人口増を背景に、さらなる拡大が見込まれるケニアのBtoC市場。今回は国内最大手のビスケットメーカーであるManji Food Industriesの法人向けセールススーパーバイザーであるビビアン・アリンディ氏にショートインタビューを行い、同社およびビスケット市場の最新状況を伺いました。
写真:Manji社の法人向けセールススーパーバイザーであるビビアン・アリンディ氏
ケニアのビスケット市場とは!?
御社の商品はスーパーマーケットではとても有名ですが、法人向けにはどのように販売していますか。
私を含め、学校や空港、ホテル、あるいは各社を担当するセールスパーソンがいて、販売促進を行っています。また、Facebook(フォロワー数18万人。日本のカルビー株式会社が13万人ほど)、をはじめ、YoutubeやTwitterなどで情報発信に力を入れています。
売り上げ比率はスーパーマーケットと法人向けで、どのようになっていますか。
ナイバスやカルフール(それぞれケニア国内で展開する大手スーパーチェーン店)といった大手スーパーで毎月6000万シリング(約6000万円)、クリーンシェルフやクイックマートといった中堅スーパーで4000万シリングほどです。一方、法人向けは毎月400万シリングほどです。
御社はケニア国内のビスケット市場でトップシェアを誇っていますが(筆者注:おおよそ30%程度と推計)、現在の立ち位置をどのように認識していますか。
もちろん、当社は市場のトップリーダーで、ナンバーワンのビスケット会社です。現在は小麦や砂糖、燃料の値上がりで製造コストが上昇していますが、工夫を積み重ねることで安定した製造を実現しています。
Manji Food Industriesのビジネス戦略とは!?
写真元:Manji社 HP
ウクライナ戦争が勃発以来、物価高が続いています。原料調達はどのような状況ですか。
原料に関して、ケニア国内で十分に確保できるものは食料油くらいです。主要な国内製糖所が軒並み閉鎖しているので、砂糖は輸入に頼らざるを得ません。砂糖の安定した確保が最大の課題です。原料の確保ができず、十分な利益率を見込めないため、いくつかの製品では製造を抑えています。小麦は国内で作られたものをある程度は確保できているので、大きな問題にはなっていません。
御社のターゲット層はどのような人々ですか。
先ず、ビスケットは主に子どもが食べるものですから、大人への直接的なマーケティングは行いません。ですので、学校を中心に無料でビスケットを配る等、子どもへのアプローチを中心に行います。彼らが成長した時に当社のお客様になってほしいと考えていますが、学生食堂などで買ってもらうことはよくあります。
競合としてはどのようなメーカーがありますか
ケニアだとムジェンゴ社が展開するヌビタ(Nuvita)ブランドのビスケットが最大の競合です(筆者注:国内シェアがおおよそ18%程度)。あとはインドやUAEなど、海外メーカーからの輸入品が数多くあります。国内市場ではトップシェアを占めているので、現在は海外メーカーとの競争に注目しています。
ケニア国内でトップシェアを維持し続けている理由にはどのようなものがあるでしょうか
品質の高さです。メーカーの中には原料を減らしたり、容量を減らしたり、毎月新商品を出す会社があります。ただ、原料を減らせば、商品の品質を保つことはできません。当社は新商品を出す時に時間をかけますが、これも品質を維持するために必要だからです。当社が設立した1954年から変わらずに貫いてきた姿勢であり、トップを維持し続けてきた秘訣です。
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❚ 株式会社アクセルアフリカについて
『日本とアフリカ諸国を繋ぎ、社会課題解決型ビジネスを共創することで、アフリカの持続的成長に貢献する』をビジョンに日本企業のアフリカ進出をサポートするコンサルティング会社。ケニアに拠点を持ち、アフリカの主要国をカバーしている。
■法人概要
会社URL:https://www.axcelafrica.com/
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