関西ペイントは、連結子会社で南アフリカ共和国に拠点を置くカンサイ・プラスコン・アフリカ(KPAL社)が、東アフリカ地域において塗料最大手であるSadolinグループの株式を取得したと、2017年2月8日に発表しました。成長著しい東アフリカ市場で事業基盤を固めるとともに、アフリカ全体でのさらなる事業拡大を図ります。
塗料メーカー日本最大手、関西ペイント!アフリカ市場開拓を狙う!
関西ペイントは大阪に本社を置く総合塗料の製造販売企業です。現在、日本の塗料業界では1位の売上げを誇ります。海外売上高比率も57%と高く、約50カ国で事業展開しています。2015年時点で、塗料業界世界ランキング9位、自動車塗料は世界トップ5に入るグローバル総合塗料メーカーです。
関西ペイントは中期経営計画に基づいて、グローバル化の加速を重点施策として掲げ、既存市場での事業拡大・強化に加え、新規市場・分野への参入を積極的に進めています。特にアフリカは人口増加に加え、経済成長に伴う一人当たり塗料使用量の増加などにより、中 長期的に塗料需要の拡大が最も期待されるマーケットです。
関西ペイントは欧米の塗料大手企業に先駆け、アフリカで企業買収を始めました。2011年、南アフリカの塗料最大手企業であるカンサイ・プラスコン・アフリカ(当時:フリーワールド・コーティングス)を買収しました。まずはアフリカ南部をコア地域として地盤を固めるため、続いて2012年にはジンバブエの塗料・化学品製造大手アストラ・インダストリーズも買収しました。
16年3月期で関西ペイントのアフリカ地域の連結売上高は約295億円まで成長し、アフリカの建築用塗料市場で約4割のシェアを持つまでに拡大しました。2017年3月期の通期予想は350億円であり、さらなる業績拡大を見込んでいます。
次なるマーケットは東アフリカ!地域最大企業を買収!
関西ペイントは次なる戦略地域を東アフリカに定め、KPAL社が東アフリカ地域の塗料大手企業Sadolinグループの株式を100%取得したと発表しました。関西ペイントの中期経営計画では、東アフリカは成長性が高く規模拡大の期待が大きい重要な地域と位置づけられています。現在、東アフリカ経済は堅調に推移しており、建築塗料を中心に塗料需要は着実に伸びていくと期待されています。
日本経済新聞によると、東部の建築用塗料の市場規模は300億円とされています。1人当たりGDPが1,000USドルに到達すると、建築塗料の需要が拡大し、1人当たりGDPが3,000USドルに到達すると、モータリゼーションが始まり、自動車塗料の需要が拡大する傾向にあります。 関西ペイントの最大分野は建築用の塗料市場ですが、欧米自動車メーカーへの事業展開しており、今後は自動車塗料の需要も伸びていく見込みです。
KPAL社が買収したSadolin グループは、ウガンダ、ケニア、タンザニアの3カ国を中心に事業展開しており、これらの国々が所属する東アフリカ共同体(EAC)の塗料市場においてトップシェアを有する優良グループです。建築用や工業用塗料の製造・販売を主な事業とし、従業員は約700名、2015 年度の売上高は8,500万USドル(約 96 億円) 営業利益 1,300 万 US$(約 15 億円)です。
関西ペイントは、本株式取得を通じてグループの東アフリカ市場での事業基盤をより強固にすることで、 アフリカ全体での更なる事業拡大・発展を目指します。今後も競争力の強化に向けて積極的に投資を続け、2019年3月期までにアフリカでの売上高を550億円以上に増やす方針です。
【参照元】
【画像元】
- 1st Photo Credit: 関西ペイントHP
- 2nd Photo Credit: 決算説明会 – 関西ペイント
- 3rd Image Photo Credit: aaron.knox via Visualhunt.com / CC BY-NC-SA
- 4th Image Photo Credit: M*rten via Visualhunt / CC BY-NC