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国際協力機構(JICA)は、2017年1月16日、モロッコ王国の首都ラバトにて国立漁業研究所と「海洋・漁業調査船建造事業」を対象とした最大53億7,100万円の円借款貸付契約に調印しました。日本の造船技術を活用した調査船を新たに建造するこで、モロッコ水産業の持続的な発展への貢献を目指します。

優良漁業が多数!モロッコ経済を支える水産業!

アフリカ北東部に位置するモロッコ王国は、国土面積は日本の約1.2倍に当たる約44.6万平方キロメートルで、約3,438万人の人口を抱えています。モロッコ経済はオリーブ栽培を中心とする農業とリン鉱石を中心とする鉱業、タコ・イカなどの水産業が中心産業であり、2015年時点の国民総所得(GNI)は3,040ドルとアフリカ諸国の中では高い水準となっています。

その中でモロッコは大西洋に面した優良漁場を数多く有しており、水産業は外貨獲得や雇用創出の点から重要な産業となっています。水産セクターは輸出総額の約5%を占め、日本にもタコ・イカ・マグロなどを輸出しています。

ただ2000年以降、気候変動や海洋汚染等により海洋生態系は大きな影響を受け、漁獲量が不安定になるなど、水産関連従事者の生活にも影響を与えています。このような背景の中、モロッコは持続可能な水産業を目指すために資源管理を重要な政策の一つとして実施しており、海洋・漁業調査の質の向上が喫緊の課題となっています。

水産資源の管理能力を強化!調査船の新規建造を支援!

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2017年1月16日、モロッコの首都ラバトにおいて、モハメッド・ブーサイド経済・財政大臣(Mr.Mohamed Boussaid, Minister of Economy and Finance)と黒川恒男駐モロッコ大使との間で、「海洋・漁業調査船建造計画」を対象とする最大53億7,100万円の円借款に関する書簡の交換が行われました。

今回の計画は、モロッコ政府が進める水産業近代化計画「アリューティス計画」に基づき、高度な調査を行える海洋・漁業調査船を建造し、海洋環境要因及び水産資源要因を対象としたエコシステム・アプローチに基づく科学的な調査能力の強化を図ります。これによりモロッコの水産資源の管理能力向上に繋がり、経済競争力の強化・持続的な経済成長に寄与することが期待されてます。

これまでモロッコにおける水産資源調査には、過去に日本が無償資金協力を通じて供与した調査船を使用されてきました。20年以上にわたって丁寧に維持・管理して使用されてきましたが、老朽化により新規調査船の調達が求められていました。同時にエコシステムに基づく資源評価体制の構築や、市場価値の高い深海水産物の持続的開発・利用のための深海調査能力が不足しており、調査能力の高度化も求められていました。

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事業の完成は2022年1月を予定されており、この事業にかかる貸付資金は調査船の調達及び調査船の運航にかかる研修に加え、事業全体管理や施工監理などのコンサルティング・サービスに充当されます。なお、今回の貸付契約が調印された円借款事業は本邦技術活用条件(STEP:Special Terms for Economic Partnership)が適用され、日本の造船技術が活用される予定です。STEPとは、日本が保有する優れた技術やノウハウを活用した途上国への技術移転を通じて、日本の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件です。

JICAは、これまでも技術協力、無償資金協力、民間連携スキーム、ボランティア派遣など多様なスキームを活用しながら、モロッコの水産業発展に向けて支援してきました。今後も、モロッコの包摂的・持続的な成長の実現に向けた支援を行っていく予定です。


・記事・写真提供元:モロッコに対する円借款「海洋・漁業調査船建造計画」に関する書簡の交換(外務省報道発表)/モロッコ向け円借款契約の調印:日本の造船技術を活用した調査船建造により水産業の持続的な発展に貢献(JICA ニュースリリース)
・参照元:モロッコ王国 基礎データ(外務省)
・Cover Image Photo Credit: Dave_B_ via Visualhunt.com / CC BY

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