2023年を上回る水準まで回復しています。


画像引用元:Africa: The Big Deal

しかし、資金の分布構造に目を向けると、大きな変化は見られていません。2025年も調達額全体の82%は、エジプトケニアナイジェリア南アフリカのいわゆるBig4に集中しています。

この比率は2023年の84%、2024年とほぼ同水準であり、2019年以降、資金集中の構造自体に大きな変化は確認されていません。

Big4はアフリカ全体の名目GDPの約40%、人口の約30%を占めていますが、それ以上に重要なのは、スタートアップ・エコシステムとしての成熟度です。

2025年に1,000万ドル以上を調達したスタートアップの81%がBig4に本社を置いており、大型ラウンドは引き続き限られた国で成立しています。


画像引用元:Africa: The Big Deal

これらの国では、起業家の経験、投資家層の厚み、法制度、EXIT事例の蓄積といった要素が時間をかけて形成されてきました。その結果として、大型案件が集中する構造は、短期的に変わるものではない状況が続いています。

初期分散と後期集中の二層化

一方で、成長初期の資金調達に注目すると、異なる動きが確認できます。2025年に10万ドルから100万ドルを調達したスタートアップのうち、Big4に拠点を置く企業は56%にとどまりました。

この比率は2021年の75%から大きく低下しており、起業活動そのものがBig4以外の国にも広がっていることを示しています。アフリカ各国で、より小規模で初期段階のスタートアップが生まれやすくなっている状況が、データから読み取れます。

しかし、その後のスケール段階に進む企業は依然としてBig4に集中しています。


画像引用元:Africa: The Big Deal

結果として、アフリカのスタートアップ市場は、初期段階では地理的に分散しつつも、後期段階では資金と案件が限られた国に集中するという二層構造を強めています。

この構造は、単に資金の有無だけでなく、成長段階ごとに求められる経営人材、投資家ネットワーク、制度環境の違いが影響していることを示しています。

初期フェーズでは比較的広い地域で起業が可能になった一方、事業を拡大し大規模な資金調達を行う段階では、依然としてBig4が中心的な役割を果たしている状況が続いています。

アフリカ国別に見える市場の質的差

国別に見ると、2025年のエコシステムの質的な違いがより明確に表れています。

ケニアは約10億ドルを調達し、アフリカ最大の資金調達国となりました。特徴的なのは、資金の60%がデットで構成されている点です。オフグリッド電力や分散型エネルギー分野において、事業モデルが一定程度確立した企業が大型のデットを活用して成長を加速させています。

一方で、10万ドル以上を調達したスタートアップ数は前年比で▲23%と、Big4の中で最も大きな落ち込みを記録しました。

南アフリカは約6億ドルを調達し、その90%以上がエクイティでした。Big4の中で総額、エクイティ、件数のすべてで前年比成長を達成した唯一の国であり、VC主導型の投資環境が機能していることが示されています。

ナイジェリアは前年比▲17%と資金総額が減少し、Big4で唯一のマイナス成長となりましたが、10万ドル以上を調達したスタートアップ数は86社と最多でした。これは、大型投資は減少したものの、起業活動自体が停滞していないことを示しています。

また、Big4以外では、セネガルやベナンが単発の大型案件によって上位に浮上する一方、ガーナやモロッコのように、件数ベースで持続的なエコシステム形成が進む国も確認されています。


画像引用元:Africa: The Big Deal

これらの動きは、アフリカのスタートアップ市場が一様ではなく、国ごとに異なる発展段階にあることを明確に示しています。

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 アクセルアフリカについて

『日本とアフリカ諸国を繋ぎ、社会課題解決型ビジネスを共創することで、アフリカの持続的成長に貢献する』をビジョンに日本企業のアフリカへのビジネス進出や現地での事業開発をサポートする日系コンサルティング会社です。

ケニアに事務所及びコミュニティハウスを持ち、アフリカの主要国をカバーしています。アフリカでの事業展開についてお悩みの方はぜひお気軽にご連絡ください。

 Africa Quest.comでも連載中!

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