富士フイルムは、2014年に西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱の対策として、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」がギニア政府への緊急支援協力の調達物資の1つに採用されたと発表しました。ギニア政府の要請を受け、日本政府が緊急無償資金協力として富士フイルムより約2,000人分を購入し、ギニア政府に提供します。

パンデミックの危険も!?西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱とは!?

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エボラ出血熱は、2014年より西アフリカ地域で猛威を振るった感染症です。世界保健機関 (WHO)は、感染疑い例も含め28,512名が感染し、11,313名が死亡したと発表しています。推定死亡率は70%を越えるとも言われた最恐のウイルスであり、一時はパンデミックの可能性も危惧されました。

エボラ出血熱の流行は、エボラが大流行した西アフリカ3ヶ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)で感染者が確認されなくなったことから、2015年12月に世界保健機構が終息宣言を発表しました。しかし、ギニアにおいて2016年3月に新たなエボラ出血熱の感染者が確認されました。

富士フィルムが開発!抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」とは!?

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今回、ギニア政府に提供されることになった「アビガン錠(アビガン®錠200mg、一般名:ファビピラビル)」は、富士フイルムグループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬です。エボラウイルスに対しても抗ウイルス効果を有するとのマウス実験の結果が公表されており、エボラ出血熱感染拡大の中で、欧州にて複数の患者に緊急対応として投与されました。

さらに仏Inserm(Institut national de la santé et de la recherche médicale)が、2014年12月~2015年5月にかけてギニアの4か所のエボラ治療センターにてエボラ出血熱に対する臨床試験を実施しました。その結果、臨床医学の学術誌「PLOS Medicine」によると、治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群(55名)において、死亡率が3分の2に低下し、「アビガン錠」がエボラ出血熱に対して有望(encouraging)であることが示唆されました。

最終解析結果においてエボラ出血熱の治療に関しても安全性と一定の効果が示唆されたことで、「アビガン錠」はギニア政府より高い評価を受け、エボラ出血熱に対する標準療法として決定しました。

アビガン錠が緊急無償資金協力の調達物資に認定!ギニア政府へ提供!

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一度は終結宣言を出したギニアでしたが、エボラ生存者にはウイルスが長期間残存するため、残存ウイルスが原因と思われるエボラ出血熱の再流行が2016年3月に発生しました。これらの事情から,ギニア政府は今後の再流行の際に「アビガン錠」をエボラ患者の治療に使用したいと日本へ要請を行いました。

これを受け、被災国政府に対して緊急的に実施する無償資金協力である”緊急無償資金協力”の調達物資の1つに富士フィルムの「アビガン剤」を採用しました。日本政府は、富士フイルムより「アビガン錠」約2,000人分を購入し、ギニア政府に提供します。今後、「アビガン錠」は、エボラ出血熱に感染した患者の治療に使用されます。

今回の決定を受け、富士フィルムは「エボラ出血熱の対処に向けて、今後も引き続き、ギニア政府、日本政府と協力していく」とコメントしています。


引用元:富士フィルムプレスリリース/ 外務省 報道資料
1st Photo credit: tymoana via VisualHunt.com / CC BY-NC-SA
3rd Photo credit: UNMEER via Visualhunt / CC BY-ND

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