エーザイ株式会社は、南アフリカのヨハネスブルク市に設立した医薬品販売会社「Eisai Pharmaceuticals Africa (Pty) Ltd.（エーザイ・南アフリカ）」が本格稼働し、アフリカにおいて自社による事業活動を開始しました。
またケニア共和国ナイロビ市にエーザイ・南アフリカの支店も開設しており、今後、東アフリカ共同体（EAC）諸国でも新薬へのアクセス拡大を図っていく予定です。
サブサハラアフリカ地域最大の医薬品市場を誇る南アフリカ
南アフリカは、人口約6,000万人、2022年の実質GDP成長率は1.91％です。(1)
2022 年の医薬品市場は約 34.77 億米ドルとサブサハラアフリカ地域で最大であり、2018-2022 年の平均成長率は現地通貨ベースで 6％を示しています。
南アフリカにおいては、2020年に15,491人が乳がん、2,435人が肝がん、1,305人が甲状腺がんと新たに診断され (2) 、また約68万人がてんかんに罹患していると推定されています(3)。
南アフリカ政府は、 全国民に質の高い保健サービスへのユニバーサルアクセスを保証するため、2012年から2025年にかけて段 階的な国民健康保険（National Health Insurance：NHI）の導入を推進するなど医療体制の再構築に取り組ん でいます。
南アフリカでの事業活動を本格始動へ！
エーザイは、南アフリカのヨハネスブルク市に設立した医薬品販売会社「Eisai Pharmaceuticals Africa (Pty) Ltd.（エーザイ・南アフリカ））」が本格稼働し、アフリカにおいて自社による事業活動を開始しました。
エーザイ・南アフリカは、エーザイの100%子会社となります。
エーザイは南アフリカにおいて2017年から現地パートナー企業を通じて医薬品の販売を開始し、抗がん剤「ハラヴェン(R)」、「レンビマ(R)」、抗てんかん剤「フィコンパ(R)」を販売してきました。
2022年5月、エーザイ・南アフリカを設立し、エーザイ製品の製造販売承認をパートナー企業から承継し、2023年1月より「レンビマ」、「フィコンパ」、2月より「ハラヴェン」の自社販売を開始しました。
また、不眠症治療剤「デエビゴ(R)」については本年6月に新発売を予定しており、これらの製品については、今後エーザイ・南アフリカからナミビア、ボツワナ、ザンビア、ジンバブエなどの南部アフリカ開発共同体（SADC）諸国へも販売を拡大する予定です。
さらに、アルツハイマー病治療薬「レケンビ(R)」についても2023年度中の南アフリカでの承認申請を予定しています。
ケニアにも支店設立で東アフリカでも展開へ！
また、2022年10月にはケニアのナイロビ市にエーザイ・南アフリカの支店（エーザイ・ケニア）も開設しており、今後、ケニアのほか、タンザニアやウガンダといった東アフリカ共同体（EAC）諸国において、現地パートナー企業を通じて「ハラヴェン」や「フィコンパ」などエーザイの新薬へのアクセス拡大を図っていく予定です。
加えて、エーザイ・ケニアは、エーザイが注力する顧みられない熱帯病（Neglected Tropical Diseases : NTDs）やマラリア等のグローバルヘルス分野における重要な現地パートナーであるDrugs for Neglected Diseases initiative（DNDi）や、長崎大学熱帯医学研究所ケニアプロジェクト拠点などの研究機関との連携拠点として、一層の人的ネットワーク拡大および研究開発・アクセスの促進の役割を担う予定です。
アフリカでは急速な経済発展と医療環境の整備に伴い平均寿命が伸長しており、今後、がんや認知症に対する治療ニーズが高まることが想定されます。一方で、蔓延地域に貧困と感染症の負の連鎖をもたらし経済成長の妨げともなりうるNTDsに対する医薬品アクセス向上も喫緊の課題です。
エーザイは、エーザイ・南アフリカおよびエーザイ・ケニアを通じて、アフリカにおけるこれらの課題解決に向けて必要な医薬品を必要とされる患者に届けられるよう、取り組みを続けていきます。
- 記事提供元：エーザイ、南アフリカの医薬品販売子会社が事業活動を本格始動｜エーザイ株式会社 ニュースリリースIQVIA World Review Analyst 2023,
- Data Period 2018-2022 (Copyright ©2024 IQVIA.)をもとに作成。無断転載禁止。
- Cancer Today (accessed on December 8, 2023)
- Epilepsy & Behavior Volume 118, May 2021, 107910 “Epilepsy surgery in Africa: state of the art and challenges”：https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S152550502100144X
