AAIC Investment Pte. Ltd.(以下AAIC)はエジプトのカイロに本社を置き、PBM(薬剤給付管理*1)サービスを展開するYodawy社(ヨダウィ、以下Yodawy)に対し、Africa Innovation & Healthcare Fund(以下、AHF2号)を通じ出資を行ったことを2023年2月9日に発表しました。
アフリカ地域に積極進出するコンサルティング・投資会社、AAICとは⁉
AAICはシンガポールに本社を置く日系コンサルティング企業です。
各国にあるAAICグループ企業を統括するホールディングス会社であるAAIC Holdingsを中心に、戦略コンサルティング・実行支援事業、投資・インキュベーション事業、人材・グローバルネットワーク事業、その他の事業を展開しています。
コンサルティング・事業実行支援事業では、新興国・新分野を中心に成長支援を行う戦略コンサルティングを実施しています。
シンガポール、東京(日本)、上海(中国)、ムンバイ(インド)、ナイロビ(ケニア)、ラゴス(ナイジェリア)、 ヨハネスブルグ(南アフリカ)、キガリ(ルワンダ)など多数の海外拠点を擁し、一気貫通のコンサルティングサービスを提供しています。
また、日系コンサルティングファームとしては珍しく、特にアフリカ地域に注力しています。
投資・インキュベーション事業では、新興国、新分野を中心に自己資金投資およびファンド投資・CVC運営等を通じた成長支援を実施しています。
ファンド投資では、イノベーションをもたらすスタートアップ・成長企業に資本・知恵・人材を通じた事業のスケールアップ・成長加速を支援し、スタートアップエコシステムの発展に貢献しています。
その他にも、人材のグローバルネットワーク事業、ルワンダにおけるマカダミアナッツの農園・加工事業の運営、メディア・コンテンツ事業など、幅広い事業を展開しています。
ヘルスケアプラットフォームを運営、エジプトのヘルステックYodawyとは?
Yodawyは、患者が医薬品を簡単かつ手頃な価格で入手することのできるヘルスケアプラットフォームを運営しています。
同社は戦略コンサルティングファームやソフトウェアエンジニアとして経験を積んだエジプト出身の3名によって2018年に創業されました。
エジプトでは、処方箋や保険請求書の 90%以上が手書きで行われているため、薬局では長蛇の列が見られます。
また保険会社では共有されたデータの入力ミスによる未払いなど非効率が散見され、投薬順守率にも影響を与えています。
Yodawy は保険会社20社、薬局3,000店舗以上、法人顧客300社と提携し、PBM 事業を展開し、処方箋のデジタル化、保険処理の自動化、薬の配送のスピードアップ等を実現しています。
同社はまた、毎月処方箋を自動で配送するプログラムであるYodawy Care Programも運営しています。
Africa Innovation & Healthcare Fund(AHF2号)の詳細!
Africa Innovation & Healthcare Fundは、AAICの運用する投資ファンドです。
2017年に設立されたAfrica Healthcare Fund (AHF1号) では、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、エジプトの4か国を中心に、医療・ヘルスケア領域のスタートアップ30社に対して投資を実施しました。
2022年3月末にファースト・クローズとなった Africa Innovation and Healthcare Fund (AHF2号)では、投資対象コクをアフリカ全土とその周辺国に拡大し、医療・ヘルスケア領域のみならず社会インフラを支えるテクノロジー企業にも投資を実施します。
今回AAICは、AHF2号を通じ、Yodawy の特に慢性疾患の患者向けサービスの成長、及び他国展開を支援することを目的に同社に出資しました。
今回の調達により同社の累計調達額は2450万USDに達し、エジプトを主な事業展開国とするヘルスケアスタートアップとしては2番目(*2)の規模になります。
*1:Pharmacy Benefit Management(薬剤給付管理)。保険者、製薬企業、医薬品卸、薬局、医療機関、患者といった様々な利害関係者の間に立って、医薬品のコストや薬物治療管理の観点から薬剤給付の適正マネジメントを行うこと。
*2:AAIC 調べ。トップは UAE に本社を持つ Vezeeta 社。