国際協力機構(JICA)は、ケニア共和国の首都ナイロビにおいて、「ABEイニシアティブ 東アフリカ・ビジネスネットワーキングフェア 2018」を2018年5月23日に開催しました。今回のネットワーキングフェアには、ケニア、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ及びセーシェルの東アフリカ周辺の6カ国から、日本での留学と企業インターンシップを終えて帰国した約80名が参加しました。
アフリカの若者を対象とした研修プログラム!
アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ、通称”ABEイニシアティブ”(African Business Education Initiative for the Youth)とは、アフリカの産業人材育成と日本企業のアフリカビジネスを現地でサポートする水先案内人の育成を目的として、アフリカの若者を日本に招き、日本の大学での修士号取得と、日本企業でのインターン実施の機会を提供するプログラムです。
2013年6月に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の安倍総理による冒頭スピーチで表明され、また2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において、さらに3年間継続することを表明しています。これまで第4バッチに分けて派遣され、のべ1100人が来日しました。研修員1人当たりの来日期間は最大3年で、研究生として半年間、修士課程正規生として2年間、修了後の企業でのインターンシップ期間として最長半年間滞在できます。
日系企業とABE卒業生のパネルディスカッションも!
国際協力機構(JICA)は、ケニアの首都ナイロビのクラウンプラザホテルにおいて、「ABEイニシアティブ 東アフリカ・ビジネスネットワーキングフェア 2018」を開催しました。今回のネットワーキングフェアには、ケニア、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ及びセーシェルの東アフリカ周辺の6カ国から、日本での留学と企業インターンシップを終えて帰国した約80名が参加しました。6カ国揃ってのフェアの開催は初めてとなります。
日本からは、米倉誠一郎法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授がモデレーターとして参加し、ABEイニシアティブ卒業生とインターン生としてABE卒業生を受け入れた日本企業駐在員によるパネルディスカッションが行われました。
ABEイニシアティブ卒業生を現地インターンとして初めて受け入れたEXCIA East Africa, Ltd.の松本義和代表は、「会計の知識と日本のビジネス感覚を持ち合わせており、本社の事務マネジメントを任せました。当時、ケリチョという地方支店の立ち上げを行っていた関係で出張が多かったので、事務所を任せられて大変助かりました。」と経験談を述べました。
また2名のインターン生を受け入れたLIXILの山上駐在員も、「ナイバシャパイロットテストでの調査の際に、インターンを活用しました。日本人として現地で情報収集するのはとても難しく、やはり現地の人から本音を引き出すには現地のケニア人でなければできません。2人のおかげで効率的に調査を行うことができました。」と2人が活躍したエピソードを紹介しました。
またABEイニシアティブ研修員が立ち上げたネットワーク組織「KAKEHASHI AFRICA」からは、アフリカ全土に広がるABE卒業生によるネットワークと日本の企業や団体とのパートナーシップを通して、アフリカの発展を促進するための架け橋として機能を目指した組織であると紹介がありました。フェア終了後は参加した日系企業と参加したABE卒業生によるネットワーキングも行われ、ABEイニシアティブ生と日系企業が交流深める絶好の機会となりました。
Cover Photo and All Photos Credit by 久野 武志